京都大学 理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 2019年8月実施 問題III-1
Author
祭音Myyura (refined with GPT 6 Astra)
Description
電気双極子モーメントを持つ N 個の粒子が、体積 V の箱に閉じ込められている。粒子 i の電気双極子モーメント μi は、その大きさ μ と角度座標 (θi,φi) を用いて、
μi=μ(cosφisinθi,sinφisinθi,cosθi)
と書くことができる。
z 軸正の向きの外部電場 E の下で、系のハミルトニアンは、
H=i=1∑N{2m1∣pi∣2−Eμcosθi}+1≤j<i≤N∑U(ri,μi,rj,μj)
と与えられる。ここで、m は粒子の質量、ri と pi はそれぞれ粒子 i の座標と運動量、E は E の大きさ、U(ri,μi,rj,μj) は粒子 i と粒子 j の間の相互作用を表す。ただし、簡単のため、慣性モーメントは 0 とし、回転運動エネルギーの寄与は無視した。以下、系は温度 T の平衡状態にあるとし、ボルツマン定数を kB とする。
まず、相互作用 U(ri,μi,rj,μj) が無視できる場合を考える。
(1) 系の圧力 p0 を書け。
(2) 電気双極子モーメントと外部電場のなす角が、θ と θ+dθ の間にある確率を 2πf(θ)sinθdθ とする。系が温度 T のカノニカル分布に従うとして、f(θ) の表式を示せ。
(3) 単位体積あたりの分極を M=Nμ⟨cosθ⟩/V とする。⟨cosθ⟩ は粒子 i に対する cosθi の温度 T における期待値を表す。M を求めよ。
(4) 真空の誘電率を ε0 として、系の誘電率 ε を ε=ε0+M/E とする。外部電場が小さい極限での誘電率を求めよ。必要であれば、∣x∣≪1 のとき cothx=1/x+x/3+O(x2) となることを用いてよい。
次に、外部電場を 0 とし、圧力 p に対する粒子間相互作用の寄与を考えたい。粒子 1 と粒子 2 の電気双極子モーメント間の相互作用 U は、
U(r1,μ1,r2,μ2)=−R3c{3(μ1⋅R^)(μ2⋅R^)−μ1⋅μ2}
と与えられる。ここで、相対位置ベクトルを R (=r2−r1) とし、R=∣R∣、R^=R/R とおいた。また、c=1/(4πε0) はクーロン定数である。
粒子 2 が粒子 1 に及ぼす力は F=−∂U(r1,μ1,r2,μ2)/∂r1 である。F は R だけでなく μ1 や μ2 にも依存するため、そのままでは圧力を求めることが容易ではない。そこで、温度 T のカノニカル分布に基づいて、μ1 と μ2 に対する統計平均を行い、粒子 1 と粒子 2 の間に働く平均的な力 ⟨F⟩ を求めることにする。
(5) 実効ポテンシャル Ueff(R) を次の式を用いて定義する。
e−Ueff(R)/(kBT)=∫dΩ1∫dΩ2e−U(r1,μ1,r2,μ2)/(kBT).
ここで、積分 ∫dΩi は i=1,2 に対し、μi の立体角積分 ∫0πsinθidθi∫02πdφi を表す。粒子 1 と粒子 2 の座標をそれぞれ r1,r2 に固定した条件下での、μ1 と μ2 に関する確率 P(μ1,μ2∣r1,r2) を、Ueff,U,kBT を用いて書け。
(6) 粒子 2 が粒子 1 に及ぼす平均的な力
⟨F⟩=∫dΩ1∫dΩ2F(r1,μ1,r2,μ2)P(μ1,μ2∣r1,r2)
が、⟨F⟩=−∂Ueff(R)/∂r1 と与えられることを示せ。
以下では、温度が十分に高く、kBT≫cμ2/R3 が成り立っているとする。
(7) 平均的な力 ⟨F⟩ の最も主要な項は、⟨F⟩=−AR−αR^ のように、係数 A とべき指数 α を用いて書くことができる。A と α を求めよ。ただし必要であれば、
(4π)−2∫dΩ1∫dΩ2{3(μ1⋅R^)(μ2⋅R^)−μ1⋅μ2}=0,
(4π)−2∫dΩ1∫dΩ2{3(μ1⋅R^)(μ2⋅R^)−μ1⋅μ2}2=32μ4
となることを用いてよい。
(8) 相互作用として、R>d では実効的ポテンシャル Ueff が働き、R≤d では剛体球ポテンシャルが働いているとする。すなわち、全ポテンシャル Utot を
Utot(R)={∞Ueff(R)(R≤d),(R>d)
とする。ただし、d>0 である。粒子数密度が十分に小さいとき、圧力 p は
NkBTpV=1−2VN∫dR[exp{−kBTUtot(R)−Utot(R=∞)}−1]
と近似することができる。この式を用いて、圧力 p を求めよ。
题目描述
N 个具有电偶极矩的粒子被限制在体积为 V 的箱内。粒子 i 的偶极矩大小为 μ,角坐标为 (θi,φi),可写为
μi=μ(cosφisinθi,sinφisinθi,cosθi).
在沿 z 轴正方向的外电场 E 下,哈密顿量为
H=i=1∑N{2m1∣pi∣2−Eμcosθi}+1≤j<i≤N∑U(ri,μi,rj,μj).
其中 m 为粒子质量,ri,pi 为粒子 i 的坐标和动量,E 为电场大小,U 表示粒子 i,j 间的相互作用。为简便,令转动惯量为 0,忽略转动动能的贡献。系统处于温度 T 的平衡态,玻尔兹曼常数为 kB。
先考虑可以忽略相互作用 U 的情况。
(1) 写出系统压强 p0。
(2) 设偶极矩与外场夹角位于 θ 和 θ+dθ 之间的概率为 2πf(θ)sinθdθ。若系统服从温度 T 的正则分布,求 f(θ) 的表达式。
(3) 设单位体积的极化强度为 M=Nμ⟨cosθ⟩/V,其中 ⟨cosθ⟩ 表示粒子 i 的 cosθi 在温度 T 下的期望值。求 M。
(4) 设真空介电常数为 ε0,系统介电常数为 ε=ε0+M/E。求外场很小的极限下的介电常数。必要时可使用 ∣x∣≪1 时 cothx=1/x+x/3+O(x2)。
下面撤去外场,考察粒子间相互作用对压强 p 的贡献。粒子 1、2 的电偶极相互作用为
U(r1,μ1,r2,μ2)=−R3c{3(μ1⋅R^)(μ2⋅R^)−μ1⋅μ2}.
定义相对位置矢量 R=r2−r1,R=∣R∣,R^=R/R,库仑常数为 c=1/(4πε0)。
粒子 2 对粒子 1 的力为 F=−∂U/∂r1。该力不仅依赖 R,还依赖 μ1,μ2,因此不易直接求压强。下面基于温度 T 的正则分布,对两偶极矩取统计平均,求粒子间的平均力 ⟨F⟩。
(5) 用下式定义有效势 Ueff(R):
e−Ueff(R)/(kBT)=∫dΩ1∫dΩ2e−U(r1,μ1,r2,μ2)/(kBT).
其中 i=1,2,∫dΩi 为偶极矩方向的立体角积分 ∫0πsinθidθi∫02πdφi。在粒子坐标分别固定为 r1,r2 的条件下,用 Ueff,U,kBT 表示偶极矩方向的概率 P(μ1,μ2∣r1,r2)。
(6) 证明粒子 2 对粒子 1 的平均力
⟨F⟩=∫dΩ1∫dΩ2F(r1,μ1,r2,μ2)P(μ1,μ2∣r1,r2)
可写为 ⟨F⟩=−∂Ueff(R)/∂r1。
以下假设温度足够高,使 kBT≫cμ2/R3 成立。
(7) 平均力的最主要项可写为 ⟨F⟩=−AR−αR^。求系数 A 和幂指数 α。必要时可使用
(4π)−2∫dΩ1∫dΩ2{3(μ1⋅R^)(μ2⋅R^)−μ1⋅μ2}=0,
(4π)−2∫dΩ1∫dΩ2{3(μ1⋅R^)(μ2⋅R^)−μ1⋅μ2}2=32μ4.
(8) 设 R>d 时作用有效势 Ueff,R≤d 时作用硬球势,即总势能为
Utot(R)={∞Ueff(R)(R≤d),(R>d),
其中 d>0。当粒子数密度足够小时,压强可近似为
NkBTpV=1−2VN∫dR[exp{−kBTUtot(R)−Utot(R=∞)}−1].
利用此式求压强 p。
Kai
(1)–(4)
(1) 配置積分は VN に比例するので p0=NkBT/V。
(2) x=μE/(kBT) とおくと、∫excosθdΩ=4πsinhx/x。従って
f(θ)=4πsinhxxexcosθ.
x=0 では連続な極限 f=1/(4π) を取る。
(3) 分配関数の対数微分から ⟨cosθ⟩=cothx−1/x。よって
M=VNμ(cothx−x1).
(4) M≃Nμ2E/(3VkBT) より
ε=ε0+3VkBTNμ2.
(5)・(6)
(5) 方向の積分で規格化すると
P=e(Ueff−U)/(kBT).
(6) ZΩ=e−Ueff/(kBT) を位置で微分して
−∂r1∂Ueff=ZΩ∫dΩ1dΩ2(−∂r1U)e−U/(kBT)=⟨F⟩.
(7)
高温展開と与えられた方向平均から
ZΩUeff(R)=(4π)2[1+3(kBT)2R6c2μ4+⋯],=Ueff(∞)−3kBTR6c2μ4+⋯.
∂R/∂r1=−R^ であることに注意すると
⟨F⟩=kBTR72c2μ4R^+⋯.
粒子1は粒子2へ引かれる。問題の表記 −AR−αR^ に合わせると
α=7,A=−kBT2c2μ4.
(8)
硬核の内側で被積分関数は −1。外側では高温の主要項として c2μ4/[3(kBT)2R6] を用いる。従って
∫d3R(⋯)=−34πd3+9(kBT)2d34πc2μ4,
p≃VNkBT[1+3V2πNd3−9V(kBT)2d32πNc2μ4].
この近似は低密度に加え、接触距離でも cμ2/(kBTd3)≪1 を要する。
Reference