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京都大学 情報学研究科 数理工学専攻 2011年8月実施 基礎数学 II

Author

思齐塾, 祭音Myyura

Description

n次正方行列 AA に対して適当な可逆行列 PP が存在して P1APP^{-1}AP が対角行列になるとき、 AAPP により対角化可能という。 AA の固有値がすべて相異なるとき、 AA は対角化可能である。 nn 次正方行列 A,BA, B が同一の PP により対角化可能であるとき、 A,BA, B は同時対角化可能という。以下の問いに答えよ。ただし、以下に現れる行列は複素行列、ベクトルは複素ベクトルとする。

(i) nn 次正方行列 A,BA, B が同時対角化可能ならば、 AB=BAAB = BA が成り立つことを示せ。

(ii) nn 次正方行列 AA の固有値がすべて相異なり、かつ、 nn 次正方行列 BB との間に AB=BAAB = BA が成り立つとき、 A,BA, B は同時対角化可能であることを示せ。

(iii) A,BA, Bnn 次正方行列とする。行列 AA のある固有値 α\alpha に対応する固有ベクトルを x(0)x (\neq 0) とおく。ある正の整数 p(n)p (\leq n) について、 Bkx(k=0,1,...,p1)B^k x (k = 0, 1, ..., p-1) は一次独立であるが、 Bkx(k=0,1,...,p)B^k x (k = 0, 1, ..., p) は一次従属であるとし、線形部分空間

LB(x)=Span{x,Bx,...,Bp1x}L_B(x) = \text{Span}\{x, Bx, ..., B^{p-1}x\}
={yy=c1x+c2Bx++cpBp1x,cjC}= \{y \mid y = c_1x + c_2Bx + \cdots + c_pB^{p-1}x, \forall c_j \in \mathbb{C}\}

を導入する。 nn 次正方行列 A,BA, BAB=BAAB = BA を満たすとき、 LB(x)L_B(x) は写像 BB のもとでの不変部分空間となること、および、 A,BA, B は共通の固有ベクトル z(0)LB(x)z (\neq 0) \in L_B(x) をもつことを示せ。

(iv) nn 次正方行列 A,BA, B が共通の固有ベクトル zLB(x)z \in L_B(x) をもつとき、 zz に対応する AA の固有値を α\alpha , BB の固有値を β\beta とする。このとき、和 α+β\alpha + \beta は行列 A+BA+B の固有ベクトル zz に対応する固有値を与え、積 αβ\alpha\beta は行列 ABAB の固有ベクトル zz に対応する固有値を与えることを示せ。

题目描述

若对 nn 阶方阵 AA 存在可逆矩阵 PP,使 P1APP^{-1}AP 为对角矩阵,则称 AA 可由 PP 对角化。已知当 AA 的全部特征值互不相同时,AA 可对角化。若两个 nn 阶方阵 A,BA,B 能由同一个矩阵 PP 对角化,则称 A,BA,B 可同时对角化。以下矩阵与向量均取在复数域上。

完成以下各问:

  1. 证明:若 nn 阶方阵 A,BA,B 可同时对角化,则

    AB=BA.AB=BA.
  2. AA 的全部特征值互不相同,并且 AAnn 阶方阵 BB 满足 AB=BAAB=BA。证明 A,BA,B 可同时对角化。

  3. x0x\neq0AA 对应于某个特征值 α\alpha 的特征向量。对某个正整数 pnp\leq n,假设

    x,Bx,,Bp1xx,Bx,\ldots,B^{p-1}x

    线性无关,而

    x,Bx,,Bpxx,Bx,\ldots,B^px

    线性相关。定义

    LB(x)=Span{x,Bx,,Bp1x}={c1x+c2Bx++cpBp1xcjC}.\begin{aligned} L_B(x) &=\operatorname{Span}\{x,Bx,\ldots,B^{p-1}x\}\\ &=\left\{c_1x+c_2Bx+\cdots+c_pB^{p-1}x \mid c_j\in\mathbb C\right\}. \end{aligned}

    AB=BAAB=BA 时,证明 LB(x)L_B(x) 是线性映射 BB 的不变子空间,并证明 A,BA,BLB(x)L_B(x) 中存在一个非零公共特征向量 zz

  4. zLB(x)z\in L_B(x)A,BA,B 的公共特征向量,分别对应特征值 α,β\alpha,\beta。证明 α+β\alpha+\betaA+BA+B 对应于 zz 的特征值,而 αβ\alpha\betaABAB 对应于 zz 的特征值。

Kai

(i) 同時対角化可能なら可換

ある正則行列 PP と対角行列 DA,DBD_A,D_B により

P1AP=DA,P1BP=DBP^{-1}AP=D_A,\qquad P^{-1}BP=D_B

と書ける。対角行列同士は可換なので、

AB=PDADBP1=PDBDAP1=BA\begin{aligned} AB&=PD_AD_BP^{-1}\\ &=PD_BD_AP^{-1}=BA \end{aligned}

である。

(ii) AA の固有値がすべて相異なる場合

AA

P1AP=DA=diag(λ1,,λn)P^{-1}AP=D_A=\operatorname{diag}(\lambda_1,\ldots,\lambda_n)

と対角化し、 C=P1BP=(cij)C=P^{-1}BP=(c_{ij}) とおく。 AB=BAAB=BA から DAC=CDAD_AC=CD_A であり、成分を比較すると

(λiλj)cij=0(\lambda_i-\lambda_j)c_{ij}=0

を得る。 iji\neq j なら λiλj\lambda_i\neq\lambda_j だから cij=0c_{ij}=0 である。したがって CC も対角行列であり、 A,BA,B は同じ PP で対角化できる。

(iii) 不変部分空間と共通固有ベクトル

仮定された一次従属関係において BpxB^px の係数が 00 なら、 x,Bx,,Bp1xx,Bx,\ldots,B^{p-1}x までが一次従属となってしまう。したがって

BpxSpan{x,Bx,,Bp1x}=LB(x).B^px\in\operatorname{Span}\{x,Bx,\ldots,B^{p-1}x\}=L_B(x).

y=k=0p1ckBkxLB(x)y=\sum_{k=0}^{p-1}c_kB^kx\in L_B(x) に対して

By=k=0p1ckBk+1xLB(x)By=\sum_{k=0}^{p-1}c_kB^{k+1}x\in L_B(x)

となるので、 LB(x)L_B(x)BB 不変である。

また、 Ax=αxAx=\alpha xAB=BAAB=BA から、すべての k0k\geq0 について

A(Bkx)=Bk(Ax)=αBkxA(B^kx)=B^k(Ax)=\alpha B^kx

である。よって AALB(x)L_B(x) 上で αI\alpha I として作用する。一方、複素ベクトル空間 LB(x)L_B(x) 上の線形写像 BB は固有ベクトル z0z\neq0 をもつ。この zz について

Az=αz,Bz=βzAz=\alpha z,\qquad Bz=\beta z

となるから、 zzA,BA,B の共通固有ベクトルである。

(iv) 和と積の固有値

共通固有ベクトル z0z\neq0 に対して Az=αzAz=\alpha zBz=βzBz=\beta z なら、

(A+B)z=(α+β)z(A+B)z=(\alpha+\beta)z

および

(AB)z=A(βz)=αβz(AB)z=A(\beta z)=\alpha\beta z

である。したがって α+β\alpha+\betaαβ\alpha\beta は、それぞれ A+BA+BABABzz に対応する固有値である。