九州大学 システム情報科学府 情報理工学専攻 2019年8月実施 計算機アーキテクチャ
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【問 1】
論理関数

【問 2】
(1) プログラム実行時間は,「実行命令数」「平均 CPI(Clock cycles Per Instruction)」「クロックサイクル時間」の積で近似できる.シングルサイクル・データパス方式(
(2) パイプライン式データパスで発生する RAW (Read After Write) ハザードを解消する代表的な実装として「パイプラインストール」と「データフォワーディング」がある.これらの実装法の利点と欠点を説明せよ.
(3) 命令発行幅は
【問 3】
(1) キャッシュブロックサイズを答えよ.
(2) キャッシュサイズを答えよ.
(3) レベル
AMAT = キャッシュヒット時間 + キャッシュミス率 × キャッシュミスペナルティ
Kai
【問 1】
a | b | c | d | F |
---|---|---|---|---|
0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
0 | 0 | 1 | 0 | x |
0 | 0 | 1 | 1 | 0 |
0 | 1 | 0 | 0 | x |
0 | 1 | 0 | 1 | 0 |
0 | 1 | 1 | 0 | x |
0 | 1 | 1 | 1 | x |
1 | 0 | 0 | 0 | x |
1 | 0 | 0 | 1 | 0 |
1 | 0 | 1 | 0 | 1 |
1 | 0 | 1 | 1 | 1 |
1 | 1 | 0 | 0 | 0 |
1 | 1 | 0 | 1 | 0 |
1 | 1 | 1 | 0 | x |
1 | 1 | 1 | 1 | x |
ab\cd | 00 | 01 | 11 | 10 |
---|---|---|---|---|
00 | 1 | x | ||
01 | x | x | x | |
11 | x | x | ||
10 | x | 1 | 1 |

【問 2】
(1)
- クロックサイクル時間の短縮:パイプライン処理では、各ステージが短いクロックサイクル時間で実行できるため、全体のクロックサイクル時間が短くなります。
- 並行性の向上:パイプライン処理では、複数の命令が同時に実行されるため、全体の実行速度が向上します。
- パイプラインハザードの影響:パイプライン処理では、パイプラインハザードが発生することでCPIが増加し、実行時間が長くなる可能性があります。
(2)
パイプラインストール:
利点:
- シンプルな実装で、ハードウェアの複雑さが比較的少ない。
- データ依存性が発生した場合に、後続の命令を一時停止してデータが利⽤可能になるのを待つため、ハザードが解消される。
欠点:
- 後続の命令がストールされるため、パイプラインの効率が低下し、IPC(Instructions Per Cycle)が減少する可能性がある。
- パイプラインストールが頻繁に発生すると、プロセッサの性能が大幅に低下する。
データフォワーディング:
利点:
- 後続の命令がデータを待つことなく実行できるため、パイプラインの効率が向上し、IPCが向上する可能性がある。
- データ依存性がある場合でも、パイプラインストールが発生しにくくなるため、プロセッサの性能が向上する。
欠点:
- ハードウェアの複雑さが増すため、実装が難しくなる。
- すべてのRAWハザードがデータフォワーディングで解消できるわけではなく、場合によってはパイプラインストールが必要になることがある(例:ロード命令の結果がすぐに利⽤可能でない場合)。
(3)
【問 3】
(1)
(2)
(3)
利点:
- キャッシュミス率の低下: キャッシュ連想度が高いと、キャッシュ内でのデータの配置が柔軟になるため、キャッシュミスが発生しにくくなります。これにより、キャッシュミス率が低下し、AMATが短くなります。
- ローカリティの向上: キャッシュ連想度が高いと、データのローカリティが向上し、特定のデータに対するアクセスが高速化されます。これもAMATを短くする要因となります。
欠点:
- キャッシュヒット時間の増加: キャッシュ連想度が高いと、キャッシュ内でのデータの検索に時間がかかる可能性があります。これにより、キャッシュヒット時間が増加し、AMATが⻑くなることがあります。
- ハードウェアの複雑さとコスト: 高いキャッシュ連想度を実現するには、より複雑なハードウェアが必要となり、コストが増加します。このコスト増加は、性能向上のためのトレードオフとして考慮されるべきです。