東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 2024年8月実施 問題I-4(高分子科学)
Author
祭音Myyura (Based on ソニア's answer refined with GPT 6 Astra)
Description
以下の設問(1)〜(3)に答えよ.
(1)
以下の文章を読み,問①〜③に答えよ.空欄はア〜ケで示す.
全世界の熱可塑性プラスチックの生産量は,増加の一途を辿っている.生産量が最も多いものは,ポリエチレン(PE)であり,(下線コ)PEはその性質から低密度ポリエチレン(LDPE)と高密度ポリエチレン(HDPE)に分類される.一般に,LDPEは[ア],HDPEは[イ]により製造されている.次に生産量が多いのは[ウ]であり,[エ]により製造されている.市販の[ウ]には,(下線サ)イソタクチックおよびシンジオタクチックの立体規則性をもつものがある.そして,[オ]と[カ]が続き,これらはいずれも[キ]により製造されている.[オ]は,上下水道や電線といった建材にも使われ,[カ]は,食品容器や緩衝材などにも使われている.最後に,繊維や飲料ボトルとして使用される[ク]が挙げられる.[ク]は,[ケ]により製造されており,モノマーへの分解も可能であることから,リサイクルが最も進んでいるプラスチックでもある.以上の熱可塑性プラスチックで,全生産量の約4分の3を占めている.
語群:重付加,アニオン重合,カチオン重合,ラジカル重合,開環重合,配位重合,重縮合,ポリ塩化ビニル,ポリメタクリル酸メチル,ポリスチレン,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニリデン,ナイロン,ポリエチレンテレフタラート,ポリ乳酸
① ア〜ケにあてはまるもっとも適切な語句を,語群の中から選び答えよ.ただし,同じ語句を繰り返し用いてもよい.
② 下線コにあるLDPEとHDPEについて,高分子の一次構造はどのような違いがあるか.また,それによって,結晶化度,融点,およびフィルム状態での透明性はそれぞれどのような違いが生じるか,合わせて3行以内で簡潔に述べよ.
③ 下線サにある二つの立体規則性をもつ[ウ]は,それぞれどのような化学構造をもつか,立体構造がわかるように記せ.
(2)
以下のA〜Dに示す四つの重合反応について,問①〜④に答えよ.
| 重合 | 条件 |
|---|---|
| A | における2,2′-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)による酢酸ビニルの重合 |
| B | におけるジフェニルカーボナートとビスフェノールAの重合 |
| C | におけるsec-ブチルリチウムによるスチレンの重合 |
| D | における三フッ化ホウ素エーテル錯体による3-メチル-1-ブテンの重合 |
① Aの重合について,AIBNの構造式を示し,そこから活性種が生じる反応を電子の流れを表す曲がった矢印を用いて記せ.
② A〜Dの重合によって生成するポリマーの構造式をそれぞれ示せ.ただし,ポリマーの構造は主となる繰り返し単位のみを記し,末端は無視してよい.
③ A〜Dの重合の反応機構について,以下の(シ)〜(タ)よりもっとも適切なものをそれぞれ一つずつ選択せよ.
(シ)重縮合,(ス)ラジカル重合,(セ)カチオン重合,(ソ)アニオン重合,(タ)重付加
④ A〜Dの重合の説明について,以下の(チ)〜(ナ)よりもっとも適切なものをそれぞれ一つずつ選択せよ.
- (チ)このモノマーは,成長反応が解重合との平衡になる天井温度が一般的なモノマーよりも低いため,高重合体は得られにくい.
- (ツ)この重合で得られるポリマーは,1〜3%の頭—頭結合を含む主鎖構造に加えて,ポリマーへの連鎖移動による枝分かれ構造を含んでいる.
- (テ)この重合をさらに高温で行うと,活性種の-プロトン脱離により連鎖移動反応が起こりやすいため,高重合体は得られにくい.
- (ト)この重合では,主鎖結合の生成と開裂が平衡状態にあり,結合生成に伴う脱離成分を反応系から除去しないと高重合体は得られにくい.
- (ナ)この重合は,副反応を起こしにくく,リビング重合と呼ばれ,狭い分子量分布のポリマーが得られる.
(3)
次に示す重合反応に関して,化合物E〜Iおよび中間体のポリマーJの構造式をそれぞれ記せ.ただし,ポリマーの構造を答える際には,繰り返し単位のみを示し,末端は無視してよい.



题目描述
回答以下(1)〜(3).
(1)
阅读以下文字,回答①〜③。空格以ア〜ケ表示。
全世界热塑性塑料的产量持续增长。产量最大的是聚乙烯(PE),(下划线コ)PE按性质分为低密度聚乙烯(LDPE)和高密度聚乙烯(HDPE)。一般而言,LDPE通过[ア]制造,HDPE通过[イ]制造。产量第二大的是[ウ],通过[エ]制造。市售的[ウ]中有具有**(下划线サ)等规及间规立构规整性**的品种。接下来是[オ]和[カ],二者均通过[キ]制造。[オ]也用于给排水管、电线等建筑材料,[カ]也用于食品容器、缓冲材料等。最后还有用于纤维和饮料瓶的[ク]。[ク]通过[ケ]制造,且可分解为单体,因此也是回收利用发展最充分的塑料。以上热塑性塑料合计约占总产量的四分之三。
词群:聚加成、阴离子聚合、阳离子聚合、自由基聚合、开环聚合、配位聚合、缩聚、聚氯乙烯、聚甲基丙烯酸甲酯、聚苯乙烯、聚丙烯、聚偏二氯乙烯、尼龙、聚对苯二甲酸乙二醇酯、聚乳酸。
① 从词群中选出最合适的词语填入ア〜ケ。同一词语可重复使用。
② 对下划线コ中的LDPE和HDPE,说明其高分子一级结构有何差异,以及这些差异分别使结晶度、熔点、薄膜状态的透明性产生何种差异。合计用不超过3行简洁叙述。
③ 分别画出具有下划线サ所述两种立构规整性的[ウ]的化学结构,要求能辨认其立体结构。
(2)
对以下A〜D四种聚合反应,回答①〜④。
| 聚合 | 条件 |
|---|---|
| A | 在下,以2,2′-偶氮二异丁腈(AIBN)引发乙酸乙烯酯聚合 |
| B | 在下,使碳酸二苯酯与双酚A聚合 |
| C | 在下,以仲丁基锂引发苯乙烯聚合 |
| D | 在下,以三氟化硼乙醚配合物引发3-甲基-1-丁烯聚合 |
① 对聚合A,画出AIBN结构式,并用表示电子流动的弯箭头写出从AIBN产生活性种的反应。
② 分别画出A〜D聚合所得聚合物的结构式。只需画出主要重复单元,可忽略端基。
③ 对A〜D的聚合机理,分别从下列(シ)〜(タ)中选出一个最合适的选项。
(シ)缩聚,(ス)自由基聚合,(セ)阳离子聚合,(ソ)阴离子聚合,(タ)聚加成。
④ 对A〜D的聚合过程,分别从下列(チ)〜(ナ)中选出一个最合适的说明。
- (チ)该单体链增长与解聚达到平衡的上限温度比一般单体低,因而不易得到高聚物。
- (ツ)所得聚合物的主链中含有1〜3%的头—头连接,此外还含有向聚合物链转移形成的支化结构。
- (テ)若在更高温度下进行聚合,活性种容易经-质子消除发生链转移,因而不易得到高聚物。
- (ト)该聚合中主链化学键的生成和断裂处于平衡;若不从反应体系中移除成键时脱除的组分,就不易得到高聚物。
- (ナ)该聚合不易发生副反应,称为活性聚合,可得到分子量分布较窄的聚合物。
(3)
对上图所示聚合反应,分别画出化合物E〜I以及中间聚合物J的结构式。回答聚合物结构时只需画出重复单元,可忽略端基。图中条件依次为催化剂/;极性溶剂中、高温;室温后再于加热。
Kai
(1)
①
| 空欄 | 解答 |
|---|---|
| ア | ラジカル重合 |
| イ | 配位重合 |
| ウ | ポリプロピレン |
| エ | 配位重合 |
| オ | ポリ塩化ビニル |
| カ | ポリスチレン |
| キ | ラジカル重合 |
| ク | ポリエチレンテレフタラート(PET) |
| ケ | 重縮合 |
②
LDPEには短鎖・長鎖の分岐が多く、HDPEはほぼ直鎖状である。LDPEは分岐で規則的充填が妨げられるため、HDPEより結晶化度と融点が低い。一般に同程度の膜厚・成形条件では、結晶による光散乱の少ないLDPEフィルムの透明性が高い。
③
同じ配向の主鎖に対し、Meが同じ側に規則的に並ぶのがアイソタクチック、交互の側に並ぶのがシンジオタクチックである。
(2)
①
二つのC–N結合を均等開裂し、2個の2-シアノ-2-プロピルラジカルとNを生じる。各C–N結合の一電子はCへ、もう一電子は新しいN–Nのπ結合へ移る。図の片矢印は一電子移動を表す。
②
主な繰り返し単位は次のとおり。
A
B
C
D
③・④
| 重合 | ③ 機構 | ④ 説明 |
|---|---|---|
| A | ス:ラジカル重合 | ツ |
| B | シ:重縮合 | ト |
| C | ソ:アニオン重合 | ナ |
| D | セ:カチオン重合 | テ |
Aでは頭–頭結合と連鎖移動による分岐が生じる。Bは生成するフェノールを除去して平衡を進める。Cでは不純物やプロトン源を排除するとリビング性を示す。Dでは付加直後の第二級カチオンが1,2-ヒドリド移動により第三級カチオンへ転位して成長し、高温ではβ-H脱離・連鎖移動が競争する。
(3)
- E:2,6-ジメチルフェノール。酸化的カップリングによりポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンオキシド)となる。
- F:1,4-ジクロロベンゼン、G:NaS。求核芳香族置換によりポリ(p-フェニレンスルフィド)となる。
- H:ピロメリット酸二無水物。ベンゼン-1,2,4,5-テトラカルボン酸の1,2位および4,5位がそれぞれ環状酸無水物をつくる。
- I:4,4′-オキシジアニリン、。
- J:ポリアミック酸。一つの結合方向を選んだ繰り返し単位は下式であり、中央ベンゼンの1,4位に主鎖のCO基、2,5位にCOOH基が結合する。
室温ではアミンが酸無水物を開環してアミド・カルボン酸対をつくる。300 °Cで各対が脱水環化して二つのイミド環となり、繰り返し単位あたり2分子の水を失う。