東京工業大学 物質理工学院 材料系 2025年度(2024年8月実施)問題I-6
Author
祭音Myyura (Based on ソニア's answer refined with GPT 6 Astra)
Description
(1)
酸・塩基のブレンステッド・ローリーの定義とルイスの定義をそれぞれ説明せよ。
(2)
次の各組を酸性度または塩基性度の強い順に並べ、理由を述べよ。
① 水溶液中の酸性度:H3PO4,H2PO4−,HPO42−。
② 塩基性度:LiOH,NaOH,KOH。
③ 酸性度:SiF4,SiCl4,SiBr4。
(3)
希硫酸水溶液を考える。活量は濃度で近似できるとする。
① 第1段・第2段の酸解離定数 Ka1,Ka2 を、[H2SO4],[HSO4−],[SO42−],[H3O+] で表せ。
② 0.200 molL−1 の硫酸水溶液の [H3O+] は 0.211 molL−1 であった。第1段は完全解離するとして Ka2 を求めよ。
(4)
正八面体配位子場にある d6 配置の3d遷移金属錯体について答えよ。
① 高スピン状態と低スピン状態の3d電子配置を記せ。
② 高スピン状態が低スピン状態より安定となる条件を、エネルギーの観点から説明せよ。
③ 軌道の寄与を無視して、両状態の有効磁気モーメントを μB 単位で求めよ。2=1.41,3=1.73 を用いよ。
④ どちらの状態が自発的にひずみを生じうるか、理由とともに答えよ。
题目描述
(1) 说明布朗斯特–劳里及路易斯的酸碱定义。
(2) 按强弱排序并解释:①水溶液中的 H3PO4,H2PO4−,HPO42− 酸性;② LiOH,NaOH,KOH 的碱性;③ SiF4,SiCl4,SiBr4 的酸性。
(3) 以浓度近似活度,写出硫酸两级酸解离常数。已知 0.200 molL−1 硫酸溶液的水合氢离子浓度为 0.211 molL−1,且第一级完全解离,求第二级解离常数。
(4) 对正八面体配位场中的3d d6 金属配合物:写出高、低自旋电子排布;给出高自旋更稳定的能量条件;忽略轨道贡献求两者有效磁矩,使用 2=1.41,3=1.73;说明哪个状态可能自发畸变及原因。
Kai
(1)
ブレンステッド・ローリー酸はプロトン供与体、塩基はプロトン受容体である。ルイス酸は電子対受容体、塩基は電子対供与体である。
(2)
①
H3PO4>H2PO4−>HPO42−.
解離が進むほど陰イオンの負電荷が増し、さらに正電荷のプロトンを放出することが不利になる。
② カチオンの分極作用とM–OH結合のイオン性に基づく傾向は
KOH>NaOH>LiOH.
イオン半径が小さい Li+ ほどOHの電子雲を強く分極し、M–O結合の共有結合性が大きくなる。ただし、水中で完全解離した同濃度の溶液では、いずれも塩基は OH− であり、水の水平化効果を受ける。上の傾向を、そのまま同濃度水溶液の塩基性の差として扱うことはできない。
③ ハロゲンの電子求引誘起効果だけを考慮するモデルでは、
SiF4>SiCl4>SiBr4
と予測する。Fほど電気陰性度が高く、Siの電子不足を強めるためである。
ただし、ルイス酸性度は相手の塩基・溶媒・付加体形成に伴う構造変化に依存する。条件を指定しない普遍的な順序はない。例えば気相のフッ化物イオン親和力を尺度にすると SiBr4>SiCl4>SiF4 となり、誘起効果だけの予測とは逆になる。
(3)
① 水の活量を省略して、
Ka1=[H2SO4][H3O+][HSO4−],Ka2=[HSO4−][H3O+][SO42−].
② 第2段の解離量は x=0.211−0.200=0.011 molL−1。よって
[SO42−]=0.011,[HSO4−]=0.200−0.011=0.189(molL−1),
Ka2=0.1890.211×0.011≃1.23×10−2 molL−1.
これは濃度商としての値であり、標準濃度で規格化した熱力学的平衡定数は無次元である。
(4)
① 高スピン:t2g4eg2、低スピン:t2g6eg0。
② 配位子場分裂を Δo、電子対を一組作るエネルギーを P とすると、同一の基準で
EHS=−0.4Δo+P,ELS=−2.4Δo+3P.
したがって EHS<ELS の条件は
Δo<P.
③ 高スピンでは不対電子4個で S=2、低スピンでは S=0。スピンのみの磁気モーメントは
μeff=2S(S+1)μB
なので、
μHS=26μB≃2(1.41)(1.73)μB=4.88μB,μLS=0.
④ 高スピン状態。t2g4 は縮退軌道の占有が非対称であり、ひずみによる分裂で低い軌道が優先的に占有され、電子エネルギーを下げられる。低スピン t2g6 は閉殻で、この一次のヤーン・テラー安定化を得ない。
Reference