京都大学 理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 2021年8月実施 I-1
Author
祭音Myyura (refined with GPT 6 Astra)
Description
図 1 のように、質量 m、電荷 q の粒子が平面 (x,y) 上で非相対論的に運動している。粒子には中心力ポテンシャル
V(x,y)=2mω2(x2+y2)(A)
がはたらいている。ここで ω は正の実数である。また、平面上には一様磁場 B (B≥0) が奥から手前に向かって垂直にかけられていて、この磁場を与えるベクトルポテンシャルは
(Ax,Ay)=2B(−y,x)(B)
である。以下では、i は虚数単位、ℏ はプランク定数を 2π で割ったものとする。また ^ のついた記号は量子力学的演算子を表すものとする。

まず B=0 の場合を考える。
(1) この粒子の古典力学的ハミルトニアン HB=0 を書け。ただし、粒子の運動量として (px,py) の記号を使うこと。
(2) HB=0 を量子化して得られるハミルトニアン演算子 H^B=0 について独立なエネルギー固有状態とエネルギー固有値を全て書け。ただし固有状態は以下のように各座標方向を量子化して導入した昇降演算子 a^i†,a^i (i=x,y) を用いて表すこと。また、基底状態 ∣0⟩ を a^x∣0⟩=a^y∣0⟩=0 で導入する。状態のノルムの規格化は行わなくても良い。
x^=2mωℏ(a^x†+a^x),p^x=i2mℏω(a^x†−a^x),(C)
y^=2mωℏ(a^y†+a^y),p^y=i2mℏω(a^y†−a^y).(D)
(3) 角運動量演算子
L^=x^p^y−y^p^x,(E)
及び、
M^=a^x†+ia^y†,N^=a^x†−ia^y†,(F)
を導入する。以下の各交換関係、
[H^B=0,L^],[H^B=0,M^],[H^B=0,N^],[L^,M^],[L^,N^],[M^,N^](G)
を全て求めよ。ただし、結果は H^B=0,L^,M^,N^ で表すこと(結果を昇降演算子や位置や運動量の演算子で表さないこと)。
(4) H^B=0 と L^ の独立な同時固有状態を M^ と N^ を使って全て書け。各状態の H^B=0 と L^ の固有値も書け。状態のノルムの規格化は行わなくても良い。
(ヒント:M^ と N^ が a^x† と a^y† の替わりとして使えることに注意せよ。)
次に B>0 の場合を考える。この場合の古典力学的ハミルトニアン HB は B=0 におけるハミルトニアン HB=0 に対して、
px→px−qAx,py→py−qAy(H)
という置き換えを行うことにより得られる。
(5) HB=0 に対して式 (H) の置き換えを行った後に、式 (B) を代入することにより、HB を書き下せ。ただし、角運動量 L=xpy−ypx を使って見通しの良い形にすること。
(6) HB を量子化した H^B について、エネルギー固有値を全て求めよ。
更に粒子が複数存在する場合を考える。粒子はパウリの排他律を満たす同種粒子とし、粒子間の相互作用を無視する。エネルギーの低い状態から順に 1 粒子により占有される。簡単のため、以下の小問では、粒子のスピンの自由度は無いものとし、また、q>0 とする。
(7) 図 2 のように B=0 において状態の縮退度が D (D>1) のエネルギー準位に、n (0<n≤D) 個の粒子が存在していたとする。磁場を B>0 に変化させたところ、状態のエネルギーの縮退が解け、粒子は D 個の状態の中でエネルギーの低い n 個の状態を占有した。これらの n 個の状態のエネルギーの総和を求めよ。
(8) (a) n=D と (b) 0<n<D のそれぞれの場合で、小問 (7) で求めたエネルギーの B=0 近傍での振る舞いを、それぞれの特徴がよくわかるように図示せよ。
题目描述
如图 1,质量为 m、电荷为 q 的粒子在 (x,y) 平面上作非相对论运动,受到中心力势
V(x,y)=2mω2(x2+y2),(A)
其中 ω 为正实数。均匀磁场 B≥0 从纸面后方朝前方垂直穿过平面,其矢势为
(Ax,Ay)=2B(−y,x).(B)
以下 i 为虚数单位,ℏ 为普朗克常数除以 2π,带帽符号表示量子力学算符。

首先考虑 B=0。
(1) 写出粒子的经典哈密顿量 HB=0,粒子动量使用符号 (px,py)。
(2) 对 HB=0 量子化所得的 H^B=0,写出所有独立能量本征态及本征值。本征态须用各坐标方向量子化引入的升降算符 a^i†,a^i (i=x,y) 表示。基态 ∣0⟩ 定义为 a^x∣0⟩=a^y∣0⟩=0,无需归一化态的范数。
x^=2mωℏ(a^x†+a^x),p^x=i2mℏω(a^x†−a^x),(C)
y^=2mωℏ(a^y†+a^y),p^y=i2mℏω(a^y†−a^y).(D)
(3) 引入角动量算符
L^=x^p^y−y^p^x(E)
以及
M^=a^x†+ia^y†,N^=a^x†−ia^y†.(F)
求所有以下对易关系:
[H^B=0,L^],[H^B=0,M^],[H^B=0,N^],[L^,M^],[L^,N^],[M^,N^].(G)
结果须用 H^B=0,L^,M^,N^ 表示,不得用升降算符、位置算符或动量算符表示。
(4) 用 M^,N^ 写出 H^B=0,L^ 的全部独立共同本征态及各态的两个本征值,无需归一化。
(提示:M^,N^ 可以替代 a^x†,a^y† 使用。)
下面考虑 B>0。经典哈密顿量 HB 可由 HB=0 作替换
px→px−qAx,py→py−qAy(H)
得到。
(5) 先对 HB=0 作式 (H) 的替换,再代入式 (B),写出 HB。使用角动量 L=xpy−ypx 将结果整理为清晰的形式。
(6) 对 HB 量子化后的 H^B,求全部能量本征值。
进一步考虑多个粒子。它们是满足泡利不相容原理的同种粒子,忽略粒子间相互作用,从低能态起依次每态占据一个粒子。为简便,以下不考虑自旋自由度,并设 q>0。
(7) 如图 2,在 B=0 时简并度为 D>1 的能级上有 n 个粒子,0<n≤D。将磁场改为 B>0 后,简并解除,粒子占据这 D 个态中能量最低的 n 个态。求这些态的总能量。
(8) 分别对 (a) n=D 和 (b) 0<n<D,画出 (7) 所求能量在 B=0 附近的行为,并清楚展示各自特点。
Kai
以下、H0=HB=0、H^0=H^B=0 と略記する。
(1)
H0=2mpx2+py2+2mω2(x2+y2).
(2)
H^0=ℏω(a^x†a^x+a^y†a^y+1).
独立な基底は (a^x†)r(a^y†)s∣0⟩、r,s≥0 の整数であり、
Ers=ℏω(r+s+1)。
(3)
L^=iℏ(a^y†a^x−a^x†a^y) と交換関係 [a^i,a^j†]=δij を用いると
[H^0,L^][H^0,M^][H^0,N^]=0,=ℏωM^,=ℏωN^,
[L^,M^][L^,N^][M^,N^]=ℏM^,=−ℏN^,=0.
(4)
L^∣0⟩=0 なので
∣r,s⟩ErsLrs∝M^rN^s∣0⟩,=ℏω(r+s+1),=ℏ(r−s).
M^,N^ と二つの生成演算子は可逆な線形変換で結ばれるため、これらは完全な独立基底となる。
(5)
HB=2mpx2+py2−2mqBL+2m(ω2+4m2q2B2)(x2+y2).
(6)
Ω=ω2+(qB/2m)2 とし、周波数 Ω の円偏光生成演算子で対角化すれば
Ers(B)=ℏΩ(r+s+1)−2mqBℏ(r−s),r,s=0,1,….
ここで Ω>∣qB/(2m)∣ であり、スペクトルは下に有界である。
(7)
元の殻では r+s=D−1。qB>0 で低い順の角運動量は
ℏ(D−1),ℏ(D−3),…。従って
En,D(B)=nDℏω2+(2mqB)2−2mqBℏn(D−n).
(8)
En,D(B)=nDℏω−2mqℏn(D−n)B+8m2ωnDℏq2B2+O(B4).
満殻 n=D は原点で水平な接線を持ち二次で増大する。未満殻では右側の傾きが負で、まず減少する。どちらも B≥0 側で上に凸である。

Reference