京都大学 理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 2014年9月実施 I-3
Author
祭音Myyura (refined with GPT 6 Astra)
Description
物質中の電子の古典的な運動を考えよう。電子の有効質量を me、電荷を −e(e>0)とする。静電場(電場強度 E)と静磁場(磁束密度 B)のもとで電子の(平均)速度を ve としたとき、電子の運動方程式は、
me(dtdve+τeve)=−e(E+ve×B)
で与えられる。ここで τe は衝突(摩擦)による緩和時間である。
(1) 静磁場 B=(0,0,B)、静電場 E=(Ex,Ey,0) がはたらくとして、定常状態(dve/dt=0)にある電子の速度 ve=(vex,vey,0) を求めよ。(ここでは簡単のため電子の z 方向の運動は考えないとしている。)
(2) 定常状態の電子は問 (1) で求めた速度にあるとし、電流密度 j は電子の数密度 n を用いて j=−enve と表される。電流密度 j の x,y 成分は、電気伝導度テンソル σ を用いて以下のようにあらわされる。
(jxjy)=(σxxσyxσxyσyy)(ExEy).
電気伝導度テンソル σ の全成分を、e,n,B 及び、電子の易動度 μe=eτe/me を用いて表せ。
図1のように x 方向に長い棒状の試料を考える。試料の x 軸両端につけた電極により電場を与え、電流が x 方向に流れているものとする。静磁場 B=(0,0,B) を印加した直後、−x 方向の電子の流れはローレンツ力のため −y 方向に曲げられるが、外部に流れ出ない(絶縁されている)条件の下では −y 軸方向の壁に電子がたまり電場を発生するようになり、問 (1) で考えた定常状態をとるようになる。そこでは発生した電場によりローレンツ力の影響は打ち消され、電子の −y 方向の移動はない。

(3) 定常状態では、jy=0 から Ex と Ey の関係を知ることができる。この関係を用い、
RH=BjxEy
と定義されるホール係数 RH、および、有効抵抗率 Rxx≡Ex/jx を求めよ。
次に電子と正孔(電荷 e、有効質量 mh)の二種類のキャリアーが存在する物質を考える。正孔の(平均)速度を vh としたとき運動方程式は
mh(dtdvh+τhvh)=e(E+vh×B)
で与えられる。また、電子と正孔の数密度をそれぞれ n と p とし、電子、正孔の易動度をそれぞれ μe=eτe/me, μh=eτh/mh とする。
(4) 静磁場 B=(0,0,B)、静電場 E=(Ex,Ey,0) がはたらくとして、定常状態にある電子、正孔の速度を ve と vh とする。(簡単のため電子、正孔の z 方向の運動は考えないとしている。)二種類のキャリアーがある場合の電流密度は j=−enve+epvh と表されるとしたとき、電気伝導度テンソル σ の全成分を求めよ。
この物質を図1のように配置し、電場を x 方向に、静磁場 B を z 方向にかけ充分の時間が経過し、電子、正孔ともに定常状態にあるという状況を考える。ここでも jy=0 より Ex と Ey の関係を知ることができる。
(5) ホール係数の B→0 の低磁場極限における表式を求めよ。
(6) ホール係数の B→∞ の高磁場極限における表式を求めよ。この表式からホール係数の符号は何を意味しているといえるか。
题目描述
考虑物质中电子的经典运动。电子的有效质量为 me,电荷为 −e(e>0)。在静电场(电场强度 E)和静磁场(磁感应强度 B)下,电子的平均速度为 ve,其运动方程为
me(dtdve+τeve)=−e(E+ve×B),
其中 τe 是由碰撞(摩擦)引起的弛豫时间。
(1) 设静磁场 B=(0,0,B)、静电场 E=(Ex,Ey,0),求稳态(dve/dt=0)电子的速度 ve=(vex,vey,0)。为简化问题,不考虑电子在 z 方向的运动。
(2) 设稳态电子具有问 (1) 所求的速度,电流密度可用电子数密度 n 表示为 j=−enve。电流密度的 x,y 分量可用电导率张量 σ 表示为
(jxjy)=(σxxσyxσxyσyy)(ExEy).
用 e,n,B 及电子的迁移率 μe=eτe/me 表示电导率张量 σ 的全部分量。
考虑图1所示沿 x 方向延伸的棒状试样。通过试样 x 轴两端的电极施加电场,使电流沿 x 方向流动。在刚施加静磁场 B=(0,0,B) 时,沿 −x 方向流动的电子因洛伦兹力而偏向 −y 方向。但在电子不能流出试样(绝缘)的条件下,电子积聚在 −y 方向的侧壁上,产生电场,并最终达到问 (1) 中的稳态。产生的电场抵消洛伦兹力的影响,电子不再沿 −y 方向移动。
(3) 在稳态下,可以由 jy=0 得到 Ex 与 Ey 的关系。利用该关系,求霍尔系数
RH=BjxEy
及有效电阻率 Rxx≡Ex/jx。
接着考虑同时存在电子和空穴(电荷 e、有效质量 mh)两种载流子的物质。设空穴的平均速度为 vh,其运动方程为
mh(dtdvh+τhvh)=e(E+vh×B).
电子和空穴的数密度分别为 n,p,迁移率分别为 μe=eτe/me, μh=eτh/mh。
(4) 在静磁场 B=(0,0,B)、静电场 E=(Ex,Ey,0) 下,设稳态电子和空穴的速度分别为 ve,vh。为简化问题,不考虑电子和空穴在 z 方向的运动。当两种载流子的总电流密度表示为 j=−enve+epvh 时,求电导率张量 σ 的全部分量。
将该物质按图1放置,沿 x 方向施加电场、沿 z 方向施加静磁场 B。经过充分长时间后,电子和空穴均达到稳态。此时同样可以由 jy=0 得到 Ex 与 Ey 的关系。
(5) 求霍尔系数在 B→0 的低磁场极限下的表达式。
(6) 求霍尔系数在 B→∞ 的高磁场极限下的表达式。根据该式,霍尔系数的符号表示什么?
Kai
(1)
定常運動方程式を成分表示して解くと
(vexvey)=−1+μe2B2μe(Ex−μeBEyEy+μeBEx).
(2)
σ=1+μe2B2enμe(1μeB−μeB1).
(3)
jy=0 より Ey=−μeBEx、したがって jx=enμeEx。
RH=−en1,Rxx=enμe1.
(4)
正孔については
(vhxvhy)=1+μh2B2μh(Ex+μhBEyEy−μhBEx).
両キャリアの電流を加えると
σxx=σyyσxy=−σyx=e(1+μe2B2nμe+1+μh2B2pμh),=eB(1+μh2B2pμh2−1+μe2B2nμe2).
(5)
σxx=a,σxy=b とおくと σ=(a−bba) であり、jy=0 より
RH=B(a2+b2)b=e[(nμe+pμh)2+(p−n)2μe2μh2B2]pμh2−nμe2+(p−n)μe2μh2B2.
したがって
RH(0)=e(nμe+pμh)2pμh2−nμe2.
(6)
p=n の場合、
B→∞limRH=e(p−n)1.
正なら正孔、負なら電子の数密度が大きい。一方、完全補償 p=n>0 では上の式を適用できず、
RH=en(μh+μe)μh−μe
となる。この場合の符号は密度差でなく移動度の差で決まる。
Reference