京都大学 情報学研究科 システム科学専攻 2022年8月実施 専門科目 確率統計
Author
AKIRA (小红书:94184092292), setsu (小红书:6106647283)
Description
以下の問題において, は の自然対数を表し, は事象 の確率を表す。
また, は平均 、分散 の正規分布を表し, の累積分布関数 を で表す。
正規分布に関する次の性質を解答に用いてよい。
確率変数 が独立に正規分布 にしたがうとき, は正規分布にしたがう。また,定数 に対して, は正規分布にしたがう。
問題1
確率変数 は独立に正規分布にしたがい,
,
とする。
実数 は未知のパラメータである。
の標本平均を ,
の標本平均を とおく。
このとき、以下の設問に答えよ。ただし、 および の逆関数を とする。
(1) のしたがう確率分布を求めよ。
(2) 帰無仮説 、対立仮説 の仮説検定を有意水準 () で行いたい。そのために定数 を定めておき、 のとき を棄却する。定数 を を用いて表せ。
(3) 設問 (2) における検出力 を求め、 を用いて表せ。ここで検出力とは、対立仮説のもとで帰無仮説を棄却する確率である。
(4) 帰無仮説 、対立仮説 の仮説検定を有意水準 () で行いたい。定数 を定めておき、検定統計量 が のとき を棄却する。ただし、 は事前に定めておく定数とする。定数 を求めよ。
(5) 設問 (4) における検出力 を求め、 を用いて表せ。また、 を最大にするように を定めたい。 の最大値と、そのときの を求めよ。
問題2
以下の設問に答えよ。
(1) 任意の確率変数 に対する累積分布関数 は、 を満たす任意の に対して
を満たす。その理由を述べよ。
(2) と を 上の一様分布にしたがう独立な確率変数とする。
によって定義される確率変数 の確率密度関数 を求めよ。
(3) は を値にとる確率変数で、 とする。
また、 を のとき 、 のとき にしたがう確率変数とする。
を で条件付けられた の条件付き確率密度関数、
を の確率密度関数とする。
(3-1) および を求めよ。
(3-2) は観測できず、 からの独立な確率変数 のみが観測されるとする。
このとき、 の最尤推定量 の満たすべき方程式( の陰関数表示)を次の形
で表現したときの を求めよ。
ただし であり、また , を満たすものとする。
(3-3) のとき、設問 (3-2) の を求めよ。また、この が の不偏推定量であるか否かを理由を付して答えよ。ただし とする。
Kai
問題1
(1)
(2)
, とおくと、
(3)
(4)
、再生性より、
のとき、
よって、
(5)
より、
問題2