京都大学 理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 2015年8月実施 II-2
Author
祭音Myyura (refined with GPT 6 Astra)
Description
一次元(座標 x)量子系の一粒子問題(質量 m)において、図1のようなポテンシャル V(x) に束縛された状態を考える。
V(x)=−Ub≤∣x∣≤a+b,(A)
V(x)=0∣x∣<b, ∣x∣>a+b.(B)
ただし、U>0,a>0,b≥0 とする。束縛エネルギー E(<0) の状態の波動関数(実関数とする)は以下のシュレディンガー方程式を満たす。
−2mℏ2dx2d2ϕ(x)+V(x)ϕ(x)=Eϕ(x).(C)
パリティ変換 x→−x に対する V(x) の対称性より、束縛状態は ϕ(x)=ϕ(−x) の正パリティ状態もしくは ϕ(x)=−ϕ(−x) の負パリティ状態である。以下では、a と U を一定に保ったまま、b を変えたときに束縛状態がどのように変化するか考える。

(1) b=0 の場合を考える。このときのポテンシャルを V(0)(x) と表すと、V(0)(x) は幅 2a、深さ U の井戸型ポテンシャルである。γ=−2mE/ℏ2, β=2m(E+U)/ℏ2 として、正および負パリティ状態のそれぞれについて、γ を β と a で表せ。
(2) b>0 で b が十分小さいとき、b=0 の場合の束縛エネルギー E(0) からのエネルギー変化を摂動論で評価する。
(a) b=0 の場合の波動関数を ϕ(0)(x) と表す。x=0 および x=a での ϕ(0)(x) の値を、それぞれ、ϕ0≡ϕ(0)(0) および ϕa≡ϕ(0)(a) とおいたとき、正および負パリティ状態のそれぞれについて、ϕ0 を ϕa,β,a を用いて表し、∣ϕ0∣ と ∣ϕa∣ の大小関係を示せ。
(b) b を0からわずかに増加させた場合のエネルギー変化 ΔE=E−E(0) を考える。b の値は十分小さく、ポテンシャルの微小変化 ΔV(x)=V(x)−V(0)(x) を摂動項とみなす。エネルギーの一次の補正項を b の一次までの近似で求めたとき、正および負パリティ状態のそれぞれについての ΔE を ϕ0,ϕa,U,b を用いて示せ。また、ΔE と0との大小関係を示せ。ただし、ϕ0 および ϕa は、
∫−∞+∞{ϕ(0)(x)}2dx=1
を満たすように規格化された波動関数に対して定義されているものとする。
(3) a,U を適当にとり、b=0 の場合に 2n+1 個(n は0か正の整数)の束縛状態が存在する状況を考える。エネルギーの低い方から正パリティ、負パリティの束縛状態が交互に存在している。a,U を一定に保ったまま、パラメータ b を変えたとき、b をある値 bc より大きくとると負パリティの束縛状態が1つ増える。これは、b>bc では 2n+2 個の束縛状態が存在し、b を bc に近づけると下から 2n+2 番目の状態のエネルギー E はゼロに近づくことに対応する。ここで、bc は小さくなく摂動論は成り立たないものとする。以下では、この 2n+2 番目の状態の波動関数 ϕ2n+2(x) の振る舞いを考察し、bc の値を求める。
(a) b>bc において、領域 x≥a+b における波動関数の関数形 ϕ2n+2(x)/ϕ2n+2(a+b) を γ=−2mE/ℏ2 を用いて表せ。また、その結果から、b→bc の極限(E→0)における x≥a+b での ϕ2n+2(x)/ϕ2n+2(a+b) を示せ。
(b) b→bc の極限(E→0)において、領域 −b≤x≤b における波動関数の関数形 ϕ2n+2(x)/ϕ2n+2(b) を E=0 のシュレディンガー方程式を解くことにより求めよ。ただし、ϕ2n+2(x) は負パリティ状態であることに注意すること。
(c) b>bc のとき、ϕ2n+2(x) は領域 b<x<a+b に何個のゼロ点(ϕ2n+2(x)=0 となる点)をもつか。(ヒント:ϕ2n+2(x) は、∣x∣ が有限の領域に 2n+1 個のゼロ点をもつ。)
(d) b→bc の極限(E→0)での波動関数 ϕ2n+2(x) を、n=1 の場合について、x の関数として図示せよ。ただし、波動関数は ϕ2n+2(a+b)=1 と規格化すること。
(e) β0=2mU/ℏ2 とし、bc を β0,a を用いて表せ。
题目描述
考虑一维(坐标 x)量子系统中质量为 m 的单粒子被图1所示势能 V(x) 束缚的状态:
V(x)=−Ub≤∣x∣≤a+b,(A)
V(x)=0∣x∣<b, ∣x∣>a+b.(B)
其中 U>0,a>0,b≥0。束缚能量为 E(<0) 的状态的波函数(设为实函数)满足薛定谔方程
−2mℏ2dx2d2ϕ(x)+V(x)ϕ(x)=Eϕ(x).(C)
由于 V(x) 关于宇称变换 x→−x 对称,束缚态为满足 ϕ(x)=ϕ(−x) 的正宇称态,或满足 ϕ(x)=−ϕ(−x) 的负宇称态。以下固定 a,U,研究改变 b 时束缚态如何变化。
(1) 考虑 b=0 的情况。记此时的势为 V(0)(x),它是宽 2a、深 U 的方势阱。定义 γ=−2mE/ℏ2, β=2m(E+U)/ℏ2,分别对正、负宇称态,用 β,a 表示 γ。
(2) 当 b>0 且足够小时,用微扰论估计相对于 b=0 时束缚能量 E(0) 的能量变化。
(a) 记 b=0 时的波函数为 ϕ(0)(x),在 x=0 和 x=a 处的值分别为 ϕ0≡ϕ(0)(0)、ϕa≡ϕ(0)(a)。分别对正、负宇称态,用 ϕa,β,a 表示 ϕ0,并比较 ∣ϕ0∣ 与 ∣ϕa∣ 的大小。
(b) 考虑 b 从0略微增大时的能量变化 ΔE=E−E(0)。设 b 足够小,将势能的微小变化 ΔV(x)=V(x)−V(0)(x) 视为微扰项。当一阶能量修正保留至 b 的一阶近似时,分别对正、负宇称态,用 ϕ0,ϕa,U,b 表示 ΔE,并比较 ΔE 与0的大小。这里 ϕ0,ϕa 是对满足归一化条件
∫−∞+∞{ϕ(0)(x)}2dx=1
的波函数定义的。
(3) 适当选取 a,U,使 b=0 时存在 2n+1 个束缚态,其中 n 为0或正整数。从低能到高能依次为正、负宇称态交替排列。保持 a,U 不变而改变参数 b,当 b 大于某个 bc 时,会新增一个负宇称束缚态。也就是说,b>bc 时存在 2n+2 个束缚态,而当 b 趋于 bc 时,自低能起第 2n+2 个状态的能量 E 趋于零。设 bc 并不小,微扰论不再适用。以下考察第 2n+2 个状态的波函数 ϕ2n+2(x),并求 bc。
(a) 当 b>bc 时,用 γ=−2mE/ℏ2 表示区域 x≥a+b 中的波函数比值 ϕ2n+2(x)/ϕ2n+2(a+b)。利用该结果,给出 b→bc(E→0)时该区域中这一比值的极限。
(b) 在 b→bc(E→0)的极限下,通过求解 E=0 的薛定谔方程,求区域 −b≤x≤b 内的波函数比值 ϕ2n+2(x)/ϕ2n+2(b)。注意该波函数是负宇称态。
(c) 当 b>bc 时,ϕ2n+2(x) 在区域 b<x<a+b 内有几个零点,即满足 ϕ2n+2(x)=0 的点?提示:该波函数在 ∣x∣ 有限的区域内共有 2n+1 个零点。
(d) 对 n=1,画出 b→bc(E→0)极限下波函数 ϕ2n+2(x) 随 x 的图像。取归一化条件 ϕ2n+2(a+b)=1。
(e) 定义 β0=2mU/ℏ2,用 β0,a 表示 bc。
Kai
(1)
井戸内の解は正パリティで Acosβx、負パリティで Asinβx。x>a では減衰解 Be−γ(x−a) であり、x=a における対数微分の一致から
γ=βtanβa(正),γ=−βcotβa(負).
(2a)
正パリティでは
ϕ0=cosβaϕa,∣ϕ0∣>∣ϕa∣.
束縛状態では γ>0 なので ∣cosβa∣<1。負パリティでは
ϕ0=0,∣ϕ0∣<∣ϕa∣.
(2b)
∣x∣<b に +U、a<∣x∣<a+b に −U のポテンシャル変化がある。したがって
ΔE(1)=2U[∫0b(ϕ(0))2dx−∫aa+b(ϕ(0))2dx]=2Ub(ϕ02−ϕa2)+O(b2).
正パリティでは増加、負パリティでは減少する。
(3a)
ϕ(a+b)ϕ(x)=e−γ[x−(a+b)]⟶1
である。これは固定された有限の x での極限であり、閾値解自体は全空間で規格化できない。
(3b)
E=V=0 の中央区で ϕ′′=0、負パリティから定数項はゼロ。
ϕ(b)ϕ(x)=bx.
(3c)
中央区の負パリティ解は E<0 で sinhγx に比例し、節は原点だけ。外側の指数関数に節はない。残る 2n 個は左右の井戸に対称に分布するから、右井戸内には n 個。
(3d)
a+bc で値 1、微分ゼロとなるようにすると、正の半軸上の閾値解は
ϕ(x)=⎩⎨⎧(x/bc)cos(β0a)cos[β0(x−a−bc)]10≤x≤bc,bc≤x≤a+bc,x≥a+bc,ϕ(−x)=−ϕ(x).
n=1 では右井戸内に節が一つあり、中央で負の傾き、左右の外側でそれぞれ −1,+1 に平坦になる。例として β0a=5π/4 を選ぶと、右井戸内で −1 の極小を一度とり、その後ゼロを横切って +1 へ達する。
(3e)
x=bc の微分の連続性より
bccos(β0a)=β0sin(β0a),bc=β0cot(β0a).
b=0 で 2n+1 個の束縛状態を持つ範囲では nπ<β0a≤(n+1/2)π、したがって bc≥0。端点では bc=0 として極限をとる。

Reference