神戸大学 工学研究科 機械工学専攻 2019年度 熱力学 第2問
Author
祭音Myyura (co-authored with GPT 6 Astra)
Description
周囲環境 (T0,P0) と平衡な理想気体(気体定数 R、比熱比 κ)を、温度 T0、高圧 PS>P0、質量流量 m kg/s で供給する。圧縮機とタービンは可逆断熱、外界への熱損失と流路の圧力損失は無視する。
- 熱交換器を通る気体の温度 T と比エントロピー s の関係を導け。
- 図の(a)熱交換器、(b)圧縮機、(c)タービンのうち2要素を用い、システムのフローを描け。
- 気体の状態変化を T–S、P–V 線図に描け。S はエントロピー、V は体積とする。
- 必要動力 W˙ を m,R,κ,T0,P0,PS で表せ。
- 熱交換量 Q˙ を同じ記号で表せ。
- 圧縮機・タービンが不可逆断熱の場合の T–S 線図を描き、可逆の場合との温度・エネルギーの違いを述べよ。

题目描述
将环境状态 (T0,P0) 的理想气体,以温度 T0、压力 PS>P0 和质量流量 m 供给。给定 R,κ,压缩机、涡轮为可逆绝热,忽略外界漏热和流路压损。(1)推导换热器内 T,s 关系;(2)在换热器、压缩机、涡轮中选两种设备画流程;(3)画 T–S、P–V 图;(4)(5)求动力和换热量;(6)画不可逆绝热压缩/膨胀图并比较出口温度及能量。
Kai
cp=κR/(κ−1)、a=(κ−1)/κ とおく。入口を状態1、圧縮機出口を状態2、供給状態を3とする。
(1)
熱交換器内は圧力一定なので Tds=dh−vdp=cpdT。よって
s−sref=cplogTrefT(同一圧力上の基準点).
特に周囲の比エントロピーを s0 とすれば、圧力 PS において
s−s0=cplogT0T−RlogP0PS,
T=T0(P0PS)aexp(cps−s0).
(2)
圧縮機→熱交換器の順とする。圧縮で圧力と温度を上げ、熱交換器で冷却流体へ熱を渡して T0 に戻す。熱交換器内の二流体間の熱交換は、外界への熱損失とは区別する。

(3)
可逆断熱圧縮から
T2=T0(P0PS)a,s2=s1=s0.
等圧冷却の終点は T3=T0、s3=s0−Rlog(PS/P0)。一定量の気体を取った T–S 図では1→2が鉛直上向き、2→3が高圧等圧線に沿う左下向きとなる。P–V 図では1→2が PVκ=一定、2→3が P=PS の水平左向きである。

(4), (5)
圧縮機への入力はエンタルピー増加より
W˙=mcp(T2−T0)=κ−1κmRT0[(P0PS)a−1].
気体から冷却流体へ渡す熱を正として
Q˙=mcp(T2−T3)=κ−1κmRT0[(P0PS)a−1]=W˙.
全体の入口と出口で温度が等しく、理想気体のエンタルピー差はゼロである。
(6)

断熱でも不可逆性があればエントロピーが増加する。同じ入口・出口圧力を比べると、圧縮機の実際の出口2′は、可逆出口2より同じ PS の等圧線上で右上に位置する。従って T2′>T2、必要動力と後冷却器の熱交換量はともに増す。
圧縮機効率 ηc=(T2−T0)/(T2′−T0)<1 を用いれば
W˙′=ηcW˙,Q˙′=W˙′.
供給温度は後冷却によって T0 のまま保たれる。タービンの場合も、同じ入口・出口圧力なら不可逆出口の温度は可逆出口より高い。そのため取り出せる仕事 mcp(Tin−Tout) は減少する。不可逆過程の途中状態は一意には定まらないので、図の破線は終点を結ぶ模式線である。
Reference