京都大学 情報学研究科 システム科学専攻 2020年8月実施 線形代数
Author
思齐塾, 祭音Myyura
Description
以下の設問に答えよ。ただし, det は行列式, T は転置, 行列の右上の −1 は逆行列を意味するものとし, 問題文中の行列およびベクトルの成分, スカラーはすべて実数とする。また, n,m,l は正の整数とする。さらに, m×m 行列 S , m×l 行列 T , l×m 行列 U , l×l 正則行列 V について, (m+l)×(m+l) 行列 [SUTV] と S−TV−1U が正則であれば,
[SUTV]−1=[(S−TV−1U)−1−V−1U(S−TV−1U)−1−(S−TV−1U)−1TV−1V−1+V−1U(S−TV−1U)−1TV−1]
となる。
(i) 正則な n×n 行列 A , n 次元列ベクトル b,c , スカラー d について, 以下が成り立つことを示せ。
det[AcTbd]=(detA)×(d−cTA−1b)
(ii) n≥2 とする。 A を n×n 正定値対称行列とする。このとき, A−1 も n×n 正定値対称行列となり, スカラー α>0 , (n−1) 次元列ベクトル β , (n−1)×(n−1) 行列 Δ を用いて,
A−1=[αββTΔ]
と表すことができる。 A~ を行列 A から最初の行と列を除いた (n−1)×(n−1) 小行列とするとき,
A~−1=Δ−αββT
となることを示せ。
(iii) 設問 (ii) の条件に加えて, x=[x1,x2,…,xn]T , また, x の (n−1) 次元部分ベクトルを x~=[x2,x3,…,xn]T とする。このとき, 二次形式 xTA−1x は x1 について二次式となるが, その二次式の x1 に関する最小値は x~TA~−1x~ となることを示せ。
题目描述
以下 det 表示行列式,记号 AT 表示矩阵 A 的转置,
A−1 表示其逆矩阵;题中所有矩阵、向量和标量的分量均为实数,
n,m,l 均为正整数。
可以使用如下分块逆矩阵公式:设
S 为 m×m 矩阵,T 为 m×l 矩阵,
U 为 l×m 矩阵,V 为可逆的 l×l 矩阵。若
[SUTV]和S−TV−1U
均可逆,则
[SUTV]−1=[(S−TV−1U)−1−V−1U(S−TV−1U)−1−(S−TV−1U)−1TV−1V−1+V−1U(S−TV−1U)−1TV−1].
回答下列问题。
- 设 A 是可逆的 n×n 矩阵,
b,c 是 n 维列向量,d 是标量。证明
det[AcTbd]=(detA)(d−cTA−1b).
- 设 n≥2,A 是 n×n 正定实对称矩阵。于是
A−1 也是正定实对称矩阵,并可写为
A−1=[αββTΔ],
其中 α>0 是标量,
β 是 (n−1) 维列向量,
Δ 是 (n−1)×(n−1) 矩阵。令
A 为从 A 删除第一行和第一列所得的
(n−1)×(n−1) 主子矩阵。证明
A−1=Δ−αββT.
- 在上一小问的条件下,令
x=[x1,x2,…,xn]T,x=[x2,x3,…,xn]T.
把二次型
xTA−1x
视为关于 x1 的二次函数,并保持
x 固定。证明它关于 x1 的最小值为
xTA−1x.
Kai
解答
(i) の証明
与えられた行列を M=[AcTbd] とする。 A は正則(可逆)であるため、 A−1 が存在する。
行列 M を次のようにブロック行列の積で分解できる。
[AcTbd]=[AcT01][I0A−1bd−cTA−1b]
この分解が正しいことを確認する:
[AcT01][I0A−1bd−cTA−1b]=[A⋅I+0⋅0cT⋅I+1⋅0A(A−1b)+0⋅(d−cTA−1b)cT(A−1b)+1⋅(d−cTA−1b)]=[AcTbd]
行列の積の行列式は、各行列の行列式の積に等しいので、
det(M)=det([AcT01])×det([I0A−1bd−cTA−1b])
ブロック三角行列の行列式は、対角ブロックの行列式の積となる。
det[AcT01]=(detA)×(det1)=detA
det[I0A−1bd−cTA−1b]=(detI)×det(d−cTA−1b)=1×(d−cTA−1b)
ここで、 d−cTA−1b はスカラー( 1×1 行列)なので、その行列式は値自身である。
したがって、
det[AcTbd]=(detA)×(d−cTA−1b)
が示された。
(ii) の証明
A を n×n 正定値対称行列とする。 A を次のように分割する。
A=[abbTA~]
ここで、 a はスカラー、 b は (n−1) 次元の列ベクトル、 A~ は (n−1)×(n−1) の小行列である。
A が正定値であるため、その主小行列 A~ も正定値であり、したがって正則である。
問題の冒頭で与えられたブロック行列の逆行列の公式を用いる。ここで S=a , T=bT , U=b , V=A~ と対応させる。
A−1=[abbTA~]−1=[(a−bTA~−1b)−1−A~−1b(a−bTA~−1b)−1−(a−bTA~−1b)−1bTA~−1A~−1+A~−1b(a−bTA~−1b)−1bTA~−1]
与えられた A−1 の分割形式と比較する。
A−1=[αββTΔ]
各ブロックを比較すると、
- α=(a−bTA~−1b)−1
- β=−A~−1b(a−bTA~−1b)−1=−αA~−1b
- Δ=A~−1+A~−1b(a−bTA~−1b)−1bTA~−1=A~−1+α(A~−1b)(bTA~−1)
式(2)より、 A~−1b=−α1β となる。これを式(3)に代入する。
Δ=A~−1+α(−α1β)(−α1β)T=A~−1+α(−α1β)(−α1βT)
Δ=A~−1+αα21ββT=A~−1+αββT
この式を A~−1 について解くと、
A~−1=Δ−αββT
が示された。
(iii) の証明
二次形式 Q(x)=xTA−1x を x1 と x~ を用いて展開する。
x=[x1x~],A−1=[αββTΔ]
Q(x)=[x1x~T][αββTΔ][x1x~]
=[x1x~T][αx1+βTx~βx1+Δx~]
=x1(αx1+βTx~)+x~T(βx1+Δx~)
=αx12+x1βTx~+x~Tβx1+x~TΔx~
x1βTx~ はスカラーなので、その転置 x~Tβx1 と等しい。したがって、
Q(x)=αx12+2(βTx~)x1+x~TΔx~
この式は、 x1 に関する二次関数である。 A が正定値なので、 A−1 も正定値であり、その主小行列である α は α>0 である。したがって、この二次関数は下に凸の放物線であり、最小値を持つ。
最小値は、この二次関数を x1 で微分して 0 とおくことで見つけられる。
∂x1∂Q(x)=2αx1+2(βTx~)=0
これを解くと、最小値を与える x1 の値 x1∗ は、
x1∗=−αβTx~
となる。
この x1∗ を Q(x) の式に代入して最小値を計算する。
x1minQ(x)=α(−αβTx~)2+2(βTx~)(−αβTx~)+x~TΔx~
=αα2(βTx~)2−2α(βTx~)2+x~TΔx~
=α(βTx~)2−2α(βTx~)2+x~TΔx~
=−α(βTx~)2+x~TΔx~
ここで、 (βTx~)2=(x~Tβ)(βTx~)=x~T(ββT)x~ と書けるので、
x1minQ(x)=x~TΔx~−αx~TββTx~=x~T(Δ−αββT)x~
設問 (ii) の結果から、 A~−1=Δ−αββT である。
したがって、二次形式の最小値は、
x1minxTA−1x=x~TA~−1x~
となり、題意は示された。