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東京工業大学 理学院 物理学系 2018年8月実施 午前 [2]

Author​

Miyake

Description​

図のように、導体でできた半径 aa の円形レールを中心が原点 O 上にあるように xx-yy 平面上に固定し、その上に長さ aa の導体でできた棒を片方の端が原点上にあるように置く。棒は原点上の端点を中心として、もう片方の端点が常にレール上にあるように摩擦なく回転できるものとする。原点には棒に接触する端子 P が、また点 (a,0)(a,0) にはレールに接触する端子 S がそれぞれ置かれている。棒の単位長さあたりの質量は λ\lambda であるとする。棒と端子 P、レールと端子 S、および棒の端点とレールはそれぞれ常に接触しているが、その接触抵抗は無視できるものとする。また、レールの電気抵抗、および棒とレールのインダクタンス、棒が回転する際に受ける空気抵抗はいずれも無視できるものとし、レールや棒は変形しないものとする。(1)~(4) では、解答欄に答のみを記入すること。

円形レール、導体棒と端子 P、S

[A]​

系全体に磁束密度の大きさが B0B_0 の紙面の裏から表へ向かう均一な静磁場をかけた場合を考える。棒の初角速度が0の状態で、端子 P 側が負極、端子 S 側が正極となるように一定の電圧 VV の直流電源を端子 P、S につないだところ、棒は回転を始めた。棒の電気抵抗を RR として、次の各問に答えよ。

(1) レールから棒へと流れる電流の大きさが II であるとき、棒の単位長さあたりに働く力の大きさを求めよ。

(2) レールから棒へと流れる電流の大きさが II であるとき、棒全体が受ける力のモーメントの大きさを求めよ。

(3) 棒が角速度 ω\omega で反時計回りに回転しているとき、棒全体に生じる誘導起電力の大きさを求めよ。

(4) 棒が角速度 ω\omega で反時計回りに回転しているとき、棒に流れる電流を求めよ。ただし、レールから棒に流れる電流の向きを正とする。

(5) 電源を端子 P、S につないでから充分長い時間経過すると、棒の角速度は一定値に近づいた。この角速度の大きさを求めよ。

[B]​

端子 P、S に電源ではなく電気容量 CC のコンデンサをつないだ場合を考える。次の各問に答えよ。

(6) 系全体に磁束密度の大きさが B0B_0 の紙面の裏から表へ向かう均一な静磁場をかけた場合を考える。棒のレール上の端点が点 (a,0)(a,0) にあり、静止している状態で、コンデンサの P 側の極板に −Q0-Q_0 の負電荷を、また S 側の極板に +Q0+Q_0 の正電荷をそれぞれ同時に与えたところ、棒が回転し始め、やがて充分長い時間経過した後の棒の角速度は一定値に近づいた。この過程に関する次の文章において、空欄(ア)~(ウ)に当てはまる数式を答えよ。ただし、棒の電気抵抗は RR とする。

棒の回転の運動方程式より、任意の時刻において、棒の角速度 ω(t)\omega(t)(反時計回りを正とする)とコンデンサの S 側の極板に蓄えられた電荷 Q(t)Q(t) を含む保存量 ω(t)+アQ(t)\omega(t)+\boxed{\text{ア}}Q(t) が存在する。一方、棒が回転し始めて充分長い時間が経過した後では、棒の角速度 ω∞\omega_\infty とコンデンサの S 側の極板に蓄えられた電荷 Q∞Q_\infty との間に Q∞=イQ_\infty=\boxed{\text{イ}} の関係が成り立つ。これらより、ω∞\omega_\infty は ウ\boxed{\text{ウ}} と表される。

(7) 系全体に磁束密度が B(t)=B1sin⁡ω1tB(t)=B_1\sin\omega_1t(紙面の裏から表へ向かう磁場の向きを正とする)である均一な磁場をかけた場合を考える。棒の角速度 ω(t)\omega(t) に対する微分方程式を立てることで、任意の時刻 t>0t>0 での棒の角速度(反時計回りを正とする)を求めよ。ただし、t=0t=0 での棒の角速度は ω0\omega_0 とし、t=0t=0 でコンデンサには電荷が蓄えられていないものとする。また、棒の電気抵抗は無視できるものとする。

题目描述​

如图,在 xx-yy 平面内固定半径为 aa、圆心位于原点 O 的导体圆形轨道,并放置一根长为 aa 的导体棒,棒的一端位于原点。棒可绕原点端点无摩擦转动,另一端始终位于轨道上。原点设有与棒接触的端子 P,点 (a,0)(a,0) 设有与轨道接触的端子 S。棒单位长度的质量为 λ\lambda。棒与 P、轨道与 S、棒端与轨道始终接触,忽略接触电阻。还可忽略轨道电阻、棒与轨道的电感和棒转动时的空气阻力,棒与轨道均不变形。(1)~(4) 的答题栏只填写答案。

[A]​

对整个系统施加磁通密度大小为 B0B_0、从纸面背面指向正面的均匀静磁场。棒的初始角速度为0,把恒定电压 VV 的直流电源接在 P、S 之间,P 为负极、S 为正极,棒开始转动。设棒电阻为 RR,回答各问。

(1) 从轨道流向棒的电流大小为 II 时,求棒单位长度所受力的大小。

(2) 同样条件下,求整根棒所受力矩的大小。

(3) 棒以角速度 ω\omega 逆时针转动时,求整根棒的感应电动势大小。

(4) 棒以角速度 ω\omega 逆时针转动时,求棒中的电流,以从轨道流向棒的方向为正。

(5) 接入电源后经过充分长时间,棒的角速度趋于定值,求该角速度的大小。

[B]​

把 P、S 间的电源换成电容量为 CC 的电容器,回答各问。

(6) 对系统施加磁通密度大小为 B0B_0、从纸面背面指向正面的均匀静磁场。棒在轨道上的端点位于 (a,0)(a,0),且初始静止。同时给电容器 P 侧极板负电荷 −Q0-Q_0、S 侧极板正电荷 +Q0+Q_0 后,棒开始转动,并在充分长时间后趋于恒定角速度。填写下述过程说明中的(ア)~(ウ),棒电阻为 RR。

根据转动运动方程,在任意时刻,棒的角速度 ω(t)\omega(t)(逆时针为正)与电容器 S 侧极板电荷 Q(t)Q(t) 构成守恒量 ω(t)+アQ(t)\omega(t)+\boxed{\text{ア}}Q(t)。经过充分长时间后,角速度 ω∞\omega_\infty 与 S 侧极板电荷 Q∞Q_\infty 满足 Q∞=イQ_\infty=\boxed{\text{イ}}。由此得到 ω∞=ウ\omega_\infty=\boxed{\text{ウ}}。

(7) 对整个系统施加均匀磁场 B(t)=B1sin⁡ω1tB(t)=B_1\sin\omega_1t,以从纸面背面指向正面为正。建立角速度 ω(t)\omega(t) 的微分方程,求任意 t>0t>0 时棒的角速度,以逆时针为正。已知 t=0t=0 时角速度为 ω0\omega_0,电容器无储存电荷,并且棒电阻可以忽略。

Kai​

(1)​

IB0 \begin{aligned} IB_0 \end{aligned}

(2)​

∫0arIB0dr=12a2IB0 \begin{aligned} \int_0^a r IB_0 dr = \frac{1}{2} a^2 IB_0 \end{aligned}

(3)​

12a2ωB0 \begin{aligned} \frac{1}{2} a^2 \omega B_0 \end{aligned}

(4)​

求める電流を II とすると、オームの法則より、

RI=V−12a2ωB0 \begin{aligned} RI = V - \frac{1}{2} a^2 \omega B_0 \end{aligned}

であるから、

I=V−12a2ωB0R \begin{aligned} I = \frac{V - \frac{1}{2} a^2 \omega B_0}{R} \end{aligned}

を得る。

(5)​

角速度が一定ということは、棒にはたらく力のモーメントが 00 、 すなわち、電流が 00 ということである。 よって、求める角速度の大きさを ω1\omega_1 とすると、 (4) より、

12a2ω1B0=V\begin{aligned} \frac{1}{2} a^2 \omega_1 B_0 = V \end{aligned}

であるから、

ω1=2Va2B0\begin{aligned} \omega_1 = \frac{2V}{a^2 B_0} \end{aligned}

を得る。

(6)​

k=a2/2k=a^2/2、棒の慣性モーメント J=λa3/3J=\lambda a^3/3 とおく。QQ は SS 側の電荷なので、放電中の電流は I=−Q˙I=-\dot Q である。

(ア)​

Jω˙=kB0I=−kB0Q˙,ω+kB0JQ=一定.\begin{gathered} J\dot\omega=kB_0I=-kB_0\dot Q,\\ \omega+\frac{kB_0}{J}Q=\text{一定}. \end{gathered}

したがって ア=3B02λa\boxed{\text{ア}=\dfrac{3B_0}{2\lambda a}} である。

(イ)​

定常状態では I=0I=0 なので、コンデンサ電圧と運動起電力が等しく、

Q∞C=kB0ω∞,Q∞=12a2B0Cω∞.\frac{Q_\infty}{C}=kB_0\omega_\infty, \qquad \boxed{Q_\infty=\frac12a^2B_0C\omega_\infty}.

(ウ)​

初期条件と保存量から Jω∞+kB0Q∞=kB0Q0J\omega_\infty+kB_0Q_\infty=kB_0Q_0。よって

ω∞=kB0Q0J+k2B02C=6B0Q04λa+3a2B02C.\boxed{\omega_\infty=\frac{kB_0Q_0}{J+k^2B_0^2C} =\frac{6B_0Q_0}{4\lambda a+3a^2B_0^2C}}.

分母は常に正であり、電荷を失う間に棒が正方向に加速することとも整合する。

(7)​

運動起電力だけを残す近似: 時変磁場による変圧器起電力をさらに無視して Q=kCBωQ=kCB\omega と置くと、Jω˙=−kBQ˙J\dot\omega=-kB\dot Q より

(J+k2CB2)ω˙+k2CBB˙ ω=0.(J+k^2CB^2)\dot\omega+k^2CB\dot B\,\omega=0.

従って ωJ+k2CB2\omega\sqrt{J+k^2CB^2} は一定となり、B(0)=0B(0)=0 を使って

ω(t)=ω01+3aCB124λsin⁡2ω1t\boxed{\omega(t)=\frac{\omega_0} {\sqrt{1+\dfrac{3aCB_1^2}{4\lambda}\sin^2\omega_1t}}}

を得る。この式は上の追加近似の下でのみ成り立つ。

変圧器起電力も扱うなら、棒と固定された回路の戻り線の間の有向角を θ\theta(θ˙=ω\dot\theta=\omega)とする扇形回路モデルでは、Q=kC d(Bθ)/dtQ=kC\,d(B\theta)/dt となる。その場合には

(J+k2CB2)θ¨+2k2CBB˙θ˙+k2CBB¨θ=0(J+k^2CB^2)\ddot\theta +2k^2CB\dot B\dot\theta +k^2CB\ddot B\theta=0

となり、上の角速度式とは異なる。完全な解を定めるには、戻り線と初期角、円環の誘導電流を扱う抵抗・インダクタンスなどのモデルの明確化が必要である。

Reference​