京都大学 理学研究科 数学・数理解析専攻 2023年8月実施 基礎科目 [1] ~ [4]
Author
Miyake
Description
大学公表の原題
[1](問題要約)
D={(x,y)∈R2:x≥0, y≥0, (x2+y2)2≤x2+2y2}
上の積分 ∬Dxye1−x2−y2dxdy を求める。
[2]
a を複素数とし、複素 3 次正方行列 A を
A=a−112a0−a−2a01a+1
と定める。行列 A の固有値を全て求めよ。また、A の階数を求めよ。
[3]
n,m を n≥2m を満たす正の整数とする。V を有限次元複素ベクトル空間とする。
f:V→V を fn=fm を満たす線形写像とする。このとき、
V=Ker(fm)⊕Im(fm)
を示せ。ここで、Ker(fm) は fm の核であり、Im(fm) は fm の像である。
[4](問題要約)
r>0 に対して ρr(x)=sin(re−r2x2) とする。f:R→R は有界連続関数とする。
- 各 r>0 で広義積分 ∫−∞∞f(x)ρr(x)dx が収束することを示す。
- r→∞ でこの積分が 0 に収束することを示す。
- さらに f が原点で微分可能で f(0)=0 なら、r∫−∞∞f(x)ρr(x)dx→0 を示す。
题目描述
-
设 a 为复数,定义三阶复方阵
A=a−112a0−a−2a01a+1.
求矩阵 A 的全部特征值,并求 A 的秩。
-
设 n,m 为满足 n≥2m 的正整数,V 为有限维复向量空间,线性映射 f:V→V 满足
证明
V=ker(fm)⊕Im(fm),
其中 ker(fm) 与 Im(fm) 分别是 fm 的核与像。
Kai
[1]
極座標 x=rcosθ, y=rsinθ を使うと、0≤θ≤π/2、0≤r2≤1+sin2θ である。u=sin2θ, v=r2 と変数変換すれば、
∬Dxye1−x2−y2dxdy=41∫01∫01+uve1−vdvdu=41∫01(e−(2+u)e−u)du=41(e−3+e4).
[2]
(i) A の固有値を λ とすると、
0∴ λ=a−1−λ12a0−a−λ−2a01a+1−λ=(a−1−λ)−a−λ−2a1a+1−λ=−(λ−a+1)(λ2−λ−a(a−1))=−(λ−a+1)(λ−a)(λ+a−1)=a−1,a,−a+1
である。
(ii) A を列基本変形すると、次のようにできる:
a−10a−101a+100a(a−1).
これを構成する3つの列ベクトルの1次独立性に注目すると、A のランクは、a=1 のときは 1 , a=0 のときは 2 , その他のときは 3であることがわかる。
[3]
(i)
v∈V に対して
wu=fn−m(v),=v−w
とおく。
n≥2m なので、
w=fm(fn−2m(v))
と書け、 fn−2m(v)∈V なので w∈Im(fm) である。
また、
fm(u)=fm(v)−fn(v)=0
なので、 u∈Ker(fm) である。
したがって、任意の v∈V に対して
v=u+w
であるような u∈Ker(fm), w∈Im(fm)
が存在するので、
V⊂Ker(fm)+Im(fm) (={u+w∣u∈Ker(fm),w∈Im(fm)})
がわかる。
(ii)
Ker(fm)⊂V, Im(fm)⊂V から
Ker(fm)+Im(fm)⊂V
がわかる。
(iii)
v∈V が
v∈Ker(fm) かつ v∈Im(fm)
を満たすとすると、
v∈Im(fm) より
v=fm(v0)
を満たす v0∈V が存在し、
v=fm(v0)=fn(v0) (∵fn=fm)=fn−2m(fm(v))=fn−2m(0) (∵v∈Ker(fm))=0
を得る。
つまり、
Ker(fm)∩Im(fm)={0}
である。
(iv)
(i), (ii) より、
V=Ker(fm)+Im(fm)
がわかり、さらに (iii) より、
V=Ker(fm)⊕Im(fm)
がわかる。
[4]
M=supx∈R∣f(x)∣<∞ と置く。以下では
∣ρr(x)∣≤min{1,re−r2x2}
を用いる。
(1)
∫R∣f(x)ρr(x)∣dx≤Mr∫Re−r2x2dx=Mπ<∞.
したがって絶対収束する。
(2)
δ>0 に対して積分を ∣x∣≤δ と ∣x∣>δ に分ける。前者の絶対値は 2Mδ 以下である。後者は、u=rx と変換すると
Mr∫∣x∣>δe−r2x2dx=2M∫rδ∞e−u2du⟶0.
よって積分の絶対値の上極限は 2Mδ 以下であり、δ↓0 とすれば結論を得る。
(3)
f(0)=0 と原点での微分可能性により、ある C,δ>0 について ∣f(x)∣≤C∣x∣(∣x∣≤δ)である。
十分大きな r に対して εr=r−3/4<δ と置く。原点付近は
r∫∣x∣≤εr∣f(x)ρr(x)∣dx≤Cr∫−εrεr∣x∣dx=Cr−1/2⟶0.
また ∫a∞e−u2du≤e−a2/(2a)(a>0)を使うと、残りの部分は
r∫∣x∣>εr∣f(x)ρr(x)∣dx≤2Mr∫rεr∞e−u2du≤Mr3/4e−r⟶0.
したがって、r を掛けた積分も 0 に収束する。