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名古屋大学 多元数理科学研究科 2022年2月実施 1日目 [1]

Author

江澤 樹

Description

を実数とし, の3つのベクトル

が生成する部分空間を , 2つのベクトル

が生成する部分空間を で表す.

(1) の次元を求めよ.

(2) の次元を求めよ.

(3) の次元を求めよ.

Kai

(1),(2) は行基本変形によって解決しようという方針にしている. (1) ではなるべく を成分から減らすことを考えて最初に第 4 行目を他の行から引いた. (2) はまずは行列式により となる を絞り込むことから考えた. (3) は (1),(2) を誘導として考えて次元公式を用いた.

(1)

を生成する3つのベクトルを並べて得られる行列に行基本変形を行うと

とできる. よって, によらずにこの行列の階数は であるから

と求まる.

(2)

を生成する3つのベクトルと を生成するベクトルのうち1つをを並べて得られる行列について, (1) の途中計算を利用して行列式を計算してみると

となるため ならば である. さらに, のときは を生成する3つのベクトルと を生成するベクトル2つを並べて得られる行列について行基本変形により

とでき, のとき である. よって

と求まる.

(3)

簡単な計算により であることが確認できるから, 次元公式 (齋藤正彦, 線型代数入門, 東京大学出版会., p.109, 定理 4.7) と (1), (2) の結果により

と求まる.