神戸大学 工学研究科 電気電子工学専攻 2021年8月実施 数学 1.
Author
Miyake
Description
次の各問いに答えよ。
(1) 関数 を考える。
- (1-a) 偏導関数 と を求めよ。
- (1-b) によって を の陰関数として定めるとき、 を満たす点 を求めよ。
(2) を実定数とし、行列 を考える。
- (2-a) 行列 の固有値を求めよ。
- (2-b) 行列 が対角化可能となる の値を全て求めよ。
Kai
(1)
(1-a)
(1-b)
の両辺を で微分して整理すると、
となるが、 なので と考えてよく、
を得るので、 が成り立つためには が必要であることがわかる。
さらに、
であるので、まとめると、 が成り立つのは
のときであることがわかる。
(2)
(2-a)
の固有値を とすると、
がわかる。
(2-b)
が対角化可能であるのは、
固有値 に属する1次独立な固有ベクトルが2つ存在する場合である。
固有値 に属する固有ベクトルを求めるため、
とおくと、2つの条件式
を得るが、両辺足して整理すると、
となる。
そこで (i) (ii) (iii)
の3通りに場合分けして考える。
(i) のとき、
3つの未知数 に対して条件式は1つ しかないので、
固有値 に属する2つの1次独立な固有ベクトルが存在する。
例えば、
である。
(ii) のとき、
3つの未知数 に対して条件式は1つ しかないので、
固有値 に属する2つの1次独立な固有ベクトルが存在する。
例えば、
である。
(iii) のとき、
3つの未知数 に対して条件式は2つ あるので、
固有値 に属する2つの1次独立な固有ベクトルは存在しない。
固有ベクトルは、例えば、
である。
以上より、 が対角化可能となる の値は である。