京都大学 理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 2017年8月実施 問題II-1
Author
祭音Myyura (refined with GPT 6 Astra)
Description
次の形のハミルトニアン H で与えられる1次元ポテンシャル問題を考える:
H=2m1p2+V(x),V(x)=2mω2x2(1−gx)2.(A)
ここで、x は位置を表す座標、p は x に共役な運動量、m は質量、g は非負の実数とする。g=0 のとき、系は x=0 の周りで角振動数 ω で振動する調和振動子となり、基底エネルギー E は、E=ℏω/2 となる。ただし、ℏ はプランク定数を 2π で割ったものである。一方、g=0 の場合には、V(x) は図に示す2重井戸ポテンシャルとなり、基底エネルギーは、トンネル効果による非摂動論的補正により、E=ℏω(ν+1/2) と変更される。以下では g=0 とし、ν を求める。ここで、基底エネルギーは2重井戸ポテンシャルの障壁の高さより十分小さいとし、その g に対する摂動論的補正は考えないこととする。

(1) 図の ∣x∣≪1/g が成り立つ領域 I では、V(x) は放物線 V0(x)=mω2x2/2 で近似できる。E=ℏω(ν+1/2) として、領域 I におけるシュレディンガー方程式 Hψ(x)=Eψ(x) の解を求めよ。ここで、ν が整数でないとき、解はエルミート多項式では書けないことに注意して、解を求める際には、以下の性質をもつ特殊関数 Dλ(z) を用いよ。Dλ(z) は以下の微分方程式
dz2d2Dλ(z)+(λ+21−4z2)Dλ(z)=0(B)
を満たし、λ が非負の整数でなく、z≫1 の場合には
Dλ(z)Dλ(−z)≈zλe−z2/4,≈(−z)λe−z2/4+Γ(−λ)2πez2/4z−λ−1(C)
の漸近形をもつ。ただし、Γ(z) はガンマ関数である。ここで、解は x→−∞ でゼロに収束するとし、規格化定数が必要な場合は A とおくこと。
図のトンネル障壁内の領域 II における基底状態の波動関数は WKB 近似で求めることができ、k(x)=2m(V(x)−E) として、
ψ(x)≈k(x)C1exp(ℏ1∫axdyk(y))+k(x)C2exp(−ℏ1∫axdyk(y))(D)
の形で与えられる。ここで、a は図に示す V(a)=E を満たす点であり、b=g−1−a として、基底状態が ψ(x)=ψ(g−1−x) を満たすことから、C1/C2 は
C2C1=exp(−ℏ1∫abdyk(y))(E)
となる。基底エネルギーがトンネル障壁の高さより十分小さいとき、a≪1/g が成り立つことに注意して、以下の問に答えよ。
(2) x が領域 II にあり、a≪x≪(a2/g)1/3 を満たすとき、式 (D) の ψ(x) は
ψ(x)≈B1xγ1exp(2ℏmωx2)+B2xγ2exp(−2ℏmωx2)(F)
の漸近形をもつ。Bi および γi を Ci(i=1,2)および E を用いて表せ。ここで、a≪x≪(a2/g)1/3 のときに成り立つ近似式
∫axdyk(y)≈∫axdy(mωy−ωyE)(G)
および a≈2E/(mω2) を使ってもよい。
(3) 領域 I と領域 II は a≪x≪(a2/g)1/3 において重なりをもつ。重なり合った領域で、小問 (1) で求めた領域 I の解の漸近形と小問 (2) で求めた領域 II の漸近形を比較して、C1/C2 を ν の関数として表せ。
(4) 小問 (3) の解に式 (E) の C1/C2 を代入すると、ν の満たす式が得られる。基底エネルギーがトンネル障壁の高さより十分小さいとき、ν はゼロに近くなる。このとき g2ℏ/(mω)≪1 となることに注意し、ν を求めよ。ここで、ν がゼロに近いとき、Γ(−ν)≈−1/ν が成り立ち、また g2ℏ/(mω) が十分小さいとき
exp(−ℏ1∫abdyk(y))≈exp(−6g2ℏmω)exp(ℏω2E)×(mωg2ℏ)−E/(ℏω)(ℏω2E)−E/(ℏω)(H)
と近似できることを使ってよい。
题目描述
考虑由下列哈密顿量 H 给出的一维势能问题:
H=2m1p2+V(x),V(x)=2mω2x2(1−gx)2.(A)
其中 x 是位置坐标,p 是与 x 共轭的动量,m 是质量,g 为非负实数。g=0 时,系统是绕 x=0 以角频率 ω 振动的谐振子,基态能量为 E=ℏω/2,其中 ℏ 是普朗克常数除以 2π。g=0 时,V(x) 成为图示双阱势,隧穿效应的非微扰修正使基态能量变为 E=ℏω(ν+1/2)。以下设 g=0,求 ν。假设基态能量远低于双阱势的势垒高度,不考虑其关于 g 的微扰修正。区域及势垒形状见上方原图。
(1) 在图中满足 ∣x∣≪1/g 的区域 I 内,V(x) 可近似为抛物线 V0(x)=mω2x2/2。令 E=ℏω(ν+1/2),求区域 I 内 Schrödinger 方程 Hψ(x)=Eψ(x) 的解。注意 ν 不为整数时,解不能用 Hermite 多项式表示,应使用具有下列性质的特殊函数 Dλ(z)。它满足微分方程
dz2d2Dλ(z)+(λ+21−4z2)Dλ(z)=0,(B)
当 λ 不是非负整数、且 z≫1 时,具有渐近形式
Dλ(z)Dλ(−z)≈zλe−z2/4,≈(−z)λe−z2/4+Γ(−λ)2πez2/4z−λ−1.(C)
其中 Γ(z) 为伽马函数。要求解在 x→−∞ 时趋于0,如需归一化常数,记为 A。
图中隧穿势垒内区域 II 的基态波函数可以用 WKB 近似求得。令 k(x)=2m(V(x)−E),则
ψ(x)≈k(x)C1exp(ℏ1∫axdyk(y))+k(x)C2exp(−ℏ1∫axdyk(y)).(D)
其中 a 是图中满足 V(a)=E 的点。令 b=g−1−a,由基态满足 ψ(x)=ψ(g−1−x),有
C2C1=exp(−ℏ1∫abdyk(y)).(E)
注意当基态能量远低于隧穿势垒高度时,a≪1/g 成立。回答以下问题。
(2) 当 x 位于区域 II 且满足 a≪x≪(a2/g)1/3 时,式 (D) 的 ψ(x) 具有渐近形式
ψ(x)≈B1xγ1exp(2ℏmωx2)+B2xγ2exp(−2ℏmωx2).(F)
用 Ci(i=1,2)和 E 表示 Bi、γi。可以使用在 a≪x≪(a2/g)1/3 时成立的近似
∫axdyk(y)≈∫axdy(mωy−ωyE),(G)
以及 a≈2E/(mω2)。
(3) 区域 I 与区域 II 在 a≪x≪(a2/g)1/3 内重叠。比较第 (1) 问的区域 I 解和第 (2) 问的区域 II 解在重叠区域内的渐近形式,将 C1/C2 表示为 ν 的函数。
(4) 将式 (E) 的 C1/C2 代入第 (3) 问的结果,可得 ν 满足的方程。基态能量远低于隧穿势垒高度时,ν 接近0。注意此时 g2ℏ/(mω)≪1,求 ν。可以使用 ν 接近0时 Γ(−ν)≈−1/ν,以及当 g2ℏ/(mω) 充分小时的近似
exp(−ℏ1∫abdyk(y))≈exp(−6g2ℏmω)exp(ℏω2E)×(mωg2ℏ)−E/(ℏω)(ℏω2E)−E/(ℏω).(H)
Kai
(1)
z=αx、α=2mω/ℏ とおくと
dz2d2ψ+(ν+21−4z2)ψ=0.
x→−∞ で減衰する解を選び、
ψI(x)=ADν(−αx).
(2)
q=E/(ℏω)=ν+1/2 とおく。題意の積分近似から
ℏ1∫axk(y)dy≃2ℏmωx2−q−qlnax,k(x)≃mωx.
したがって
γ1=−q−21=−ν−1,B1=mωC1e−qaq,
γ2=q−21=ν,B2=mωC2eqa−q,a≃mω22E.
(3)
実波動関数を用いると、実軸上の Dν(−z) の減衰項係数は cosπν となる。したがって成長・減衰項の係数比は
B2B1=Γ(−ν)cosπν2πα−2q.
(2) の B1/B2=(C1/C2)e−2qa2q と αa=2q を用いれば
C2C1=Γ(−ν)cosπν2π[4(ν+1/2)e2]ν+1/2.
題文の (−z)ν という表記を形式的にそのまま使う場合には cosπν を (−1)ν に置き換えた式となる。ここで必要な ν→0 の主要項ではいずれの係数も 1 である。
(4)
対称性による係数比と比較し、共通する e2q を消去すると
Γ(−ν)cosπν1≃2π1(s2)qe−1/(6s).
左辺は −ν+O(ν2)、右辺の冪では q≃1/2 としてよい。ゆえに
ν≃−πs1e−1/(6s)=−πg2ℏmωexp[−6g2ℏmω].
対称な基底状態はトンネル効果によってエネルギーが下がる。
Reference