東京工業大学 工学院 機械系 2019年8月実施 選択専門科目 問題4(流体力学)
Author
祭音Myyura (co-authored with GPT 6 Astra)
Description
一般に複素速度ポテンシャルは,W(z)=ϕ(z)+iψ(z) として表される。ここで,i は虚数単位であり,実部の ϕ(z) は速度ポテンシャル,虚部の ψ(z) は流れ関数を表している。以下に示す二次元複素速度ポテンシャルを考える。
W(z)=z−4iln(z)
ここで,z=x+iy=reiθ である。このとき,以下の問いに答えよ。
(1) 与えられた複素速度ポテンシャルにおいて,速度ポテンシャル ϕ(r,θ) と流れ関数 ψ(r,θ) を示せ。
(2) 任意の位置における半径方向と周方向の速度成分 ur と uθ を求めよ。半径方向速度成分および周方向速度成分は速度ポテンシャルから以下のように表される。
ur=∂r∂ϕ(r,θ),uθ=r1∂θ∂ϕ(r,θ)
(3) x 軸上の3点 x=−2,1,4 における速度ベクトルを,x–y 平面上に各点を始点として図示せよ。ただし,各点での半径方向速度成分と周方向速度成分も,その大きさとともに示すこと。
(4) この流れにおいて,よどみ点(ur=0,uθ=0 を満たす点)の位置を求めよ。なお,よどみ点が存在しない場合には「無」と答えよ。
(5) y 軸上(θ=π/2,3π/2)の6点 y=−4,−2,−1,1,2,8 における速度ベクトルを,上問 (3) と同じように x–y 平面上に各点を始点として図示せよ。
(6) 与えられた複素速度ポテンシャルは,二つのポテンシャル流れの重ね合わせを表している。それぞれどのような流れか答えよ。
図のように,速度 U∞ の一様流中に流れと平行に置かれた平板に沿う二次元定常流れを考える。流体の密度 ρ および粘性係数は一定とし,動粘性係数を ν とする。

この場合の連続の式とナビエ・ストークス方程式は次のように与えられる。
∂x∂u+∂y∂vu∂x∂u+v∂y∂uu∂x∂v+v∂y∂v=0=−ρ1∂x∂p+ν(∂x2∂2u+∂y2∂2u)=−ρ1∂y∂p+ν(∂x2∂2v+∂y2∂2v)⎭⎬⎫(i)
レイノルズ数が大きい場合には,粘性の影響により流れが減速する領域は壁面近くの薄い層となり,その外側は非粘性流れとみなせる。この薄い層を境界層と呼び,式 (i) から,次式が近似的に成り立つ。
∂x∂u2+∂y∂(uv)=ν∂y2∂2u(ii)
境界層厚さを δ(=δ(x)) とし,境界層外縁 y=δ において u=U∞ と近似することとし,以下の問いに答えよ。
(1) 式 (i) から式 (ii) が導かれる過程で,圧力勾配項と粘性項に関してどのような近似が用いられたかを,理由とともに述べよ。
(2) 次の文章中の(①),(②)に適切な数式,(③)に適切な語句を答えよ。
式 (ii) を y=0 から δ(x) まで積分し,壁面で速度ゼロ,および境界層外縁でせん断応力ゼロの条件を用いると次式が導かれる。
∫0δ(x)∂x∂u2dy+[uv]y=δ(x)=−ν[∂y∂u]y=0(iii)
一方,連続の式と壁面で速度ゼロの条件より次式が得られる。
v=−∫0y(①)dy(iv)
よって式 (iii),(iv) から,
∫0δ(x)∂x∂(②)dy=−ν[∂y∂u]y=0(v)
となる。この式をさらに変形して次式を得る。
U∞2dxdθ=ν[∂y∂u]y=0(vi)
ただし,
θ=∫0δ(x)U∞u(1−U∞u)dy
である。ここで θ は(③)と呼ばれる。
(3) 境界層内の速度分布を次のような相似分布で表すこととする。
u(x,y)=U∞f(η)(vii)
ただし,η=y/δ(x) である。この f(η) にはいろいろな関数形が可能であるが,その一つとして次の二次関数を考える。
f(η)=aη2+bη+c(viii)
速度 u についての境界条件を考慮して上式の係数 a,b,c を決定せよ。
(4) 式 (vii) の f(η) として一次関数 f(η)=η とした場合,式 (vi) を用いて δ(x) を求めよ。また局所壁面摩擦応力 τw を求めよ。これらの解答は U∞,ν,ρ,x の中から適当な記号を用いて表すこと。さらに局所壁面摩擦係数 cf を Rex の関数として表せ。ここで Rex は平板先端からの距離 x に基づくレイノルズ数である。
题目描述
问1
复速度势一般可写为 W(z)=ϕ(z)+iψ(z),其中 i 为虚数单位,实部 ϕ(z) 表示速度势,虚部 ψ(z) 表示流函数。考虑二维复速度势
W(z)=z−4iln(z),
其中 z=x+iy=reiθ。回答下列问题。
(1) 给出该复速度势对应的速度势 ϕ(r,θ) 和流函数 ψ(r,θ)。
(2) 求任意位置处的径向和周向速度分量 ur,uθ。两者由速度势表示为
ur=∂r∂ϕ(r,θ),uθ=r1∂θ∂ϕ(r,θ).
(3) 在 x–y 平面上,以 x 轴的 x=−2,1,4 三点各自为起点,画出各处速度向量。同时标出每一点的径向、周向速度分量及其大小。
(4) 求该流动的驻点,即同时满足 ur=0,uθ=0 的点的位置。若不存在驻点,回答“无”。
(5) 对 y 轴(θ=π/2,3π/2)上的 y=−4,−2,−1,1,2,8 六点,与 (3) 相同,在 x–y 平面上以各点为起点画出速度向量。
(6) 给定的复速度势表示两种势流的叠加。回答这两种流动分别是什么。
问2
如图,在速度为 U∞ 的均匀来流中,将平板平行于流向放置,考虑沿平板的二维定常流动。流体密度 ρ 和动力黏度保持恒定,运动黏度为 ν。
此时连续方程和纳维-斯托克斯方程为
∂x∂u+∂y∂vu∂x∂u+v∂y∂uu∂x∂v+v∂y∂v=0=−ρ1∂x∂p+ν(∂x2∂2u+∂y2∂2u)=−ρ1∂y∂p+ν(∂x2∂2v+∂y2∂2v)⎭⎬⎫(i)
雷诺数较大时,由黏性作用导致流动减速的区域局限于壁面附近的一层薄层,其外部可视为无黏流动。该薄层称为边界层,由式 (i) 可近似得到
∂x∂u2+∂y∂(uv)=ν∂y2∂2u(ii).
令边界层厚度为 δ(=δ(x)),并在边界层外缘 y=δ 处取近似 u=U∞。回答下列问题。
(1) 说明由式 (i) 导出式 (ii) 时,对压力梯度项和黏性项分别采用了哪些近似,并说明理由。
(2) 在下文的(①)、(②)中填写恰当的数学式,在(③)中填写恰当的术语。
将式 (ii) 从 y=0 积分到 δ(x),利用壁面速度为零以及边界层外缘剪应力为零的条件,可得
∫0δ(x)∂x∂u2dy+[uv]y=δ(x)=−ν[∂y∂u]y=0(iii).
另一方面,由连续方程和壁面速度为零的条件可得
v=−∫0y(①)dy(iv).
因此,由式 (iii)、(iv) 得到
∫0δ(x)∂x∂(②)dy=−ν[∂y∂u]y=0(v).
进一步变形得到
U∞2dxdθ=ν[∂y∂u]y=0(vi),
其中
θ=∫0δ(x)U∞u(1−U∞u)dy.
这里的 θ 称为(③)。
(3) 将边界层内的速度分布写成如下相似分布:
u(x,y)=U∞f(η)(vii),
其中 η=y/δ(x)。f(η) 可以采用多种函数形式,这里考虑以下二次函数:
f(η)=aη2+bη+c(viii).
考虑速度 u 的边界条件,确定系数 a,b,c。
(4) 当式 (vii) 中采用一次函数 f(η)=η 时,利用式 (vi) 求 δ(x),并求局部壁面摩擦应力 τw。从 U∞,ν,ρ,x 中选用适当符号表示答案。再将局部壁面摩擦系数 cf 表示为 Rex 的函数,其中 Rex 是以距平板前缘的距离 x 为特征长度的雷诺数。
Kai
(1)・(2)
lnz=lnr+iθ を代入すると
ϕ=rcosθ+4θ,ψ=rsinθ−4lnr,
ur=cosθ,uθ=−sinθ+r4.
uθ の正方向は反時計回りである。直交座標では
u=1−x2+y24y,v=x2+y24x((x,y)=(0,0)).
(3)
| 点 | ur | uθ | (u,v) |
|---|
| (−2,0) | −1 | 2 | (1,−2) |
| (1,0) | 1 | 4 | (1,4) |
| (4,0) | 1 | 1 | (1,1) |
(−2,0) では er が左、eθ が下を向くので、ur=−1 の成分は右向きである。
(4)
ur=0 より θ=π/2,3π/2。uθ=0 を満たすのは θ=π/2,r=4 のみ。よって
(x,y)=(0,4).
(5)
| 点 | ur | uθ | (u,v) |
|---|
| (0,−4) | 0 | 2 | (2,0) |
| (0,−2) | 0 | 3 | (3,0) |
| (0,−1) | 0 | 5 | (5,0) |
| (0,1) | 0 | 3 | (−3,0) |
| (0,2) | 0 | 1 | (−1,0) |
| (0,8) | 0 | −1/2 | (1/2,0) |
各成分の大きさは表の値の絶対値である。正の y 軸では eθ は左、負の y 軸では右を向く。


(6)
W=z は x 正方向の速度1の一様流、W=−4ilnz は原点を中心とする反時計回りの自由渦である。W=−iΓlnz/(2π) より循環は Γ=8π。
(1)
境界層が薄いため、y 方向運動方程式から ∂p/∂y≃0。層外は一様な非粘性流れなので圧力が一定であり、層内も ∂p/∂x≃0 とする。また δ≪x より ∣∂2u/∂x2∣≪∣∂2u/∂y2∣ で、流れ方向の粘性拡散を無視する。
連続の式を用いると uux+vuy=(u2)x+(uv)y なので式(ii)が得られる。
(2)
連続の式の積分より
1◯=∂x∂u.
外縁の uv=U∞v(δ) を代入して
2◯=u2−U∞u,3◯=運動量厚さ.
外縁で u2−U∞u=0 なので、可変上端を含む微分でも境界項は消える。∫0δ(u2−U∞u)dy=−U∞2θ より所定の積分式を得る。
(3)
壁面と外縁の条件は f(0)=0,f(1)=1,f′(1)=0。よって
a=−1,b=2,c=0,f(η)=2η−η2.
(4)
線形近似では θ=δ∫01η(1−η)dη=δ/6、uy∣0=U∞/δ。指定された積分方程式から
δdxdδ=U∞6ν.
平板先端で δ(0)=0 として
δ(x)=U∞12νx,τw=ρνδU∞=ρU∞12xνU∞,cf=3Rex1.
線形分布は外縁の勾配ゼロ条件を厳密には満たさないが、ここでは設問で指定された積分近似として用いる。
Reference