京都大学 情報学研究科 通信情報システム専攻 2023年8月実施 専門基礎A [A-1]
Author
祭音Myyura (assisted by ChatGPT 5.4 Thinking)
Description
下記のすべての問に答えよ。
(1)
下記の問に答えよ。ただし
z=f(x,y),x=rcosθ,y=rsinθ,r>0
とする。
(a) 次の式が成り立つことを示せ。
(∂x∂z)2+(∂y∂z)2=(∂r∂z)2+r21(∂θ∂z)2
(b) 次の式が成り立つことを示せ。
∂x2∂2z+∂y2∂2z=∂r2∂2z+r21∂θ2∂2z+r1∂r∂z
(2)
下記の問に答えよ。ただし,関数 B(p,q) は
B(p,q)=∫01xp−1(1−x)q−1dx(p>0,q>0)
で与えられる。
(a) 次の値を求めよ。
B(21,1)
(b) 次の値を求めよ。
B(21,21)
(c) 次の式が成り立つことを示せ(p>0,q>1)。
pB(p,q)=(q−1)B(p+1,q−1)
(3)
下記の問に答えよ。ただし行列 A は
A=12221−22−21
で与えられる。
(a) A の固有方程式を求めよ。
(b) A の固有値を求めよ。
(c) A の固有ベクトルをすべて求めよ。
Kai
(1)
(a)
連鎖律より
∂r∂z=∂x∂z∂r∂x+∂y∂z∂r∂y=zxcosθ+zysinθ,
∂θ∂z=∂x∂z∂θ∂x+∂y∂z∂θ∂y=zx(−rsinθ)+zy(rcosθ)=r(−zxsinθ+zycosθ)
と書ける(ここで zx=∂z/∂x,zy=∂z/∂y)。
したがって
(∂r∂z)2r21(∂θ∂z)2=(zxcosθ+zysinθ)2,=(−zxsinθ+zycosθ)2.
2 つを足すと
(zx2+zy2)(cos2θ+sin2θ)+2zxzy(cosθsinθ−sinθcosθ)=zx2+zy2.
よって
(∂x∂z)2+(∂y∂z)2=(∂r∂z)2+r21(∂θ∂z)2
が示される。
(b)
上で求めた
zr=zxcosθ+zysinθ,zθ=r(−zxsinθ+zycosθ)
をさらに r,θ について微分し、
zrr=zxxcos2θ+2zxysinθcosθ+zyysin2θ
zθθ=r2(zxxsin2θ−2zxysinθcosθ+zyycos2θ)−rzr
整理すると
zxx+zyy=zrr+r1zr+r21zθθ
が得られる(極座標でのラプラシアンの標準公式)。
(2) ベータ関数
(a)
定義より
B(21,1)=∫01x−1/2(1−x)0dx=∫01x−1/2dx=[2x1/2]01=2.
(b)
B(21,21)=∫01x−1/2(1−x)−1/2,dx.
置換 x=sin2t (0≤t≤π/2)を用いると
dx=2sintcostdt,x−1/2=(sint)−1,(1−x)−1/2=(cost)−1,
より
B(21,21)=∫0π/22dt=π.
(c)
B(p,q)=∫01xp−1(1−x)q−1dx
から始める。関数
F(x)=xp(1−x)q−1
を考えると
F′(x)=pxp−1(1−x)q−1−(q−1)xp(1−x)q−2.
これを整理して
pxp−1(1−x)q−1=F′(x)+(q−1)xp(1−x)q−2.
両辺を 0 から 1 まで積分すると
pB(p,q)=∫01F′(x)dx+(q−1)∫01xp(1−x)q−2dx.
ここで p>0,q>1 なので xp(1−x)q−1 は端点で 0 になり,
∫01F′(x)dx=F(1)−F(0)=0。したがって
pB(p,q)=(q−1)∫01xp(1−x)q−2dx=(q−1)B(p+1,q−1).
(3)
(a)
固有値を λ とすると固有方程式は
det(λI−A)=0.
計算すると
det(λI−A)=λ3−3λ2−9λ+27=(λ−3)2(λ+3).
したがって固有方程式は
(λ−3)2(λ+3)=0
(b)
固有方程式から
λ1=3 (重複度2),λ2=−3
(c)
λ=−3 のとき (A+3I)v=0 を解くと,例えば
v−3=−111(あるいは [1,−1,−1]Tでもよい)
が得られる。
λ=3 のとき (A−3I)v=0 を解くと,独立な解として
v3(1)=110,v3(2)=101
をとることができる。
したがって,固有値と対応する固有ベクトルは例えば
λ=−3: v∝−111,
λ=3: v∝110, 101
となる。