京都大学 理学研究科 数学・数理解析専攻 2023年8月実施 専門科目 [13]
Author
Miyake
Description
以下の問に答えよ.
(i) 時間 に依存する角振動数 を持つ単位質量の一次元調和振動子を考える.
古典論におけるハミルトニアンは , である.
ただし, は運動量, は位置を表す.ハミルトン正準方程式の古典解 および補助微分方程式
の実解 が与えられたとき,
は保存量,即ち であることを示せ.
(ii) これより前問の量子力学版を考えることにする.
とすれば,運動量演算子 および位置演算子 は正準交換関係 を満たす.ハミルトニアンは と表せる.時間発展を記述するユニタリー演算子 は
を満たす.そこでで とし,
前問の において および を各々 および で置き換えて得られる演算子を とする.今
とすれば,交換関係 が成り立ち, と表せることを示せ.
(iii) が
を満たすことを示すことにより, を確かめよ.
Kai
はすべて複合同順とする。
(i)
ハミルトン正準方程式は
である。
これと与えられた補助微分方程式とを使って、
がわかる。
(ii)
より、
であり、
であるから、
がわかる。
(iii)