東京科学大学 物質理工学院 応用化学系 2025年8月実施 問題I-4(高分子科学)
Author
祭音Myyura (co-authored with GPT 6 Astra)
Description
以下の設問(1)および(2)に答えよ.
(1)
以下の文章を読み,問①〜④に答えよ.空欄はア〜クで示す.
多種多様な産業分野で重要な素材である合成高分子の多くは,モノマーを重合して生産されている.合成高分子を生成する重合反応の様式は,[ア]重合および[イ]重合の2つに分類される.[ア]重合では,重合初期にモノマーが消失して[ウ]が生成し,これらが互いに反応することで最終的に高分子になる.[イ]重合では,開始剤から生じる活性種とモノマーが反応してポリマー鎖が成長する.[イ]重合の素反応には[エ],[オ],[カ]や[キ]が含まれるが,[エ]が[オ]に比べて十分速く,[カ]および[キ]が起こらない条件では,分子量が揃ったポリマーが生じる[ク]重合となる.[ク]重合を用いることでブロック共重合体などの精密に構造制御されたポリマーを合成することができる.

図1 重合におけるモノマー(または官能基)の反応率とポリマーの分子量
① 文中の空欄ア〜クに当てはまるもっとも適切な語を,以下の語群から選び答えよ.
語群:縮合,付加,配位,ラジカル,アニオン,カチオン,リビング,連鎖,連続,逐次,オリゴマー,触媒,開始反応,停止反応,連鎖移動反応,成長反応,環化反応
② 重合反応の様式の違いは,モノマーの消費割合(反応率)に対する分子量の関係にもあらわれる(図1).ア,イ,およびクの重合における反応率と生成するポリマーの分子量の関係を示すグラフとして適切なものを図1の(a)〜(c)よりそれぞれ選べ.
③ 合成高分子は,重合度が異なる分子の混合物であり,分子量分布が存在することから,その分子量は平均分子量で表される.重合度とのポリスチレン分子を等モルずつ含む混合物の数平均分子量と重量平均分子量を算出せよ.ただしスチレンの物質量はとし,末端構造は考慮しなくてよい.
④ ジカルボン酸ジクロリドとジアミンからポリアミドを合成する反応について考える.ただし重合反応系内の反応性基の反応性はすべて同一かつ同じ確率で反応し,重合過程において環化物は生成しないものとする.以下の問(i)および(ii)に答えよ.
(i) の重合反応において,反応性官能基の90%が反応したとき(反応率)のポリアミドの数平均重合度はであった.一般的に以上では高分子特有の性質があらわれる.のポリアミドを得るのに必要な反応率の値を求めよ.
(ii) の重合反応において,反応率の場合に分子量分布が2になる理由を,数平均重合度および重量平均重合度と反応率との関係式を用いて3行以内で説明せよ.
(2)
以下の文章を読み,問①〜④に答えよ.下線部をケ〜スで示す.
近年,環境負荷低減の観点から汎用高分子のリサイクル技術や生分解性高分子の開発が注目を集めている.生分解性高分子のうち,代表的なものには**(ケ)ポリ乳酸**,ポリブチレンスクシナート,(コ)ポリ(-カプロラクトン)などの脂肪族ポリエステル,ナイロン4,(サ)ポリビニルアルコールなどがある.また,合成高分子材料のリサイクル技術も開発され,ポリプロピレンや**(シ)ポリスチレンのマテリアルリサイクルや,(ス)ポリエチレンテレフタラート**をモノマーに分解するケミカルリサイクルが行われている.
① 文中の下線部ケ〜スのポリマーの構造式を記せ.ただし,繰り返し単位の構造のみを示し,立体構造および末端構造は書かなくてよい.
② 下線部サの合成法に関する以下の問(i)および(ii)に答えよ.
(i) 下線部サは,工業的には前駆体ポリマーAのけん化により合成される.前駆体ポリマーAの化合物名を答えよ.
(ii) 下線部サは,重合反応により直接合成することはできない.この理由を2行以内で説明せよ.
③ スチレンに-ブチルリチウムを加えるとアニオン重合が進行して下線部シが得られる.しかし,メタクリル酸メチル(MMA)に-ブチルリチウムを加えても重合が進行しづらい.以下の問(i)および(ii)に答えよ.
(i) -ブチルリチウムを用いたスチレンのアニオン重合の開始反応を,化学構造式を用いて示せ.
(ii) MMAに-ブチルリチウムを加えても重合が進行しづらい要因について3行以内で説明せよ.
④ 下線部スのケミカルリサイクルの手法について,以下の問(i)および(ii)に答えよ.
(i) ケミカルリサイクルの代表的な手法について概要を3行程度で説明せよ.
(ii) (i)で解答したケミカルリサイクル法の反応式を必要な試薬を含めて示せ.
题目描述
回答以下(1)、(2)。
(1)
阅读以下文字,回答①〜④。空格以ア〜ク表示。
合成高分子是众多产业领域的重要材料,其中大多数通过单体聚合生产。生成合成高分子的聚合反应方式分为[ア]聚合与[イ]聚合两类。在[ア]聚合中,单体在聚合初期消失并生成[ウ],它们再相互反应,最终成为高分子。在[イ]聚合中,引发剂产生的活性种与单体反应,使聚合物链增长。[イ]聚合的基元反应包括[エ]、[オ]、[カ]和[キ];当[エ]比[オ]快得多,且不发生[カ]和[キ]时,就成为生成分子量均一聚合物的[ク]聚合。利用[ク]聚合,可以合成嵌段共聚物等结构得到精确控制的聚合物。
图1表示聚合中单体(或官能团)的反应率与聚合物分子量的关系。
① 从以下词群中选出最合适的词语,填入文中的ア〜ク。
词群:缩合、加成、配位、自由基、阴离子、阳离子、活性、链式、连续、逐步、低聚物、催化剂、引发反应、终止反应、链转移反应、链增长反应、成环反应。
② 聚合方式的差异也反映在分子量与单体消耗比例(反应率)的关系上(图1)。从图1的(a)〜(c)中,分别选出适合表示ア、イ、ク三种聚合中反应率与所得聚合物分子量关系的曲线。
③ 合成高分子是不同聚合度分子的混合物,存在分子量分布,因此用平均分子量表示。对于含有等物质的量的聚合度和的聚苯乙烯分子的混合物,计算数均分子量和重均分子量。取苯乙烯的摩尔质量为,无需考虑端基结构。
④ 考虑由二羧酸二酰氯和二胺合成聚酰胺的反应。假设聚合体系中所有反应性基团的反应性相同、反应概率相同,且聚合过程中不生成环状物。回答(i)、(ii)。
(i) 在的聚合反应中,当90%的反应性官能团发生反应(反应率)时,聚酰胺的数均聚合度为。一般当时,便表现出高分子特有的性质。求获得的聚酰胺所需的反应率。
(ii) 在的聚合反应中,利用数均聚合度、重均聚合度与反应率的关系式,在3行以内解释为何时分子量分布为2。
(2)
阅读以下文字,回答①〜④。下划线部分以ケ〜ス标记。
近年来,为减轻环境负荷,通用高分子回收技术及生物可降解高分子的开发受到关注。代表性的生物可降解高分子包括**(ケ)聚乳酸**、聚丁二酸丁二醇酯、(コ)聚(-己内酯)等脂肪族聚酯,以及尼龙4、(サ)聚乙烯醇等。此外,合成高分子材料的回收技术也在发展,例如对聚丙烯和**(シ)聚苯乙烯进行材料回收,以及将(ス)聚对苯二甲酸乙二醇酯**分解为单体的化学回收。
① 写出文中ケ〜ス所标记聚合物的结构式。只需写出重复单元,无需表示立体结构及端基结构。
② 回答有关サ的合成方法的(i)、(ii)。
(i) 工业上通过前体聚合物A的皂化合成サ。写出前体聚合物A的化合物名称。
(ii) サ不能直接通过聚合反应合成。在2行以内说明原因。
③ 向苯乙烯加入正丁基锂,会发生阴离子聚合并得到シ;但向甲基丙烯酸甲酯(MMA)加入正丁基锂,聚合却难以进行。回答(i)、(ii)。
(i) 用化学结构式表示以正丁基锂引发苯乙烯阴离子聚合的引发反应。
(ii) 在3行以内说明向MMA加入正丁基锂后聚合难以进行的原因。
④ 回答有关ス的化学回收方法的(i)、(ii)。
(i) 用约3行概述一种有代表性的化学回收方法。
(ii) 写出(i)所答化学回收方法的反应式,包含所需试剂。
Kai
(1)
①
| 空欄 | 解答 |
|---|---|
| ア | 逐次 |
| イ | 連鎖 |
| ウ | オリゴマー |
| エ | 開始反応 |
| オ | 成長反応 |
| カ | 停止反応 |
| キ | 連鎖移動反応 |
| ク | リビング |
カとキは入れ替えてもよい。
②
| 重合 | グラフ |
|---|---|
| ア:逐次重合 | (c) |
| イ:連鎖重合 | (a) |
| ク:リビング重合 | (b) |
連鎖重合では低反応率でも高分子量の鎖が生じる。リビング重合では鎖数がほぼ一定のまま成長するため、分子量は反応率に比例する。逐次重合では高分子量化に非常に高い反応率を要する。
③
二成分の分子量は 、。等モル混合なので分子数も等しく、
モル質量としての単位は である。
④
(i) 等量の二官能性モノマーの理想重縮合では、Carothersの式より
(ii) 末端の寄与を無視した理想分布では、
では両平均重合度が発散するため、「2」は完全反応に近づく極限値である。
(2)
①
繰り返し単位は次のとおり。Phはフェニル基を表し、PETの二つのカルボニル基はベンゼン環のパラ位に結合する。
ケ:ポリ乳酸(PLA)
コ:ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)
サ:ポリビニルアルコール(PVA)
シ:ポリスチレン(PS)
ス:ポリエチレンテレフタラート(PET)
②
(i) ポリ酢酸ビニル(PVAc)。
(ii) 対応するモノマーであるビニルアルコールは不安定で、ケト–エノール互変異性によりアセトアルデヒドとなるため、通常の直接重合には用いられない。
③
(i) ブチル基がスチレンの末端炭素へ付加し、ベンジル位にカルバニオンを生じる。
(ii) -BuLiは求核性が高く、MMAのエステルのカルボニル炭素も攻撃する。この副反応がビニル基への付加と競合して開始剤を消費するため、目的のアニオン重合が進みにくい。
④
(i) **グリコリシス(グリコール分解)**を用いる。PETを過剰のエチレングリコールと触媒(例:酢酸亜鉛)の存在下で加熱し、エステル交換によって解重合する。得られるテレフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)(BHET)を回収・精製し、再重縮合してPETに戻す。
(ii) 末端基の寄与を省略した反応式を示す。エチレングリコールを過剰に用いることで、平衡をBHET生成側へ移す。