京都大学 理学研究科 数学・数理解析専攻 2022年8月実施 基礎科目 [1] ~[3]
Author
Miyake
Description
[2]
a を実数とし, 実 2×4 行列 A,B を
A=(1001a1a+11), B=(0−10313−a10)
と定める. これらを用いて, 線形写像 f:R4→R2, g:R4→R2 を f(x)=Ax, g(x)=Bx (x∈R4) と定義する. このとき,
dim(Ker(f)∩Ker(g)), dim(Ker(f)+Ker(g))
を求めよ.
[3]
V を有限次元複素ベクトル空間とし、S,T:V→V を対角化可能な線形写像で ST=TS が成り立つものとする.
r≥2 を整数, α,β∈C を複素数, λ1,…,λr∈C を相異なる複素数とする.
零ベクトルでない V の元 v,u1,u2,…,ur は
v=u1+u2+⋯+ur
を満たし, かつ 1≤j≤r なるすべての整数 j について uj は固有値 λj に属する S の固有ベクトルとする.
さらに v は固有値 α に属する T の固有ベクトルであり、u1 は固有値 β に属する T の固有ベクトルとする.
このとき α=β が成り立つことを示せ.
Kai
[2]
Ker(f) を求めるため
(1001a1a+11)αβγδ=(00)
とおくと、
αβ=−aγ−(a+1)δ,=−γ−δ
となるので、
u1=−a−110, u2=−(a+1)−101
は Ker(f) の基底であることがわかる。
また、 Ker(g) を求めるため
(0−10313−a10)αβγδ=(00)
とおくと、
δα=−γ,=3β+(3−a)γ
となるので、
v1=3100, v2=3−a01−1
は Ker(g) の基底であることがわかる。
そこで、実数 r,s,t について
ru1=sv1+tv2 が成り立つとすると
r=s=t=0 を得るので、 u1∈/Ker(g) がわかる。
同様に、 ru2=sv1+tv2 が成り立つとすると
r=s=t=0 を得るので、 u2∈/Ker(g) もわかる。
よって、
dim(Ker(f)∩Ker(g))dim(Ker(f)+Ker(g))=0,=4
がわかる。
[3]
第三問Video : 院試数学解説(京大2023年度)線形代数:固有ベクトル