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九州大学 工学府 機械系専攻 2013年度 熱工学 問3

Author​

祭音Myyura (refined with GPT 6 Astra)

Description​

工場から 90∘C90^\circ\mathrm C の温排水が WH=600 kg/minW_H=600\,\mathrm{kg/min} で流出する。これを用いて 50∘C50^\circ\mathrm C の油を 80∘C80^\circ\mathrm C まで加熱したい。温排水の比熱は cpH=4 kJ/(kg K)c_{pH}=4\,\mathrm{kJ/(kg\,K)}、油は cpC=2 kJ/(kg K)c_{pC}=2\,\mathrm{kJ/(kg\,K)} とする。ln⁡2=0.7,ln⁡3=1.1,ln⁡5=1.6\ln2=0.7,\ln3=1.1,\ln5=1.6 を用いてよい。(40点)

  1. 向流熱交換器で WC=400 kg/minW_C=400\,\mathrm{kg/min} の油を TCo=80∘CT_{Co}=80^\circ\mathrm C まで加熱するとき、温排水出口温度 THoT_{Ho} を求めよ。
  2. 温排水側と油側の熱伝達率が hH=5 kW/(m2K)h_H=5\,\mathrm{kW/(m^2K)}、hC=1.25 kW/(m2K)h_C=1.25\,\mathrm{kW/(m^2K)} のとき、必要伝熱面積 A (m2)A\,(\mathrm{m^2}) を求めよ。隔壁の熱伝導抵抗は無視できる。
  3. 流体の混合平均温度と隔壁温度の流れ方向分布の概略を、温度差や温度変化に注意して下図に示せ。流体温度は実線、隔壁温度は破線とする。
  4. 一方の流体側だけ伝熱促進して面積を60%にしたい。最も小さい促進率で実現するには、どちらの熱伝達率を何倍にすればよいか。
  5. 並流熱交換器で 80∘C80^\circ\mathrm C まで加熱できる油の流量の上限(極限)を求め、向流の優位性を述べよ。

原題の温度分布解答欄

题目描述​

利用热废水加热油,计算逆流换热器出口温度、面积及温度分布,选择有效的换热强化一侧,并求并流情况下油流量的极限。

Kai​

(1)​

熱交換量は

Q˙=40060×2(80−50)=400 kW.\dot Q=\frac{400}{60}\times2(80-50)=400\,\mathrm{kW}.

温排水の熱容量流量は CH=(600/60)×4=40 kW/KC_H=(600/60)\times4=40\,\mathrm{kW/K} なので

THo=90−40040=80∘C.\boxed{T_{Ho}=90-\frac{400}{40}=80^\circ\mathrm C}.

(2)​

熱通過率および対数平均温度差は

U=(1hH+1hC)−1=1 kW/(m2K),ΔTlm=(80−50)−(90−80)ln⁡{(80−50)/(90−80)}=20ln⁡3 K.U=\left(\frac1{h_H}+\frac1{h_C}\right)^{-1}=1\,\mathrm{kW/(m^2K)},\qquad \Delta T_{\mathrm{lm}}=\frac{(80-50)-(90-80)}{\ln\{(80-50)/(90-80)\}} =\frac{20}{\ln3}\,\mathrm K.

よって

A=Q˙UΔTlm=20ln⁡3≃22 m2.\boxed{A=\frac{\dot Q}{U\Delta T_{\mathrm{lm}}}=20\ln3\simeq22\,\mathrm{m^2}}.

(3)​

左端を温排水入口とする。両流体温度は左から右へ低下し、端点は左で (TH,TC)=(90,80)(T_H,T_C)=(90,80)、右で (80,50)(80,50) である。壁温 TwT_w は局所熱流の連続性より

hH(TH−Tw)=hC(Tw−TC)⟹Tw=hHTH+hCTChH+hC=0.8TH+0.2TC.h_H(T_H-T_w)=h_C(T_w-T_C) \quad\Longrightarrow\quad T_w=\frac{h_HT_H+h_CT_C}{h_H+h_C}=0.8T_H+0.2T_C.

従って壁温は左端 88∘C88^\circ\mathrm C、右端 74∘C74^\circ\mathrm C で、温排水側に近い。

向流熱交換器の流体温度と隔壁温度

図は累積伝熱面積を全体で割った座標 ξ\xi を横軸として描いた。一定 UU のもとで、TH=95−5 3ξT_H=95-5\,3^\xi、TC=95−15 3ξT_C=95-15\,3^\xi、Tw=95−7 3ξT_w=95-7\,3^\xi となり、油側の温度変化は温排水側の3倍である。

(4)​

A′=0.6AA'=0.6A で同じ交換熱量・端点温度を保つには U′=U/0.6=5/3U'=U/0.6=5/3 が必要。温排水側だけ強化しても U′≤hC=1.25<5/3U'\le h_C=1.25<5/3 なので実現できない。油側を α\alpha 倍すると

1U′=15+11.25α=35⟹α=2.\frac1{U'}=\frac15+\frac1{1.25\alpha}=\frac35 \quad\Longrightarrow\quad\boxed{\alpha=2}.

従って油側の熱伝達率を2倍、すなわち100%増加させる。

(5)​

並流では油の出口温度が温排水出口温度を超えられないので、極限は THo=TCo=80∘CT_{Ho}=T_{Co}=80^\circ\mathrm C。熱収支より

600×4(90−80)=WC×2(80−50)⟹WC,sup⁡=400 kg/min.600\times4(90-80)=W_C\times2(80-50) \quad\Longrightarrow\quad\boxed{W_{C,\sup}=400\,\mathrm{kg/min}}.

並流でこの等温端点に達するには無限の伝熱面積を要し、有限面積では WC<400 kg/minW_C<400\,\mathrm{kg/min}。向流では 400 kg/min400\,\mathrm{kg/min} を有限面積約 22 m222\,\mathrm{m^2} で処理でき、さらに大きい流量も可能である。