京都大学 理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 2015年9月実施 III-1
Author
祭音Myyura (refined with GPT 6 Astra)
Description
下図の I、II、III は軸対称な電極であり、系全体には z 方向に大きさ B(>0) の一様な磁場がかけられている。この装置の原点付近の空間に質量 m、電荷 q(>0) の非相対論的な粒子をトラップすることを考える。原点付近のスカラーポテンシャルとベクトルポテンシャルは、それぞれ、ϕ=−21κ(x2+y2−2z2) および A=(−21By,21Bx,0) で与えられると仮定して、以下の問に答えよ。重力は無視してよい。

まず、古典論的に運動を解析する。
(1)(a) 粒子の位置座標 x,y,z に対する運動方程式を書け。
(b) ζ=x+iy を用いて、x 方向と y 方向の運動方程式を1つにまとめると、mζ¨=−iqBζ˙+qκζ となる。これは2階の定数係数線形微分方程式なので、一般解は積分定数 C1,C2 を用いて
ζ=C1e−iω1t+C2e−iω2t(A)
と書ける。ここで、ω1=21ωc+Δ, ω2=21ωc−Δ と書いたときの ωc と Δ を m,q,B,κ で表わせ。
(c) 粒子を原点付近に閉じ込めるためには、κ はどのような条件を満たせばよいか。以下、κ はその条件を満たしていると仮定する。また、以下では Δ>0 と仮定する。
(2) 一般に、ラグランジアン L=21mx˙,2−qϕ+qA⋅x˙ から、正準運動量と速度の関係が求められる。このことを利用して以下の問に答えよ。
(a) x,y の正準共役量 px,py を x˙,y˙,x,y で表わせ。
(b) 上で求めた px と py に関する2式を、η=px+ipy と ζ を用いて1つの式にまとめよ。(答えは m と ωc を使って表わせ。)
その結果に式 (A) を代入すると、次式がえられる。
η=−imΔ(C1e−iω1t−C2e−iω2t).(B)
つぎに、量子論を考える。
(3) ハミルトニアンを xy 方向(z 軸に垂直な方向)の運動に関する部分 Hxy と z 方向の運動に関する部分 Hz の和の形に書け。
Hxy を対角化するために、ハイゼンベルク描像における x,y,px,py の時間発展を考える。今の場合、ハミルトニアンが位置と運動量の2次式であるため、位置と運動量に対するハイゼンベルク方程式は、古典的な正準方程式と同じ形となる。このことから直ちに、上の式 (A) と式 (B) が x,y,px,py の時間発展を与えていることがわかる。ただし、今の場合は、C1,C2 は演算子である。
(4) まず、Hxy と C1 および C2 の交換関係を求める。式 (A) の ζ がハイゼンベルク方程式を満たすことから、[Hxy,C1],[Hxy,C2] はそれぞれ C1,C2 の定数倍であることがわかる。それらの定数を ω1,ω2 で表わせ。導出も示せ。
(5) つぎに、C1,C1†,C2,C2† の間の交換関係を求める。
(a) 式 (A) と式 (B) より、C1,C2 を ζ,η の線形結合で表わせ。
(b) 上の結果と正準交換関係から、C1,C1†,C2,C2† の間の交換子が計算できる。その結果、交換子のうち、[C1,C1†]=ℏ/(mΔ) と [C2,C2†]=−ℏ/(mΔ) 以外はすべてゼロであることがわかる。例として、[C1,C1†] の計算過程を示せ。
(c) 上のことは、適当な正の定数 κ1,κ2 を用いて、C1=κ1a,C2=κ2b† とおくと、a,a†,b,b† は2組の生成消滅演算子となることを意味している。κ1,κ2 を求めよ。ただし、a,a†,b,b† は、[a,a†]=1,[b,b†]=1、他の交換子 =0 を満たすものとする。
(6) 以上の結果から、Hxy が対角化できる。
(a) 問 (5)(c) と問 (4) の結果を利用すると、[Hxy,a]=−ℏω1a,[Hxy,b]=ℏω2b であることがわかる。そのような Hxy は定数項をのぞき、Hxy=ra†a+sb†b の形にきまる。係数 r,s を ω1,ω2 で表わせ。
(b) Hxy の固有値を求めよ。エネルギー固有値に最小値は存在するか。
(c) a∣0⟩=0,b∣0⟩=0 で定義される状態 ∣0⟩ と a†,b† を用いて、各エネルギー固有値に対する規格化された固有状態を書け。
题目描述
上图中的 I、II、III 为轴对称电极,整个系统处于沿 z 方向、大小为 B(>0) 的均匀磁场中。考虑在装置原点附近俘获质量为 m、电荷为 q(>0) 的非相对论粒子。假设原点附近的标量势和矢量势分别为 ϕ=−21κ(x2+y2−2z2) 和 A=(−21By,21Bx,0),回答下列问题。可以忽略重力。
先用经典理论分析运动。
(1)(a) 写出粒子位置坐标 x,y,z 的运动方程。
(b) 令 ζ=x+iy,可将 x,y 方向的运动方程合并为 mζ¨=−iqBζ˙+qκζ。这是二阶常系数线性微分方程,其通解可用积分常数 C1,C2 写为
ζ=C1e−iω1t+C2e−iω2t.(A)
记 ω1=21ωc+Δ, ω2=21ωc−Δ,用 m,q,B,κ 表示 ωc,Δ。
(c) 为将粒子限制在原点附近,κ 应满足什么条件?以下假设 κ 满足该条件,并取 Δ>0。
(2) 一般可由拉格朗日量 L=21mx˙,2−qϕ+qA⋅x˙ 求得正则动量与速度的关系。利用这一事实回答下列问题。
(a) 用 x˙,y˙,x,y 表示 x,y 的正则共轭动量 px,py。
(b) 利用 η=px+ipy 和 ζ,将上述关于 px,py 的两个式子合并为一个式子。答案使用 m,ωc 表示。
将式 (A) 代入所得结果,得到
η=−imΔ(C1e−iω1t−C2e−iω2t).(B)
接着考虑量子理论。
(3) 将哈密顿量写为关于 xy 方向(垂直于 z 轴)的运动部分 Hxy 与关于 z 方向的运动部分 Hz 之和。
为对角化 Hxy,考虑海森堡绘景中 x,y,px,py 的时间演化。由于此处哈密顿量是位置和动量的二次式,位置及动量的海森堡方程与经典正则方程具有相同形式。因此,式 (A)、(B) 也给出 x,y,px,py 的时间演化。但此时 C1,C2 是算符。
(4) 首先求 Hxy 与 C1,C2 的对易关系。由式 (A) 的 ζ 满足海森堡方程可知,[Hxy,C1],[Hxy,C2] 分别为 C1,C2 的常数倍。用 ω1,ω2 表示这些常数,并写出推导。
(5) 接着求 C1,C1†,C2,C2† 之间的对易关系。
(a) 由式 (A)、(B),将 C1,C2 表示为 ζ,η 的线性组合。
(b) 利用上述结果和正则对易关系,可计算 C1,C1†,C2,C2† 之间的对易子。结果为除 [C1,C1†]=ℏ/(mΔ)、[C2,C2†]=−ℏ/(mΔ) 之外均为零。以 [C1,C1†] 为例,写出计算过程。
(c) 上述结果意味着:取适当的正常数 κ1,κ2,令 C1=κ1a,C2=κ2b†,则 a,a†,b,b† 构成两组产生、湮灭算符。求 κ1,κ2。设 [a,a†]=1,[b,b†]=1,其余对易子为零。
(6) 利用以上结果可将 Hxy 对角化。
(a) 根据问 (5)(c) 和问 (4),有 [Hxy,a]=−ℏω1a,[Hxy,b]=ℏω2b。这样的 Hxy 除去常数项后具有 Hxy=ra†a+sb†b 的形式。用 ω1,ω2 表示系数 r,s。
(b) 求 Hxy 的本征值。能量本征值是否存在最小值?
(c) 利用由 a∣0⟩=0,b∣0⟩=0 定义的状态 ∣0⟩ 及 a†,b†,写出各能量本征值对应的归一化本征态。
Kai
(1a)
E=−∇ϕ=(κx,κy,−2κz)、B=Bez より
mx¨=qκx+qBy˙,my¨=qκy−qBx˙,mz¨=−2qκz.
(1b)
ζ∝e−iωt を代入すると mω2−qBω+qκ=0 なので
ωc=mqB,Δ=4ωc2−mqκ.
(1c)
z 方向の束縛には κ>0、xy 方向の一般解が有界であるには異なる実根が必要なので
0<κ<4mqB2.
上端では重根に伴う te−iωct/2 が現れるため除外する。
(2a)
px=mx˙−2qBy,py=my˙+2qBx.
(2b)
η=mζ˙+2imωcζ=−imΔ(C1e−iω1t−C2e−iω2t).
(3)
H=(p−qA)2/(2m)+qϕ より
Hxy=2m(px+qBy/2)2+(py−qBx/2)2−2qκ(x2+y2),
Hz=2mpz2+qκz2.
(4)
ζ˙=(i/ℏ)[Hxy,ζ] に時間依存性を入れて異なる指数関数の係数を比較すると
[Hxy,C1]=−ℏω1C1,[Hxy,C2]=−ℏω2C2.
(5a)
C1=21(ζ+mΔiη)eiω1t,C2=21(ζ−mΔiη)eiω2t.
(5b)
正準関係から [ζ,η†]=2iℏ、[η,ζ†]=−2iℏ、[ζ,ζ†]=[η,η†]=0。よって
[C1,C1†]=41[−mΔi[ζ,η†]+mΔi[η,ζ†]]=mΔℏ.
(5c)
κ1=κ2=mΔℏ.
C2 の交換関係が負なので、C2 は b でなく b† に比例する。
(6a)
[Hxy,a]=−ℏω1a、[Hxy,b]=+ℏω2b なので
r=ℏω1,s=−ℏω2.
(6b)
問題の指定通り定数項を省いたエネルギーは
En1n2=ℏω1n1−ℏω2n2,n1,n2=0,1,2,….
0<ω2<ω1 なので n2→∞ で E→−∞、最小値は存在しない。元のハミルトニアンでは定数 ℏ(ω1−ω2)/2 を戻すが、この結論は変わらない。
(6c)
∣n1,n2⟩=n1!n2!(a†)n1(b†)n2∣0⟩.
共通真空は基底エネルギー状態を意味しない。
Reference