京都大学 情報学研究科 数理工学専攻 2007年8月実施 基礎数学 I
Author
思齐塾, 祭音Myyura
Description
ak≥0,k=0,1,…,n とし,多項式 P(z) を
P(z)=k=0∑nakzk,z∈C
で定義する。また, z=x+iy により, C と R2 とを同一視する。 C 内の半円 C1,C2 をそれぞれ次のように定義する。
C1:z=eiθ,0≤θ≤π,C2:z=eiθ,π≤θ≤2π
ただし, C1,C2 の向きはともに反時計回りとする。 P(z)2 に対し,関数論におけるコーシーの積分定理を用いると,以下の等式が導かれる。
2∫−11P(x)2dx=−∫C1P(z)2dz+∫C2P(z)2dz
また,区間 [0,1] 上の実数値連続関数 f,g に対して,シュワルツの不等式
∫01f(x)g(x)dx≤(∫01f(x)2dx)1/2(∫01g(x)2dx)1/2
の成り立つことは既知とする。以下の各問に答えよ。
(i) 次の等式を示せ。
∫02πP(eiθ)2dθ=2πk=0∑nak2
(ii) 次の不等式を証明せよ。
∫−11P(x)2dx≤πk=0∑nak2
(iii) 以下の不等式が成り立つことを示せ。
P(1)2−P(0)2≤2(∫01P′(x)2dx)1/2(∫01P(x)2dx)1/2
(iv) a0=0 として,次の不等式を証明せよ。
(k=1∑nak)4≤4π2(k=1∑nak2)(k=1∑nk2ak2)
(v) [0,1] 上の実数値連続関数 f(x) に対し,次の不等式が成り立つことを示せ。
(∫01∣f(x)∣dx)4≤4π2(∫01(f(x))2dx)(∫01x2(f(x))2dx)
题目描述
设 ak≥0 (k=0,1,…,n),并在复平面上定义
P(z)=k=0∑nakzk,z∈C.
通过 z=x+iy 将 C 与 R2 视为同一平面。令单位圆的上、下半圆分别为
C1: z=eiθ (0≤θ≤π),C2: z=eiθ (π≤θ≤2π),
两条曲线均按逆时针方向定向。对 P(z)2 使用柯西积分定理可得到
2∫−11P(x)2dx=−∫C1P(z)2dz+∫C2P(z)2dz.
另可直接使用区间 [0,1] 上实值连续函数的施瓦茨不等式
∫01f(x)g(x)dx≤(∫01f(x)2dx)1/2(∫01g(x)2dx)1/2.
完成以下各问:
-
证明
∫02πP(eiθ)2dθ=2πk=0∑nak2.
-
证明
∫−11P(x)2dx≤πk=0∑nak2.
-
证明
P(1)2−P(0)2≤2(∫01P′(x)2dx)1/2(∫01P(x)2dx)1/2.
-
在 a0=0 时证明
(k=1∑nak)4≤4π2(k=1∑nak2)(k=1∑nk2ak2).
-
对任意定义在 [0,1] 上的实值连续函数 f,证明
(∫01∣f(x)∣dx)4≤4π2(∫01f(x)2dx)(∫01x2f(x)2dx).
Kai
(i)
係数 ak は実数なので、
P(eiθ)2=P(eiθ)P(eiθ)=(k=0∑nakeikθ)(j=0∑naje−ijθ)=k=0∑nj=0∑nakajei(k−j)θ
である。複素指数関数の直交性
∫02πei(k−j)θdθ={2π0(k=j),(k=j)
を用いると、
∫02πP(eiθ)2dθ=2πk=0∑nak2
を得る。
(ii)
C1 と実軸上の線分を合わせた上半円、および C2 と同じ線分を合わせた下半円にコーシーの積分定理を適用する。向きに注意すると、
∫C1P(z)2dz=−∫−11P(x)2dx,∫C2P(z)2dz=∫−11P(x)2dx
である。したがって
2∫−11P(x)2dx=−∫C1P(z)2dz+∫C2P(z)2dz
となる。両辺を絶対値で評価し、(i) を使えば、
2∫−11P(x)2dx≤∫C1∣P(z)∣2∣dz∣+∫C2∣P(z)∣2∣dz∣=∫02π∣P(eiθ)∣2dθ=2πk=0∑nak2
である。よって
∫−11P(x)2dx≤πk=0∑nak2
が示された。
(iii)
微積分学の基本定理より、
P(1)2−P(0)2=∫01dxd(P(x)2)dx=2∫01P(x)P′(x)dx
である。シュワルツの不等式を適用すると、
∣P(1)2−P(0)2∣≤2(∫01P(x)2dx)1/2(∫01P′(x)2dx)1/2
となる。左辺の絶対値を外せば、題意の不等式を得る。
(iv)
a0=0 ならば、
P(0)=0,P(1)=k=1∑nak
である。(iii) の不等式を二乗すると、
(k=1∑nak)4≤4(∫01P(x)2dx)(∫01P′(x)2dx)
を得る。また、 P と
P′(x)=k=1∑nkakxk−1
はともに非負の係数をもつので、(ii) をそれぞれに適用できる。したがって
∫01P(x)2dx≤πk=1∑nak2
および
∫01P′(x)2dx≤πk=1∑nk2ak2
である。以上より、
(k=1∑nak)4≤4π2(k=1∑nak2)(k=1∑nk2ak2)
が得られる。
(v)
各 n と k=1,…,n に対して
ak,n=n1f(nk)
とおく。これらは非負なので、(iv) より
(n1k=1∑nf(nk))4≤4π2(n1k=1∑nf(nk)2)(n1k=1∑n(nk)2f(nk)2)
となる。実際、右辺の二つの和は、(iv) の
∑ak,n2 と ∑k2ak,n2 の積を書き直したものである。
f は連続であるから、 n→∞ として各和のリーマン和極限をとれる。よって
(∫01∣f(x)∣dx)4≤4π2(∫01f(x)2dx)(∫01x2f(x)2dx)
が示された。