名古屋大学 工学研究科 電気電子情報工学科 2024年8月実施 基礎2
Author
祭音Myyura
Description
以下の 3 次の正方行列 A について、以下の問いに答えよ。
A=10−1−34−1103
ただし、この行列 A の実数の固有値を λ1,λ2,λ3 (ただし、λ1≥λ2≥λ3)とし、問題中に現れるベクトル v1,v2,v3 はすべての要素が実数の列ベクトルとする。また、∣∣x∣∣2 はベクトル x のユークリッドノルマ(l2ノルム)を表すとする。
(1) 行列 A の固有値 λ1,λ2,λ3 をすべて求めよ。
(2) 行列 A の固有値 λ1 に対応する固有ベクトル v1 を、実数のパラメータ t を用い形で導出せよ。
(3) 行列 A の固有値 λ2 に対応する固有ベクトル v2 を、実数のパラメータ t を用い形で導出せよ。
(4) (3) で求めた固有ベクトル v2 のうち、すべての要素が非負の整数となる、ある固有ベクトル v2′ (ただし∣∣v2′∣∣2=0)を考える。このとき、
Av3=λ2v3+v2′
を満たす、かつ ∣∣v3∣∣2=1 となる v3 をすべて導出せよ。
上記の正方行列 A について、行列 An の i 行 j 列の要素を naij(i∈{1,2,3}),j∈{1,2,3}, すなわち An=na11na21na31na12na22na32na13na23na33 となる。以下の問いに答えよ。
(5) 行列 An の要素 na12 の一般形を、ジョルダン標準形の 3 次の正方行列 J を用いて導出せよ。(※ヒント1 ※ヒント2参照)
(6) 行列 A5 の要素 5a12 を求めよ。
-
※ヒント 1 : (2)~(4) の解を用いて、各要素が整数となるような P=[v1v2′v3] を定義すれば、AP=PJ の関係からジョルダン標準形の 3 次正方行列 J が得られる。
-
※ヒント 2 : [α101α]=[an0nan−1an] が成り立つことに着目せよ。
Kai
(1)
1−λ0−1−34−λ−1103−λ=(1−λ)[(4−λ)(3−λ)]+(4−λ)=(4−λ)[(1−λ)(3−λ)+1]=(4−λ)[3−4λ+λ2+1]=(4−λ)(λ−2)2=0
従って、
λ1=4,λ2=λ3=2
(2)
λ1=4 のとき、
⎩⎨⎧−3x1−3x2+x3=00+0+0=0−x1−x2−x3=0⇒x1=−x2
従って、
v1=1−10
(3)
λ2=2 のとき、
⎩⎨⎧−x1−3x2+x3=00+2x2+0=0−x1−x2+x3=0⇒{x2=0x1=x3
従って、
v2=101
(4)
10−1−34−1103x1x2x3=2x1x2x3+101
⎩⎨⎧x1−3x2+x30+4x2+0−x1−x2+3x3=2x1+1=2x2+0=2x3+1⇒{x2=0x1−x3=−1
x3 を実数 t とすると、
v3=t−10t
が得られて、(t−1)2+t2=2t2−2t+1 より、
∣∣v3∣∣=2t2−2t+11t−10t
(5)
(4) より、t=0 とすると、
v3=−100
ジョルダン標準形を考えると、
A=−110101−100400020012P−1
P−1=det(P)100−110−1011
detP=−1 より、
P−1=00−110−1011
(6)
A5=PJ5P−1=−110101−1004500025005⋅242500−110−1011=−45450250255⋅24−2505⋅2400−110−1011
5a12=−45−5⋅24+25=−1072