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九州大学 工学府 機械系専攻 2019年8月実施 熱工学 問1

Author​

祭音Myyura (co-authored with GPT 6 Astra)

Description​

ピストンをもつ往復動式一段圧縮機の圧力比の上限について考える。まず,圧縮機の動作を図1.1の pp–VV 線図で確認する。なお,以下各物理量の添字番号は,対応する状態,または過程を表すものとする。(55点)

  • 状態1→状態2:ピストンが下死点から移動し,シリンダ内部の気体を圧縮する(圧縮過程)。このときピストンが気体になす仕事を L12L_{12} とする。
  • 状態2→状態3:圧力 p2p_2 に達すると排気弁が開き,ピストンの上死点への移動とともに圧縮された気体が圧力,温度一定のもとシリンダ外部へ排気され,排気弁が閉じる(排気過程)。このときピストンが気体になす仕事を L23L_{23} とする。
  • 状態3→状態4:ピストンが上死点に達したときにピストンと吸排気弁との間のすきま容積(=V3=V_3)に残った高圧の気体は,吸気側圧力に等しくなるまで膨張する(膨張過程)。このときピストンが気体になす仕事を L34L_{34} とする。
  • 状態4→状態1:圧力 p4 (=p1)p_4\,(=p_1) で吸気弁が開き,ピストンの下死点への移動とともに外部の気体が圧力,温度一定のもとシリンダ内部へ吸気され,吸気弁が閉じる(吸気過程)。このときピストンが気体になす仕事を L41L_{41} とする。

圧力比を γ (≡p2/p1)\gamma\,(\equiv p_2/p_1) とする。また,ピストンの行程容積を VS (≡V1−V3)V_S\,(\equiv V_1-V_3) とするとき,すきま比 σ (≡V3/VS)\sigma\,(\equiv V_3/V_S),および容積効率 η (≡(V1−V4)/VS)\eta\,(\equiv(V_1-V_4)/V_S) を定義する。作動流体は,比熱比 κ\kappa(温度によらず一定)の理想気体とする。また,各過程は準静的であり,ピストンの摩擦は無視し得るものとする。以下の問いに答えよ。

原題の図1.1:圧縮機のp–V線図

(1) まず,すきま容積が存在しない理想的な圧縮機を考える。ピストンは排気過程で全ての気体を圧力,温度一定のもと排気する(状態3′)。また,状態4′→1で気体を圧力,温度一定のもと吸気する。状態4′→1→2→3′の一連の過程を通じてピストンが気体になす正味の仕事 L′L' を求めよ。ただし,p1,V1,κp_1,V_1,\kappa,および γ\gamma を用いて表せ。なお,圧縮過程は断熱変化とする。

(2) 次に,すきま容積が存在する圧縮機を考える。状態1→2→3→4→1の一連の過程を通じてピストンが気体になす正味の仕事 LL を求めよ。ただし,p1,VS,κ,γp_1,V_S,\kappa,\gamma,および η\eta を用いて表せ。なお,圧縮過程,および膨張過程はそれぞれ断熱変化とする。

(3) この圧縮機を使い,より高い圧力の気体を得たい。しかし,p1p_1 を固定して p2p_2 を高くしていく,すなわち γ\gamma が増加すると V4V_4 も大きくなり,吸気過程で吸気可能な気体の体積は減少していく。このように η\eta が γ\gamma に依存することを,η\eta を κ,γ\kappa,\gamma,および σ\sigma を用いて表すことで説明せよ。

(4) この圧縮機では γ\gamma はどこまで高くできるだろうか。γ\gamma を大きくしていくと,あるところで吸気過程においてもはや外部から吸気ができなくなる。このときの γ\gamma を κ\kappa,および σ\sigma を用いて表せ。また,このときの γ\gamma 以上の圧力比を得たい場合にはどのような方法が考えられるか,文章で記述せよ。

题目描述​

考虑带活塞的往复式单级压缩机压力比的上限。首先通过图1.1的 pp–VV 图确认其工作过程。以下各物理量的数字下标表示对应状态或过程。(55分)

  • 状态1→2:活塞从下止点移动,压缩缸内气体(压缩过程)。活塞对气体做功记为 L12L_{12}。
  • 状态2→3:压力达到 p2p_2 后排气阀打开;活塞向上止点移动时,压缩气体在压力、温度恒定条件下排出缸外,随后排气阀关闭(排气过程)。活塞对气体做功记为 L23L_{23}。
  • 状态3→4:活塞到达上止点时,残留在活塞与进排气阀之间余隙容积 V3V_3 内的高压气体膨胀,直到压力等于吸气侧压力(膨胀过程)。活塞对气体做功记为 L34L_{34}。
  • 状态4→1:压力为 p4=p1p_4=p_1 时吸气阀打开;活塞向下止点移动时,外部气体在压力、温度恒定条件下被吸入缸内,随后吸气阀关闭(吸气过程)。活塞对气体做功记为 L41L_{41}。

定义压力比 γ=p2/p1\gamma=p_2/p_1、活塞行程容积 VS=V1−V3V_S=V_1-V_3、余隙比 σ=V3/VS\sigma=V_3/V_S、容积效率 η=(V1−V4)/VS\eta=(V_1-V_4)/V_S。工质为比热比 κ\kappa 不随温度变化的理想气体,各过程均准静态,可忽略活塞摩擦。

(1) 首先考虑没有余隙容积的理想压缩机。排气过程中,活塞在恒压、恒温条件下排出全部气体,到达状态3′;状态4′→1为恒压、恒温吸气。求4′→1→2→3′全过程中活塞对气体所做的净功 L′L',用 p1,V1,κ,γp_1,V_1,\kappa,\gamma 表示。压缩过程为绝热变化。

(2) 接着考虑存在余隙容积的压缩机。求1→2→3→4→1全过程中活塞对气体所做的净功 LL,用 p1,VS,κ,γ,ηp_1,V_S,\kappa,\gamma,\eta 表示。压缩和膨胀过程均绝热。

(3) 希望用该压缩机获得更高压力的气体。但保持 p1p_1 不变并提高 p2p_2,即增大 γ\gamma 时,V4V_4 随之增大,吸气过程中可吸入气体的体积减少。通过用 κ,γ,σ\kappa,\gamma,\sigma 表示 η\eta,解释容积效率对压比的这种依赖关系。

(4) 该压缩机的 γ\gamma 能提高到多大?当 γ\gamma 不断增大到某值时,吸气过程中将无法再从外部吸气。用 κ,σ\kappa,\sigma 表示此时的 γ\gamma。若希望获得不低于该值的压力比,可采用什么方法?用文字说明。

Kai​

(1)​

気体への仕事を正とするので Lab=−∫abp dVL_{ab}=-\int_a^b p\,dV。断熱関係から V2=V1γ−1/κV_2=V_1\gamma^{-1/\kappa} であり、

L′=−p1V1+p2V2−p1V1κ−1+p2V2.L'=-p_1V_1+\frac{p_2V_2-p_1V_1}{\kappa-1}+p_2V_2.

したがって

L′=κκ−1p1V1(γ(κ−1)/κ−1).\boxed{L'=\frac{\kappa}{\kappa-1}p_1V_1 \left(\gamma^{(\kappa-1)/\kappa}-1\right)}.

(2)​

四過程の仕事は

L12=p2V2−p1V1κ−1,L23=p2(V2−V3),L34=p1V4−p2V3κ−1,L41=−p1(V1−V4).\begin{gathered} L_{12}=\frac{p_2V_2-p_1V_1}{\kappa-1},\\ L_{23}=p_2(V_2-V_3),\\ L_{34}=\frac{p_1V_4-p_2V_3}{\kappa-1},\\ L_{41}=-p_1(V_1-V_4). \end{gathered}

p2V2=p1V1γ(κ−1)/κp_2V_2=p_1V_1\gamma^{(\kappa-1)/\kappa}、p2V3=p1V4γ(κ−1)/κp_2V_3=p_1V_4\gamma^{(\kappa-1)/\kappa} を用いて和を取ると

L=κκ−1ηp1VS(γ(κ−1)/κ−1).\boxed{L=\frac{\kappa}{\kappa-1}\eta p_1V_S \left(\gamma^{(\kappa-1)/\kappa}-1\right)}.

この圧縮機の pp–VV サイクルは、横軸を VV、縦軸を pp とすると反時計回りで、−∮p dV>0-\oint p\,dV>0 である。

(3)​

V1=(1+σ)VSV_1=(1+\sigma)V_S、V4=V3γ1/κ=σVSγ1/κV_4=V_3\gamma^{1/\kappa}=\sigma V_S\gamma^{1/\kappa} より

η=1+σ−σγ1/κ.\boxed{\eta=1+\sigma-\sigma\gamma^{1/\kappa}}.

σ>0\sigma>0 なら ∂η/∂γ=−(σ/κ)γ1/κ−1<0\partial\eta/\partial\gamma=-(\sigma/\kappa)\gamma^{1/\kappa-1}<0。圧力比が増すと余隙気体がより大きな体積まで再膨張し、新しく吸い込める体積が減る。

(4)​

V4=V1V_4=V_1、すなわち η=0\eta=0 が限界条件なので

γmax⁡=(1+1σ)κ.\boxed{\gamma_{\max}=\left(1+\frac1\sigma\right)^\kappa}.

より大きい総圧力比には多段圧縮を用い、各段の圧力比をその段の限界以下にする。例えば nn 段に等しく分担すれば、一段の圧力比は総圧力比の 1/n1/n 乗となる。段間冷却を加えると次段の吸入温度を低下させ、圧縮仕事と吐出温度を抑えられる。余隙比 σ\sigma 自体を小さくすることも限界の改善につながる。

Reference​