名古屋大学 多元数理科学研究科 2021年2月実施 1日目 [3]
Author
江澤 樹
Description
広義積分
I=∫−∞∞x6+11dx
を考える.以下の問に答えよ.
(1) 複素関数 f(z)=z6+11 の上半平面 {z=x+iy∈C;x,y∈R,y>0} 内の極とそこでの留数を求めよ.
(2) 留数定理を用いて I の値を求めよ.
题目描述
考虑广义积分
I=∫−∞∞x6+1dx.
- 求复函数
f(z)=z6+11
在上半平面 {z=x+iy∣x,y∈R, y>0} 内的全部极点及其留数。
- 使用留数定理求 I。
- 极点与留数:求六次单位根中满足 z6=−1 且位于上半平面的三个单极点,并用分母导数计算留数。
- 利用留数求实积分:选择上半圆轮廓,证明大圆弧贡献趋零,并把实轴积分表示为内部留数之和。
Kai
(1)
P(z):=z6+1,Q(z):=1 とおくと, f(z)=P(z)Q(z) である. 方程式 P(z)=0 の解を求めるため z=reiθ (r>0,θ∈R) とおき, −1=eπi であることに注意すると
z6+1=0⇔z6=−1⇔(reiθ)6=eπi⇔r6e6iθ=eπi⇔r6=1 & e6iθ=eπi⇔r=1 & ∃n∈Z s.t. 6θ=π+2nπ⇔∃n∈Z s.t. z=exp(6π+2nπi)
とできる. 最後の式は n について周期 6 であるので, 連続する 6 個取ればすべてのものをつくす.
よって P(z) の零点 c は
c=e6πi,e2πi,e65πi,e67πi,e23πi,e611πi
つまり
c=±i,2±3±i
である(復号任意). これらの位数はみな 1 であり, P,Q は C 全体で正則で, Q(c)=1=0 であるから, これらは f の 1 位の極であり,
Res(f;c)=P′(c)Q(c)=6c51=6c6c=−6c
である. 以上により極 c のうちで上半平面にあるものは
i,2±3+i
でありそこでの留数は
Res(f;i)=−6i, Res(f,2±3+i)=−12±3+i
である (復号同順).
(2)
deg P(z)=6,deg Q(z)=0, deg P(z)≥deg Q(z)+2,∀x∈R,P(x)=0 であることに注意する.
R≫1 に対して, 実軸上の線分 JR:={z=x∈R;−R≤x≤R} と上半円 CR:={z=Reiθ∈C;0≤θ≤π} からなる閉曲線に反時計回りの向きを入れた積分経路を γR:=JR+CR とおく. この閉曲線 γR を図示すると
となり, 留数定理 と (1) の結果より
∫γRf(z)dz=2πiIm c>0∑Res(f;c)=(1)2πi{Res(f;23+i)+Res(f;i)+Res(f;2−3+i)}=(1)2πi(−123+i−6i−12−3+i)=32π
である. ここで, ∣z∣=R のとき ∣z6+1∣≥∣z∣6−1=R6−1>0 が成り立ち, CR の長さは πR であるから
∫CRf(z)dz≤R6−1πR→0 (R→∞)
である. よって
I=∫−∞∞f(x)dx=R→∞lim∫JRf(z)dz=R→∞lim(∫γRf(z)dz−∫CRf(z)dz)=32π
となることによる (梶原壌二, 関数論入門, 森北出版株式会社. p.82 問題 3.5).