跳到主要内容

京都大学 理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 2018年8月実施 問題II-2

Author​

祭音Myyura (refined with GPT 6 Astra)

Description​

図1のように平面上に乗る半径 RR の円 CC の上に束縛された質量 mm、電荷 ee(e>0e>0 とする)の荷電粒子の運動を量子力学的に考察する。この平面に垂直な方向に円 CC の中心を貫くように細長いソレノイドが設置されており、円 CC の内部を図の上向きに貫く磁束 Φ\Phi を自由にコントロールできるようになっている。ただし、磁場はソレノイドの内部のみに生じ、円 CC 上では無視できるものとする。以下では、この荷電粒子の定常状態を表す波動関数を ψ(σ)\psi(\sigma) で表し、周期境界条件 ψ(σ+2πR)=ψ(σ)\psi(\sigma+2\pi R)=\psi(\sigma) に従う一次元量子力学系として取り扱う。ここで、σ=Rθ\sigma=R\theta は CC 上の座標である。なお、必要であればプランク定数を 2π2\pi で割ったものとして、ℏ\hbar を用いよ。

原題 図1:磁束が貫く円周上の荷電粒子

(1) Φ=0\Phi=0 のとき、荷電粒子の波動関数 ψ(σ)\psi(\sigma) が従うシュレディンガー方程式を、エネルギー固有値を EE として書き下せ。また、取り得るすべてのエネルギー固有値と固有状態の波動関数を求めよ。

(2) Φ≠0\Phi\ne0 のとき、ベクトルポテンシャルの σ\sigma 方向成分 AσA_\sigma の値は、CC 上で一定値を取るように選ぶことができる。このときの AσA_\sigma を Φ\Phi と RR を用いて表せ。

(3) AσA_\sigma が一般の値の場合のハミルトニアンは、Aσ=0A_\sigma=0 の場合のハミルトニアンに含まれる σ\sigma 方向の運動量 pσp_\sigma を pσ−eAσp_\sigma-eA_\sigma で置き換えた形になる。このことを用いて、AσA_\sigma が CC 上で一定値である場合に、取り得るエネルギー固有値を AσA_\sigma を用いて書け。

(4) 磁束 Φ\Phi がある値の整数倍のとき、エネルギースペクトルは Φ=0\Phi=0 の場合と同じになる。Φ>0\Phi>0 の範囲で、エネルギースペクトルが Φ=0\Phi=0 と同じになる最小の Φ\Phi の値を求めよ。以下、この値を Φ0\Phi_0 とおく。

(5) 磁束 Φ\Phi を Φ=0\Phi=0 からゆっくりと Φ=Φ0\Phi=\Phi_0 へ変化させる。このとき、縦軸をエネルギー、横軸を Φ\Phi として、エネルギー固有値の変化を図示せよ。ただし、エネルギー準位は低いものから順に3番目までを描け。また、図中で2つ以上の準位のエネルギーが縮退する部分がある場合には、その部分を丸で囲んで示せ。(4つ目のエネルギー準位が3つ目のエネルギー準位と縮退する点がある場合には、その点も丸で囲むこと。)

次に、この系にポテンシャル

V(σ)=λcos⁡(2σR)V(\sigma)=\lambda\cos\left(\frac{2\sigma}{R}\right)

(λ\lambda は正の定数)が加わった場合に、エネルギースペクトルがどのように変化するのかを、以下のマシュー関数の性質を用いて考察する。

ν\nu 次のマシュー関数 meν(ξ,q)\mathrm{me}_\nu(\xi,q) は、qq を固定して ξ\xi の関数とみなしたときにマシューの微分方程式

d2dξ2φ(ξ)+(a−2qcos⁡(2ξ))φ(ξ)=0(A)\frac{d^2}{d\xi^2}\varphi(\xi)+(a-2q\cos(2\xi))\varphi(\xi)=0\tag{A}

の解であり、

meν(ξ+π,q)=eiνπmeν(ξ,q),meν(ξ,0)=eiνξ\mathrm{me}_\nu(\xi+\pi,q)=e^{i\nu\pi}\mathrm{me}_\nu(\xi,q),\qquad \mathrm{me}_\nu(\xi,0)=e^{i\nu\xi}

を満たす。ここで、ν=ν(a,q)\nu=\nu(a,q) は実定数 a,qa,q で定まる特性指数と呼ばれる定数である。また、ν\nu が整数でない場合には、meν(ξ,q)\mathrm{me}_\nu(\xi,q) と me−ν(ξ,q)\mathrm{me}_{-\nu}(\xi,q) が微分方程式 (A) の2つの独立解を与える。

(6) この系のシュレディンガー方程式は、ξ=σ/R\xi=\sigma/R、ψ(σ)=eikξφ(ξ)\psi(\sigma)=e^{ik\xi}\varphi(\xi) と置き、定数 kk を適切に選べば、マシューの微分方程式 (A) に帰着される。そのときの k,a,qk,a,q を Φ,Φ0,λ\Phi,\Phi_0,\lambda とエネルギー固有値 EE のうち必要なものを用いて表せ。

(7) k,a,qk,a,q が小問 (6) で求めたものであるとき、ψ(σ)=eikξmeν(ξ,q)\psi(\sigma)=e^{ik\xi}\mathrm{me}_\nu(\xi,q) はシュレディンガー方程式の解である。さらに、この ψ(σ)\psi(\sigma) が周期境界条件を満たすとき、ν\nu の取り得る値を求めよ。

(8) 図2は、0<q≪10<q\ll1 とみなせるある qq の値を固定したときの aa と ν\nu の関係を表したグラフである。特に、ν=1.0\nu=1.0 を与える aa は、a=1.0a=1.0 の付近に2つあり、aa がその間の値を取るときには ν\nu は実数にならない。このことは 0<q≪10<q\ll1 のときには常に成り立つ。このグラフの形から、λ\lambda が十分小さな正の値をとるときに、小問 (5) で求めた図がどのように変わるのかを推定し、図示せよ。なお、小問 (5) と同様に、図中で2つ以上の準位のエネルギーが縮退する部分がある場合には、その部分を丸で囲んで示せ。

原題 図2:マシュー方程式の特性指数

题目描述​

如图1,考察质量为 mm、电荷为 ee(e>0e>0)的粒子被束缚在平面内半径为 RR 的圆 CC 上的量子运动。一根细长螺线管垂直于该平面穿过圆心,可以自由控制向图中上方穿过圆 CC 内部的磁通 Φ\Phi。磁场只存在于螺线管内部,在圆 CC 上可以忽略。以下用 ψ(σ)\psi(\sigma) 表示粒子的定态波函数,将系统作为满足周期边界条件 ψ(σ+2πR)=ψ(σ)\psi(\sigma+2\pi R)=\psi(\sigma) 的一维量子系统处理。σ=Rθ\sigma=R\theta 为圆 CC 上的坐标,必要时使用普朗克常数除以 2π2\pi 得到的 ℏ\hbar。

(1) 在 Φ=0\Phi=0 时,以 EE 表示能量本征值,写出波函数 ψ(σ)\psi(\sigma) 满足的 Schrödinger 方程,并求所有可能的能量本征值和本征态波函数。

(2) 在 Φ≠0\Phi\ne0 时,可以选择使矢量势的 σ\sigma 方向分量 AσA_\sigma 在圆 CC 上为常数。用 Φ,R\Phi,R 表示此时的 AσA_\sigma。

(3) 对一般的 AσA_\sigma,哈密顿量可以由 Aσ=0A_\sigma=0 时的哈密顿量中将 σ\sigma 方向动量 pσp_\sigma 替换为 pσ−eAσp_\sigma-eA_\sigma 得到。利用这一点,在 AσA_\sigma 沿圆 CC 为常数时,用 AσA_\sigma 写出允许的能量本征值。

(4) 当磁通 Φ\Phi 为某值的整数倍时,能谱与 Φ=0\Phi=0 时相同。求 Φ>0\Phi>0 范围中使能谱与零磁通相同的最小磁通,以下记为 Φ0\Phi_0。

(5) 使磁通从 Φ=0\Phi=0 缓慢变化到 Φ=Φ0\Phi=\Phi_0。以能量为纵轴、Φ\Phi 为横轴,画出能量本征值的变化,只画从低到高的前三个能级。若图中有两个或更多能级简并,将简并部分用圆圈标出;若第四能级与第三能级有简并点,也须圈出。

接着考虑对系统加入势

V(σ)=λcos⁡(2σR),λ>0,V(\sigma)=\lambda\cos\left(\frac{2\sigma}{R}\right),\qquad\lambda>0,

利用以下 Mathieu 函数的性质研究能谱的变化。

将 ν\nu 阶 Mathieu 函数 meν(ξ,q)\mathrm{me}_\nu(\xi,q) 在固定 qq 时视为 ξ\xi 的函数,它是 Mathieu 微分方程

d2dξ2φ(ξ)+(a−2qcos⁡(2ξ))φ(ξ)=0(A)\frac{d^2}{d\xi^2}\varphi(\xi)+(a-2q\cos(2\xi))\varphi(\xi)=0\tag{A}

的解,并满足

meν(ξ+π,q)=eiνπmeν(ξ,q),meν(ξ,0)=eiνξ.\mathrm{me}_\nu(\xi+\pi,q)=e^{i\nu\pi}\mathrm{me}_\nu(\xi,q),\qquad \mathrm{me}_\nu(\xi,0)=e^{i\nu\xi}.

ν=ν(a,q)\nu=\nu(a,q) 是由实常数 a,qa,q 决定的常数,称为特征指数。当 ν\nu 不为整数时,meν(ξ,q)\mathrm{me}_\nu(\xi,q) 和 me−ν(ξ,q)\mathrm{me}_{-\nu}(\xi,q) 给出方程 (A) 的两个独立解。

(6) 令 ξ=σ/R\xi=\sigma/R、ψ(σ)=eikξφ(ξ)\psi(\sigma)=e^{ik\xi}\varphi(\xi),适当选择常数 kk,可将系统的 Schrödinger 方程化为 Mathieu 方程 (A)。从 Φ,Φ0,λ\Phi,\Phi_0,\lambda 和能量本征值 EE 中选用必要的量,表示 k,a,qk,a,q。

(7) 当 k,a,qk,a,q 取第 (6) 问的结果时,ψ(σ)=eikξmeν(ξ,q)\psi(\sigma)=e^{ik\xi}\mathrm{me}_\nu(\xi,q) 是 Schrödinger 方程的解。进一步要求该波函数满足周期边界条件,求 ν\nu 的允许值。

(8) 图2表示固定某个满足 0<q≪10<q\ll1 的 qq 值时,aa 与 ν\nu 的关系。特别地,在 a=1.0a=1.0 附近,有两个 aa 值使 ν=1.0\nu=1.0;当 aa 位于它们之间时,ν\nu 不是实数。这一事实在 0<q≪10<q\ll1 时总是成立。根据该图,推断当 λ\lambda 为充分小的正数时,第 (5) 问中的能级图如何变化,并作图。与第 (5) 问相同,若有两个或更多能级简并,用圆圈标出相应部分。图2见上方原图。

Kai​

(1)–(4)​

Φ=0\Phi=0 の方程式は −ℏ2ψ′′/(2m)=Eψ-\hbar^2\psi''/(2m)=E\psi。周期条件と規格化により

ψn(σ)=einσ/R2πR,En(0)=ℏ2n22mR2,n∈Z.\boxed{\psi_n(\sigma)=\frac{e^{in\sigma/R}}{\sqrt{2\pi R}},\quad E_n(0)=\frac{\hbar^2n^2}{2mR^2},\quad n\in\mathbb Z.}

ストークスの定理から 2πRAσ=Φ2\pi R A_\sigma=\Phi。ER=ℏ2/(2mR2)E_R=\hbar^2/(2mR^2) とおくと

Aσ=Φ2πR,En=12m(ℏnR−eAσ)2=ER(n−f)2,Φ0=2πℏe,f=ΦΦ0.\boxed{\begin{aligned} A_\sigma&=\frac{\Phi}{2\pi R},\\ E_n&=\frac1{2m}\left(\frac{\hbar n}R-eA_\sigma\right)^2=E_R(n-f)^2,\\ \Phi_0&=\frac{2\pi\hbar}e,\qquad f=\frac\Phi{\Phi_0}. \end{aligned}}

ff を整数だけ増やすと nn の付け替えで全スペクトルが一致する。

(5)​

0≤f≤1/20\leq f\leq1/2 の最低3準位は順に n=0,1,−1n=0,1,-1、1/2≤f≤11/2\leq f\leq1 では n=1,0,2n=1,0,2 である。縮退は f=0,1f=0,1 で第2・第3準位、f=1/2f=1/2 で第1・第2準位、および第3・第4準位に生じる。

磁束と円環上の低エネルギー準位

(6)・(7)​

シュレディンガー方程式は

[ER(−i∂ξ−f)2+λcos⁡2ξ]ψ=Eψ.\left[E_R(-i\partial_\xi-f)^2+\lambda\cos2\xi\right]\psi=E\psi.

ψ=eifξφ\psi=e^{if\xi}\varphi で磁束を微分演算子から除くと

k=f,a=EER,q=λ2ER=mR2λℏ2.\boxed{k=f,\qquad a=\frac E{E_R},\qquad q=\frac\lambda{2E_R}=\frac{mR^2\lambda}{\hbar^2}.}

一周で ψ\psi が得る位相は e2πi(f+ν)e^{2\pi i(f+\nu)} なので

ν=n−f,n∈Z.\boxed{\nu=n-f,\qquad n\in\mathbb Z.}

(8)​

ポテンシャルの行列要素は

⟨n′∣V∣n⟩=λ2(δn′,n+2+δn′,n−2).\langle n'|V|n\rangle=\frac\lambda2(\delta_{n',n+2}+\delta_{n',n-2}).

f=0f=0 の n=±1n=\pm1 は結合し、一次で ER±λ/2E_R\pm\lambda/2 に分裂する。f=1f=1 の n=0,2n=0,2 も同様である。したがって端点での第2・第3準位の縮退は解ける。

一方、偶数 nn と奇数 nn の部分空間は結合しない。f=1/2f=1/2 での変換 n↦1−nn\mapsto1-n はこの二空間を入れ替えて同じスペクトルを与えるため、第1・第2、および第3・第4準位の縮退は残る。図の右側は小さい λ/ER\lambda/E_R の代表例であり、端点の分裂と半磁束での交差を示す。

Reference​