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京都大学 理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 2019年8月実施 問題II-1

Author​

祭音Myyura (refined with GPT 6 Astra)

Description​

質量 MM、半径 RR のビリヤード球 A の運動について考察する。球 A は剛体で内部は均質であるものとし、重力加速度を gg、球と床との間の動摩擦係数を μ′\mu'(球の速さによらない定数)として以下の問に答えよ。ただし、空気抵抗および転がり摩擦を考慮する必要はない。

(1) 球 A の重心を通る軸に関する慣性モーメントは 25MR2\frac25MR^2 となることを示せ。

(2) 球 A の側面を玉突き棒で床と平行に高さ RR で突いたところ、球 A は初速度 v0v_0 で無回転で動き始めた(図 1、左向きを正とする)。その後球 A は床との摩擦により回転を速めながら並進速度を減速させ、最終的にはすべりなく等速で転がる状態となる。最終速度 v1v_1 および突いた地点からすべりなく転がり始めるまでの移動距離 x1x_1 を求めよ。

図1

球 A が角速度 ω1\omega_1 ですべらずに転がりながら、図 2 左(横から見た図)のような断面形状の高さ h (<2R)h\ (<2R) の段差に頂点 P でぶつかるとき、以下の問に答えよ。ただし、球 A は図 2 右(上から見た図)のように段差の縁に対して正面からぶつかるものとする。また、ぶつかった瞬間に頂点 P ですべりは発生せず、段差は頂点 P 以外では球 A とは接触しない断面形状を持つものとし、段差の形状変形も考慮する必要はない。

図2

(3) ぶつかる直前の球 A の頂点 P に対する全角運動量(球 A の重心まわりの回転による角運動量と頂点 P に対する球 A の重心が持つ角運動量の和)を求めよ。

(4) ぶつかった直後の球 A の頂点 P まわりの角速度 ω\omega を考えることにより、球 A への床からの垂直抗力が衝突の瞬間に変化しない段差の高さ hh を決定せよ。

球 A と全く同じ形状・質量・性質を持つ球 B が、球 A より LL だけ離れた場所で静止している状況を考える。小問 (2) と同じ突き方で球 A を球 B の中心に向かって突いたとき、球 A は初速度 v0v_0 で無回転で動き始め(図 3)、やがて球 B に衝突する。衝突時に球と球の間には摩擦は働かず、球同士のはねかえり係数は 1 として、以下の問に答えよ。

図3

(5) 球 A がすべりなく転がり始め、小問 (2) で求めた速度 v1v_1 で球 B に衝突する場合を考える。衝突後しばらくして、球 A, B がどちらもすべりなく転がる状態となるが、このときの球 A, B の最終速度の比を求めよ。

(6) 球 A を突く強さを変えることで衝突後の球 A の最終速度をどのようにコントロールできるか。小問 (5) で考慮しなかったすべりながら衝突する場合も検討し、球 A の最終速度を最大にする条件を含めて簡単に解説せよ。

以下、図 4 のように、真二つに割れた球 A が球面側を下にして置かれている状況を考える。

図4

(7) 静止状態での床面との接触点まわりの慣性モーメントが 1340MR2\frac{13}{40}MR^2 となることを示せ。

(8) 釣り合い点付近での微小振動の周期を求めよ。

题目描述​

考虑质量为 MM、半径为 RR 的台球 A 的运动。球 A 是内部均匀的刚体。设重力加速度为 gg,球与地面之间的动摩擦系数为 μ′\mu',该系数为与球速无关的常数。回答下列问题,不必考虑空气阻力和滚动摩擦。

(1) 证明绕通过球 A 质心的轴的转动惯量为 25MR2\frac25MR^2。

(2) 在距地面高度 RR 处,用球杆平行地面击打球 A 的侧面,球 A 开始以初速度 v0v_0 运动而不旋转(图 1,向左为正)。此后,地面摩擦使球的旋转加快而平动减慢,最终达到无滑动的匀速滚动状态。求最终速度 v1v_1,以及从击球位置到开始无滑动滚动的移动距离 x1x_1。

图1

球 A 以角速度 ω1\omega_1 无滑动滚动,在顶点 P 处碰撞高度为 h (<2R)h\ (<2R)、截面形状如图 2 左侧视图所示的台阶。球 A 如图 2 右俯视图所示,从正面撞向台阶边缘。碰撞瞬间顶点 P 处无滑动,台阶截面使台阶与球仅在 P 点接触,不必考虑台阶变形。

图2

(3) 求碰撞前瞬间球 A 对顶点 P 的总角动量,即绕自身质心旋转的角动量与球 A 质心对 P 的角动量之和。

(4) 通过考虑碰撞后瞬间球 A 绕 P 点的角速度 ω\omega,确定使地面对球 A 的法向力在碰撞瞬间不变的台阶高度 hh。

设形状、质量和性质均与球 A 完全相同的球 B 静止在与球 A 相距 LL 的位置。以 (2) 相同的方式朝球 B 中心击打球 A,使 A 以初速度 v0v_0 开始运动而不旋转(图 3),随后撞上 B。设碰撞时两球之间无摩擦,球间恢复系数为 1。

图3

(5) 考虑球 A 已开始无滑动滚动,并以 (2) 求出的 v1v_1 撞上球 B 的情况。碰撞后一段时间,两球均达到无滑动滚动状态。求此时球 A、B 的最终速度之比。

(6) 改变击打球 A 的力度,可以怎样控制碰撞后球 A 的最终速度?也考虑 (5) 未包括的球 A 仍在滑动时发生碰撞的情况,简要说明,并给出使球 A 最终速度最大的条件。

下面考虑将球 A 分成相等两半后,如图 4 以球面一侧朝下放置的情况。

图4

(7) 证明静止状态下绕与地面接触点的转动惯量为 1340MR2\frac{13}{40}MR^2。

(8) 求平衡位置附近微小振动的周期。

Kai​

(1)・(2)​

(1) 対称性より 3I=∫2r2dm3I=\int2r^2dm。一様密度 ρ=3M/(4πR3)\rho=3M/(4\pi R^3) を使うと

I=23ρ 4π∫0Rr4dr=25MR2.I=\frac23\rho\,4\pi\int_0^Rr^4dr=\boxed{\frac25MR^2}.

(2) 進行方向を正、純転がりで v=Rωv=R\omega となる回転の向きを正とする。滑っている間は

v=v0−μ′gt,Rω=52μ′gt.v=v_0-\mu'gt,\qquad R\omega=\frac52\mu'gt.

従って t1=2v0/(7μ′g)t_1=2v_0/(7\mu'g)、

v1=57v0,x1=v0t1−12μ′gt12=12v0249μ′g.\boxed{v_1=\frac57v_0,\qquad x_1=v_0t_1-\frac12\mu'gt_1^2=\frac{12v_0^2}{49\mu'g}.}

(3)・(4)​

(3) 正の回転方向を (2) と合わせると、重心まわりの項と重心の並進による項の和は

LP=Iω1+M(R−h)v1=MR(75R−h)ω1.\boxed{L_P=I\omega_1+M(R-h)v_1=MR\left(\frac75R-h\right)\omega_1.}

(4) 床の垂直抗力が有限の通常値のままであれば、床からの衝撃力積はなく、P まわりの角運動量が保存する。P における非滑り条件から、衝突直後は P を瞬間中心とする運動となり

(I+MR2)ω=LP,ω=(1−5h7R)ω1.(I+MR^2)\omega=L_P,\qquad \omega=\left(1-\frac{5h}{7R}\right)\omega_1.

0<h<2R0<h<2R のとき、重心の鉛直速度は ω2Rh−h2\omega\sqrt{2Rh-h^2} に比例する。床への通常の接触を保ち、垂直抗力を変化させないには、この鉛直速度がゼロでなければならない。従って ω=0\omega=0 であり

h=75R.\boxed{h=\frac75R.}

この高さでは P からの水平方向の力積だけで並進・回転がともに停止でき、床から鉛直の衝撃力積を受ける必要がない。

(5)​

等質量、反発係数1の衝突により並進速度は交換され、回転は変わらない。従って直後の (v,Rω)(v,R\omega) は A が (0,v1)(0,v_1)、B が (v1,0)(v_1,0)。床の摩擦の作用中には v+(2/5)Rωv+(2/5)R\omega が保存されるので、純転がりの最終速度は

vA(∞)=27v1,vB(∞)=57v1,vA(∞):vB(∞)=2:5.\boxed{\begin{aligned} v_A^{(\infty)}&=\frac27v_1,\qquad v_B^{(\infty)}=\frac57v_1,\\ v_A^{(\infty)}:v_B^{(\infty)}&=2:5. \end{aligned}}

(6)​

純転がりがちょうど衝突直前に始まる初速度を v∗v_* とすると、x1=Lx_1=L より

v∗=712μ′gL.v_*=\frac7{\sqrt{12}}\sqrt{\mu'gL}.

v0≤v∗v_0\leq v_* では vA(∞)=10v0/49v_A^{(\infty)}=10v_0/49。v0>v∗v_0>v_* では衝突まで滑り続け、衝突時間は

tc=v0−v02−2μ′gLμ′g,Rωc=52μ′gtc.t_c=\frac{v_0-\sqrt{v_0^2-2\mu'gL}}{\mu'g},\qquad R\omega_c=\frac52\mu'gt_c.

衝突直後に A の並進速度はゼロとなるため、

vA(∞)={10v0/49(v0≤v∗),57(v0−v02−2μ′gL)(v0>v∗).\boxed{v_A^{(\infty)}= \begin{cases} 10v_0/49 &(v_0\leq v_*),\\ \frac57\left(v_0-\sqrt{v_0^2-2\mu'gL}\right)&(v_0>v_*). \end{cases}}

後者は v0v_0 に関して単調減少する。したがって最大は v0=v∗v_0=v_* で

max⁡vA(∞)=573μ′gL.\boxed{\max v_A^{(\infty)}=\frac5{7\sqrt3}\sqrt{\mu'gL}.}

(7)・(8)​

半球の質量は M/2M/2。球の中心から重心までの距離は

d=ρπ∫0Rz(R2−z2)dzM/2=38R.d=\frac{\rho\pi\int_0^Rz(R^2-z^2)dz}{M/2}=\frac38R.

球の中心を通る水平軸の慣性モーメントは MR2/5MR^2/5。平行軸の定理を二度使って

IG=15MR2−M2d2,IP=IG+M2(R−d)2=1340MR2.I_G=\frac15MR^2-\frac M2d^2,\qquad I_P=I_G+\frac M2(R-d)^2=\boxed{\frac{13}{40}MR^2}.

小さな傾き θ\theta に対して重心の高さの増加は dθ2/2d\theta^2/2。非滑りの微小振動では

IPθ¨=−M2gdθ,T=2πIP(M/2)gd=2π26R15g.I_P\ddot\theta=-\frac M2gd\theta, \qquad \boxed{T=2\pi\sqrt{\frac{I_P}{(M/2)gd}}=2\pi\sqrt{\frac{26R}{15g}}.}

Reference​