東京工業大学 理学院 地球惑星科学系 2021年8月実施 午前 [3]
Author
Miyake, 祭音Myyura
Description
次の各問いに答えよ。
3-1
行列 A を、実数を成分とする n 行 n 列の行列とする(n は3以上の整数)。行列 A の固有値を λ1,…,λn とし、これらは全て相異なるとする。また、固有値 λi (i=1,…,n) に属する固有ベクトルを xi とする。
このとき、n 個の固有ベクトルは一次独立であることを示したい。次の問いに答えよ。
3-1-1. まず、x1,…,xn−1 は一次独立であるが、xn は独立ではなく、
xn=i=1∑n−1aixi(1)
と表せると仮定してみる。ただし、ai (i=1,…,n−1) は実数の定数であり、少なくとも1つは0でないとする。このとき、Axn を ai,xi,λi (i=1,…,n−1) を用いて表せ。
3-1-2. 前問の仮定が「固有値は全て相異なる」という前提と矛盾していることを示すことにより、x1,…,xn は一次独立であることを示せ。
3-2
次の実関数の積分 I の値を求めたい。ただし、p は実数で −1<p<0 である。
I=∫0∞x+1xpdx(2)
3-2-1. 複素数 z の関数 zp/(z+1) を考える。複素平面上の積分路 C を、図1のように C1,C2,C3,C4 を合わせて設定する。ただし、ϵ と R は積分路の半径を表す実数で、0<ϵ<1、1<R とする。留数定理を用い、次の積分 J の値を求めよ。
J=∮Cz+1zpdz(3)

3-2-2. 積分 I の値を求めよ。ただし、値は実数のみを用いて表すこと。
3-3
確率 p で表、確率 1−p で裏が出るコイン N 枚を一斉に投げて、表が出るか裏が出るかをみる。各々のコインの振る舞いは独立とする。コインに i=1,2,…,N と名前をつけ、i 番目のコインが表なら1、裏なら0という値をとる確率変数 Xi を定義する。
3-3-1. Xi について、期待値 E(Xi)、E(XiXj) (i=j) をそれぞれ求めよ。
3-3-2. 表を向いているコインの総数を n とする。n を Xi を用いて表し、期待値 E(n) と分散 V(n) をそれぞれ求めよ。ここで、X を任意の確率変数とするとき、V(X)=E{(X−E(X))2} である。
3-3-3. 表を向いているコインの総数 n が従う確率分布 f(n) について考える。以下の問いに答えよ。なお、十分に大きな数 M (≫1) に対しては Stirling の公式 logM!∼MlogM−M を用いよ。log は自然対数を表す。
3-3-3-1. f(n) を、場合の数を考えることによって求めよ。
3-3-3-2. N,n がともに十分に大きい(1≪n≪N)とき、f(n) を最大にする n の値 n∗ を求めよ。
3-3-3-3. N,n がともに十分に大きい(1≪n≪N)とき、f(n) はどのような確率分布に近づくか。logf(n) を n=n∗ のまわりで2次の項まで展開し、n−n∗ が標準偏差 D(n)=V(n) 程度の範囲内における f(n) の具体的な形を示して論じよ。
题目描述
回答下列各问。
3-1
设 A 为实数元素的 n×n 矩阵,n≥3 为整数。其特征值 λ1,…,λn 互不相同,属于特征值 λi 的特征向量记为 xi。现要证明这 n 个特征向量线性无关,回答下列问题。
3-1-1. 先假定 x1,…,xn−1 线性无关,而 xn 可写为
xn=i=1∑n−1aixi,
其中实常数 ai (i=1,…,n−1) 至少有一个不为0。用 ai,xi,λi (i=1,…,n−1) 表示 Axn。
3-1-2. 证明上一问的假设与“特征值互不相同”矛盾,由此证明 x1,…,xn 线性无关。
3-2
计算实函数的积分
I=∫0∞x+1xpdx,
其中 p 为满足 −1<p<0 的实数。
3-2-1. 考虑复变函数 zp/(z+1)。如图1,将 C1,C2,C3,C4 合成积分路径 C。ϵ,R 是表示积分路径半径的实数,满足 0<ϵ<1<R。用留数定理计算
J=∮Cz+1zpdz.
图1中 z=reiθ,路径为:C1 上 θ=0,r:ϵ→R;C2 上 r=R,θ:0→2π;C3 上 θ=2π,r:R→ϵ;C4 上 r=ϵ,θ:2π→0。
3-2-2. 计算 I,结果只用实数表示。
3-3
同时投掷 N 枚硬币,每枚以概率 p 出现正面、以概率 1−p 出现反面,且各硬币相互独立。将硬币编号为 i=1,2,…,N,定义 Xi 为第 i 枚硬币正面时取1、反面时取0的随机变量。
3-3-1. 分别求 E(Xi) 和 E(XiXj) (i=j)。
3-3-2. 设正面硬币总数为 n,用 Xi 表示 n,并分别求 E(n) 和 V(n)。任意随机变量 X 的方差定义为 V(X)=E{(X−E(X))2}。
3-3-3. 考虑正面总数 n 的概率分布 f(n),回答以下各问。对充分大的 M≫1 使用 Stirling 公式 logM!∼MlogM−M,其中 log 为自然对数。
3-3-3-1. 通过计数求 f(n)。
3-3-3-2. 当 N,n 均充分大(1≪n≪N)时,求使 f(n) 最大的 n∗。
3-3-3-3. 当 N,n 均充分大(1≪n≪N)时,f(n) 趋近于何种概率分布?将 logf(n) 在 n=n∗ 附近展开到二次项,给出 n−n∗ 处于标准差 D(n)=V(n) 量级范围内时 f(n) 的具体形式,并加以讨论。
Kai
3-1
3-1-1
線形性から Axn=i=1∑n−1aiλixi である。一方、xn は固有値 λn に属するので、Axn=λn∑i=1n−1aixi でもある。
3-1-2
両式を引くと ∑i=1n−1ai(λi−λn)xi=0。仮定した一次独立性と λi=λn により全ての ai=0 となり、仮定に矛盾する。非零ベクトル1本は一次独立なので、この議論を本数について帰納的に適用すれば全ての xi の一次独立性が得られる。
3-2
3-2-1
正実軸を切断した枝で (−1)p=eiπp である。経路内の極は z=−1 のみで、留数は eiπp だから、
J=2πieiπp.
3-2-2
外円の積分は O(Rp)、内円の積分は O(εp+1) なので、それぞれ R→∞, ε→0 で0となる。上下の岸では積分の向きが逆で、zp の値に e2πip の比があるため、
(1−e2πip)I=2πieiπp.
1−e2πip=−2ieiπpsinπp より
I=−sinπpπ.
3-3
3-3-1
E(Xi)E(XiXj)=1⋅p+0⋅(1−p)=p=E(Xi)E(Xj)=p2
3-3-2
nE(n)E(n2)V(n)=i=1∑NXi=i=1∑NE(Xi)=Np=i=1∑NE(Xi2)+i,j (i=j)∑E(XiXj)=Np+N(N−1)p2=E(n2)−E(n)2=Np+N(N−1)p2−N2p2=Np(1−p)
3-3-3
3-3-3-1
f(n)=NCnpn(1−p)N−n=n!(N−n)!N!pn(1−p)N−n
3-3-3-2
g(n)=logf(n) とおくと、
g(n)=logf(n)=logN!−logn!−log(N−n)!+nlogp+(N−n)log(1−p)≃NlogN−nlogn−(N−n)log(N−n)+nlogp+(N−n)log(1−p)(N≫1, n≫1, N−n≫1)
である。
n が実数であるとして導関数を求めると、
g′(n)≃−logn−1+log(N−n)+1+logp−log(1−p)=logn(1−p)(N−n)p
となるので、以下の増減表を得る:
ng′gf0⋯+↗↗Np0⋯−↘↘N
よって、Stirling の主要項を用いた連続変数としての近似では n∗≃Np である。厳密な二項分布の最頻値は ⌊(N+1)p⌋((N+1)p が整数ならその1つ下も最頻値)であり、ここで求めているのはその大標本近似である。
3-3-3-3
3-3-3-2. の g(n) の2階導関数は
g′′(n)≃−n(N−n)N
であり、
g′(n∗)g′′(n∗)=0=−Np(1−p)1
であるから、 g(n) の n=n∗(=Np) のまわりでの2次までのテイラー展開は
g(n)=g(n∗)−2Np(1−p)1(n−Np)2+⋯
である。
正規化定数にも Stirling 近似を用いると、0<p<1 かつ Np,N(1−p)≫1 のもとで、n−Np が Np(1−p) 程度の範囲内において
f(n)∼2πNp(1−p)1e−2Np(1−p)(n−Np)2
と書け、これは期待値 Np 標準偏差 Np(1−p) の正規分布である。
Reference