京都大学 理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 2021年8月実施 I-2-AB
Author
祭音Myyura (refined with GPT 6 Astra)
Description
I-2A(電磁気学)
真空中に置かれた電気双極子と電気四重極子について次の小問に答えよ。ここで、真空の誘電率を ε0 とし、SI 単位系を用いて解答せよ。なお、必要に応じて次の展開の式 (A) を用いてよい。
(1+x)α=1+αx+2α(α−1)x2+⋯(∣x∣≪1)(A)

(1) 図 1(a) のように、電気量 +q と −q を持つ点電荷が z 軸上の (0,0,d/2) と (0,0,−d/2) に配置されたときの静電ポテンシャルについて考える。d,q は正とする。点 r=(x,y,z) における静電ポテンシャル ϕ1 を示せ。また、z 軸上(x=y=0)における静電ポテンシャル ϕ1 の概略図を示せ。
(2) 小問 (1) で、距離 r=∣r∣=x2+y2+z2 に比べて間隔 d が十分に小さい場合、点電荷の対を電気双極子という。静電ポテンシャル ϕ1 において d/r の 2 次以上の微小量を無視することにより、電気双極子の静電ポテンシャル ϕ2 を r,p を用いて示せ。ここで、電気双極子モーメントを p=qdez=(0,0,qd) とし、z 軸方向の単位ベクトルを ez とする。
(3) 小問 (2) で求めた静電ポテンシャル ϕ2 と E=−∇ϕ(ϕ:静電ポテンシャル)の関係から、電場 E を r,p を用いて示せ。ただし、演算子 ∇ を含んではならない。
(4) 反対向きの大きさの等しい 2 つの電気双極子が接近した場合を電気四重極子という。電気四重極子として、図 1(b) のように 3 つの点電荷 +q,−2q,+q が互いに d だけ離れて z 軸上に一直線状に並んでいる場合について考える。図 1(b) のように r と z 軸の成す角度を θ とする。このとき、十分遠方の点 r における静電ポテンシャルを r と θ の関数 ϕ3(r,θ) として求めよ。ここで、d/r の 3 次以上の微小量を無視する。
(5) 小問 (4) で求めたポテンシャル ϕ3(r,θ) から、r 方向と θ 方向の電場を求めよ。
(6) 図 1(c) のように、電気量 +q を持つ電荷が距離 2d だけ離れて置かれている。十分遠方での静電ポテンシャル ϕ4 を求め、小問 (4) で求めた電気四重極子との大きさの違いについて述べよ。
I-2B(物理数学)
一次元波動方程式を、無限区間において、ある初期条件のもとで解くことを考える。
(1) 初めに、f(x,y) に関する偏微分方程式 ∂2f/(∂x∂y)=0 の一般解は、x の任意関数 ψ(x) と y の任意関数 ϕ(y) の和 f=ψ(x)+ϕ(y) として表せることを示せ。
(2) u(x,t) に関する一次元波動方程式
∂t2∂2u=c2∂x2∂2u(c>0)(A)
の一般解を求めるために、まず、新しい独立変数 ξ=x+ct,η=x−ct を使って、∂2u/(∂ξ∂η) を求めよ。
(3) 次に、この波動方程式の一般解を、ξ の任意関数 ψ(ξ) と η の任意関数 ϕ(η) で表せ。
初期条件 u(x,0)=exp(−x2),∂u/∂t(x,0)=0 の時、式 (A) の解を得たい。
(4) この初期条件を、ψ(x),ϕ(x),dψ(x)/dx,dϕ(x)/dx の線形結合で表せ。ここで、ψ(x) と ϕ(x) は小問 (3) のような関数 ψ(x+ct),ϕ(x−ct) で t=0 としたものである。
小問 (4) で得られた ψ(x),ϕ(x),dψ(x)/dx,dϕ(x)/dx の満たす微分方程式を解こう。
(5) まずは、積分定数を C1 として、ψ(x) の一般解を求めよ。
(6) 同様に ϕ(x) の一般解も求めたのち、u(x,t) を決定せよ。
(7) 図 1 を解答用紙に書き写し、u(x,0) と u(x,3/c) をそれぞれ点線と実線で簡略に図示せよ。

题目描述
I-2A(电磁学)
回答关于真空中电偶极子和电四极子的下列问题。真空介电常数为 ε0,采用 SI 单位制。必要时可使用展开式
(1+x)α=1+αx+2α(α−1)x2+⋯(∣x∣≪1).(A)

(1) 如图 1(a),将电荷量为 +q,−q 的点电荷分别置于 z 轴上的 (0,0,d/2) 和 (0,0,−d/2),其中 d,q>0。求点 r=(x,y,z) 处的静电势 ϕ1,并画出 z 轴上(x=y=0)电势 ϕ1 的示意图。
(2) 当 (1) 中电荷间距 d 远小于距离 r=∣r∣=x2+y2+z2 时,该电荷对称为电偶极子。在 ϕ1 中忽略 d/r 的二阶及以上小量,用 r,p 表示偶极电势 ϕ2。其中偶极矩为 p=qdez=(0,0,qd),ez 为 z 方向单位矢量。
(3) 根据 (2) 的 ϕ2 及 E=−∇ϕ(ϕ 为静电势),用 r,p 表示电场 E,结果中不得含算符 ∇。
(4) 大小相等、方向相反的两个偶极子彼此靠近时,构成电四极子。考虑图 1(b) 中 +q,−2q,+q 三个点电荷相邻间距为 d、沿 z 轴成直线排列的情况。θ 为图中 r 与 z 轴的夹角。求足够远处的电势 ϕ3(r,θ),忽略 d/r 的三阶及以上小量。
(5) 由 (4) 的 ϕ3(r,θ) 求 r 方向和 θ 方向的电场。
(6) 如图 1(c),两个电荷量均为 +q 的电荷相距 2d。求足够远处的静电势 ϕ4,并说明其大小与 (4) 电四极子的区别。
I-2B(数学物理)
考虑在无限区间上,给定初始条件时求解一维波动方程。
(1) 证明 f(x,y) 满足的偏微分方程 ∂2f/(∂x∂y)=0 的通解可写成 x 的任意函数 ψ(x) 与 y 的任意函数 ϕ(y) 之和,即 f=ψ(x)+ϕ(y)。
(2) 为求一维波动方程
∂t2∂2u=c2∂x2∂2u(c>0)(A)
的通解,先引入新独立变量 ξ=x+ct,η=x−ct,计算 ∂2u/(∂ξ∂η)。
(3) 用 ξ 的任意函数 ψ(ξ) 和 η 的任意函数 ϕ(η) 表示该波动方程的通解。
希望求初始条件 u(x,0)=exp(−x2),∂u/∂t(x,0)=0 下式 (A) 的解。
(4) 将初始条件表示为 ψ(x),ϕ(x),dψ(x)/dx,dϕ(x)/dx 的线性组合。这里 ψ(x),ϕ(x) 是 (3) 的函数 ψ(x+ct),ϕ(x−ct) 在 t=0 时的形式。
下面求解 (4) 中这些函数及其导数满足的微分方程。
(5) 先求 ψ(x) 的通解,积分常数记为 C1。
(6) 同样求 ϕ(x) 的通解,然后确定 u(x,t)。
(7) 将图 1 复制到答题纸上,分别用虚线和实线简略画出 u(x,0) 与 u(x,3/c)。

Kai
I-2A
(1)
無限遠を電位の基準に取れば
ϕ1=4πε0q[x2+y2+(z−d/2)21−x2+y2+(z+d/2)21].
軸上では奇関数で、z=0 でゼロ、z=d/2 で両側から +∞、z=−d/2 で両側から −∞、無限遠ではゼロに近づく。

(2)
∣r∓(d/2)ez∣−1=r−1±dz/(2r3)+O(d2/r3) より
ϕ2=4πε0r3p⋅r.
(3)
∇r−3=−3r/r5 を用いて
E=4πε01[r53(p⋅r)r−r3p].
(4)
ϕ3=4πε0q[r2−2rdcosθ+d21+r2+2rdcosθ+d21−r2].
定数項と一次項が相殺され、
ϕ3(r,θ)≃4πε0r3qd2(3cos2θ−1).
(5)
ErEθ=4πε0r43qd2(3cos2θ−1),=4πε0r46qd2sinθcosθ.
(6)
ϕ4=4πε0q[r2+r3d2(3cos2θ−1)+O(r5d4)].
総電荷が 2q であるため、主項は r−1。四重極子の r−3 より緩やかに減衰し、一般の方向では遠方で (r/d)2 程度大きい。
I-2B
(1)
∂yfx=0 から fx=g(x)。x で積分して f=ψ(x)+ϕ(y) を得る。逆にこの形は方程式を満たす。
(2)
∂ξ=21∂x+2c1∂t,∂η=21∂x−2c1∂t,
より uξη=(uxx−utt/c2)/4=0。
(3)
u(x,t)=ψ(x+ct)+ϕ(x−ct).
(4)
ψ(x)+ϕ(x)=e−x2,c[ψ′(x)−ϕ′(x)]=0.
(5)
和の式を微分すると ψ′+ϕ′=−2xe−x2。差の式と合わせて
ψ′=−xe−x2、従って ψ=e−x2/2+C1。
(6)
ϕ=e−x2/2−C1 であり
u(x,t)=21[e−(x+ct)2+e−(x−ct)2].
(7)
初期の高さ 1 のガウス波形が、左右に速さ c で進む高さ約 1/2 の二つの波に分かれる。t=3/c では中心は x=±3。

Reference