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東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 2024年度(2023年8月実施)問題I-2

Author​

祭音Myyura (Based on ソニア's answer refined with GPT 6 Astra)

Description​

(1)​

3d金属Mとドナー性配位子Lからなる八面体形錯体 [ML6]n+[\mathrm{ML_6}]^{n+} を考える。対称適合線形結合(SALC)は分子の対称性に適合する配位子軌道の組合せであり、図1には A1g,T1u,EgA_{1g},T_{1u},E_g を、図2には錯体構造と座標軸を示す。

図1 八面体形に配置された配位子のSALC

図2 錯体構造と座標軸

A1gA_{1g} のSALCと最も強く相互作用する金属軌道は【ア】、T1uT_{1u} に対しては【イ】である。3d軌道のうち【ウ】の対称性は EgE_g に一致する。中心金属まわりの価電子総数が18なら、【エ】性の t2gt_{2g} 軌道まで占有され、これがHOMOとなる。d軌道と σ\sigma ドナー配位子の相互作用が強いと eg∗e_g^* は【i】なり、HOMO–LUMOギャップは【ii】なる。[M(CO)6]n+[\mathrm{M(CO)_6}]^{n+} ではCOの π∗\pi^* 軌道も金属の【オ】軌道と相互作用し、ギャップが変化する。

① ア~オを以下から選べ。複数の軌道が該当する場合はすべて答えよ。

3s,4s,5s,3p,4p,5p,3d,4d,5d,dxy,dyz,dzx,dx2−y2,dz23s,4s,5s,3p,4p,5p,3d,4d,5d,d_{xy},d_{yz},d_{zx},d_{x^2-y^2},d_{z^2}、結合、反結合、非結合。

② i・iiの組合せを選べ:A(高く・大きく)、B(高く・小さく)、C(低く・大きく)、D(低く・小さく)。

③ 中性 [M(CO)6][\mathrm{M(CO)_6}] が18電子錯体となる3d金属を答えよ。

④ COの π∗\pi^* との相互作用が【オ】軌道のエネルギーに与える影響を2行程度で説明せよ。

⑤ ドナー配位子 L′\mathrm{L'} の存在下、紫外光照射によって [M(CO)6]n+[\mathrm{M(CO)_6}]^{n+} から [M(CO)5L′]n+[\mathrm{M(CO)_5L'}]^{n+} が得られる。CO脱離が促進される理由を、分子軌道に基づき3行程度で説明せよ。

⑥ 中性 [M(CO)6][\mathrm{M(CO)_6}] をアセトニトリル中で加熱すると、[M(CO)3(CH3CN)3][\mathrm{M(CO)_3(CH_3CN)_3}] の幾何異性体が1種類だけ選択的に得られた。金属まわりの立体構造がわかるように生成物を図示せよ。

(2)​

ホウ素化合物 BX3\mathrm{BX_3} について答えよ。

① XがHの場合には二量体ジボランを作る。正しい構造を (i)~(iv) から選べ。

ジボランの構造の選択肢

② 単量体 BF3\mathrm{BF_3} のB原子の混成様式を、原子価結合理論に基づいて答えよ。

③ BBr3\mathrm{BBr_3} が BF3\mathrm{BF_3} より強いルイス酸である理由を3行程度で説明せよ。

题目描述​

(1) 对八面体配合物 [ML6]n+[\mathrm{ML_6}]^{n+},图1为配体SALC,图2为坐标约定。填出与 A1g,T1u,EgA_{1g},T_{1u},E_g 匹配的金属轨道、纯σ作用下18电子配合物HOMO的成键性质,以及与CO的 π∗\pi^* 相互作用的d轨道。选择增强σ作用对 eg∗e_g^* 及HOMO–LUMO间隔的影响。求中性18电子 M(CO)6\mathrm{M(CO)_6} 的3d金属;解释CO π受体作用和紫外光促进CO脱离的原因;画出在乙腈中加热所得三乙腈三羰基配合物的选择性生成异构体。

(2) 从四图中选出乙硼烷结构;给出单体 BF3\mathrm{BF_3} 中B的杂化方式;解释 BBr3\mathrm{BBr_3} 的路易斯酸性强于 BF3\mathrm{BF_3} 的原因。

Kai​

(1)​

①

空欄解答
ア4s4s
イ4p4p
ウdx2−y2,dz2d_{x^2-y^2},d_{z^2}
エ非結合
オdxy,dyz,dzxd_{xy},d_{yz},d_{zx}

同じ対称性の金属軌道とSALCが相互作用する。純粋な σ\sigma 配位子場では t2gt_{2g} に対応するSALCがなく、この組は非結合性となる。

② A。相互作用が強いほど結合性・反結合性軌道の分裂が大きくなり、反結合性 eg∗e_g^* が上昇する。

③ COは中性2電子供与配位子なので、N+6×2=18N+6\times2=18 より金属は6族。3d金属では Cr である。

④ 金属の t2gt_{2g} と、より高いエネルギーにあるCOの空の π∗\pi^* が相互作用すると、金属成分の大きい結合性軌道が元のd軌道より安定化する。そのためHOMOが低下し、HOMO–LUMOギャップが広がる。

⑤ 光励起によって、金属–CO間の π\pi 結合性を持つ占有軌道から σ\sigma 反結合性 eg∗e_g^* へ電子が移る。π\pi 逆供与の減少と反結合性軌道の占有が金属–CO結合を弱め、COが脱離しやすくなる。

⑥ fac異性体。3個のCOは互いにcis、3個のアセトニトリルも互いにcisで、各組が八面体の一つの面を占める。アセトニトリルはNで配位する。

fac型三羰基三アセトニトリル錯体

(2)​

① (iii)。4個の末端Hと2個の架橋Hを持つ。架橋B–H–B結合は三中心二電子結合である。

② sp2sp^2 混成。B–Fの三つの σ\sigma 結合は平面三角形を形成する。

③ Fの孤立電子対からBの空の 2p2p 軌道への 2p2p–2p2p の π\pi 供与は、Brの 4p4p からの供与より有効で、Bの電子不足を緩和する。塩基付加による構造変化ではこの安定化を失うため、BF3\mathrm{BF_3} は BBr3\mathrm{BBr_3} より電子対を受け入れにくい。

Reference​