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京都大学 情報学研究科 数理工学専攻 2021年7月実施 力学系数学

Author​

Casablanca, 祭音Myyura

Description​

大学公表の原題

日本語版​

a(t),b(t)a(t), b(t) を tt のある有理式として次の実微分方程式を考える.

d2xdt2+a(t)dxdt+b(t)x=0\frac{d^2 x}{dt^2} + a(t) \frac{dx}{dt} + b(t)x = 0

以下の問いに答えよ.

(i) k≧1k \geqq 1 をある整数として,x=tkx = t^k が式 (1) の解であるための a(t),b(t)a(t), b(t) に関する必要十分条件を求めよ.

以下では,ある整数 k≧1k \geqq 1 に対して (i) で求めた条件が成り立つものとし,ϕ(t)\phi(t) を tkt^k と線形独立な解として,

p(t)=tdϕdt(t)−kϕ(t)p(t) = t\frac{d \phi}{dt} (t) - k \phi(t)

とおく.

(ii) a(t),b(t)a(t), b(t) を p(t)p(t) を用いて表わせ.

(iii) p(t)=tp(t) = t のとき a(t),b(t)a(t), b(t) を定めよ.

(iv) 式 (1) のすべての解が定数でない多項式のとき,a(t),b(t)a(t), b(t) は多項式でないことを示せ.

English Version​

题目描述​

设 a(t),b(t)a(t),b(t) 为关于 tt 的有理函数,考虑实微分方程

d2xdt2+a(t)dxdt+b(t)x=0.(1)\frac{d^2x}{dt^2}+a(t)\frac{dx}{dt}+b(t)x=0. \tag{1}

回答:

  1. 对给定整数 k≥1k\ge1,求 x=tkx=t^k 为 (1) 的解时 a(t),b(t)a(t),b(t) 所满足的充要条件。

以下假设该条件对某个 k≥1k\ge1 成立。令 ϕ(t)\phi(t) 为与 tkt^k 线性无关的另一解,并定义

p(t)=tdϕdt(t)−kϕ(t).p(t)=t\frac{d\phi}{dt}(t)-k\phi(t).

继续回答:

  1. 用 p(t)p(t) 表示 a(t),b(t)a(t),b(t)。
  2. 当 p(t)=tp(t)=t 时确定 a(t),b(t)a(t),b(t)。
  3. 若 (1) 的每一个解都是非常值多项式,证明 a(t),b(t)a(t),b(t) 不是多项式。

Kai​

以下、係数が定義される開区間上で考え、1/t1/t を含む式は t≠0t\ne0 で用いる。00 が通常点である場合には、必要な等式は連続性により t=0t=0 にも延長される。

(i)​

x=tkx=t^k を式 (1) に代入すると、t≠0t\ne0 において

0=k(k−1)tk−2+ka(t)tk−1+b(t)tk=tk−2(k(k−1)+kta(t)+t2b(t)).0=k(k-1)t^{k-2}+ka(t)t^{k-1}+b(t)t^k =t^{k-2}\bigl(k(k-1)+kta(t)+t^2b(t)\bigr).

したがって、必要十分条件は有理式の恒等式

k(k−1)+kta(t)+t2b(t)=0\boxed{k(k-1)+kta(t)+t^2b(t)=0}

が成り立つことである。逆にこの恒等式が成り立てば、代入した式は零となる。特に k=1k=1 のときは a(t)+tb(t)=0a(t)+tb(t)=0 である。

(ii)​

p=tϕ′−kϕp=t\phi'-k\phi より

p′=tϕ′′−(k−1)ϕ′.p'=t\phi''-(k-1)\phi'.

ϕ′′+aϕ′+bϕ=0\phi''+a\phi'+b\phi=0 と (i) の条件を用いると、

p′=−(ta+k−1)ϕ′−tbϕ=t2bkϕ′−tbϕ=tbk(tϕ′−kϕ)=tbkp.\begin{aligned} p' &=-(ta+k-1)\phi'-tb\phi\\ &=\frac{t^2b}{k}\phi'-tb\phi =\frac{tb}{k}\bigl(t\phi'-k\phi\bigr) =\frac{tb}{k}p. \end{aligned}

また、tkt^k と ϕ\phi のロンスキー行列式は

W(t)=tkϕ′−ktk−1ϕ=tk−1p(t)W(t)=t^k\phi'-kt^{k-1}\phi=t^{k-1}p(t)

である。二つの解は線形独立なので、通常点のみからなる区間で WW は零にならず、t≠0t\ne0 ならば p(t)≠0p(t)\ne0 である。よって

b(t)=kp′(t)tp(t).\boxed{b(t)=\frac{k p'(t)}{t p(t)}}.

これを (i) に代入して

a(t)=−k−1t−p′(t)p(t)\boxed{a(t)=-\frac{k-1}{t}-\frac{p'(t)}{p(t)}}

を得る。

(iii)​

p(t)=tp(t)=t、p′(t)=1p'(t)=1 を (ii) に代入すれば、

a(t)=−kt,b(t)=kt2\boxed{a(t)=-\frac{k}{t},\qquad b(t)=\frac{k}{t^2}}

である。

(iv)​

同次方程式は零解をもつので、仮定は「すべての非零解が非常数多項式である」と解釈する。

ϕ\phi の tkt^k の係数を cc とし、ψ(t)=ϕ(t)−ctk\psi(t)=\phi(t)-ct^k とおく。ψ\psi は非零の解であるから、仮定より非常数多項式である。また、tkt^k の係数は 00 なので、

n=deg⁡ψ≥1,n≠k.n=\deg\psi\ge1,\qquad n\ne k.

tkt^k の定数倍を差し引いても pp は変わらず、

p=tψ′−kψp=t\psi'-k\psi

である。ψ\psi の最高次係数を cn≠0c_n\ne0 とすると、pp の最高次係数は (n−k)cn≠0(n-k)c_n\ne0 であり、deg⁡p=n\deg p=n となる。

(ii) より、

a(t)=(1−k)p(t)−tp′(t)tp(t),b(t)=kp′(t)tp(t).a(t)=\frac{(1-k)p(t)-tp'(t)}{tp(t)},\qquad b(t)=\frac{kp'(t)}{tp(t)}.

aa の分子の最高次係数は (1−k−n)(n−k)cn≠0(1-k-n)(n-k)c_n\ne0 であるから、分子の次数は nn、分母の次数は n+1n+1 である。また、bb の分子の次数は n−1n-1、分母の次数は n+1n+1 であり、その分子も非零である。

したがって、a,ba,b はいずれも非零の真分式であり、どちらも多項式ではない。

Reference​