北海道大学 情報科学院 情報科学専攻 メディアネットワークコース 2022年8月実施 専門科目1 [1] 応用数学
Author
祭音Myyura
Description
1-1
次の行列 A,B について,以下の問いに答えよ。ただし,a は実数である。
A=(3a+2(a−2)3(a−2)3a+6),B=(133−1)
(1) 行列 B の固有値と固有ベクトルを全て求めよ。
(2) a の値によらず,
AAB=ABA=BAA
が成り立つことを示せ。
1-2
3 次元ベクトル関数
v(x,y,z)=xyix+8yiy−2z(z+1)iz
について,次の問いに答えよ。ただし,ix,iy,iz は x,y,z 方向の単位ベクトルである。
(1) ベクトル関数 v の発散
f(x,y,z)=∇⋅v
を求めよ。ただし,
∇=∂x∂ix+∂y∂iy+∂z∂iz
である。
(2) (1) で求められたスカラー関数 f(x,y,z) を,直交座標表示 (x,y,z) から円筒座標表示 (r,θ,z) に変換せよ。ただし,xy 平面上の x=y=0 を中心としたときの動径距離,すなわち半径を r (r≥0) とし,方位角 θ (0≤θ≤2π) は x 軸上の正の方向で θ=0 となるように定めるものとする。
(3) 円錐面
S0: r=−z(−1≤z≤0)
および,底面
S1: r≤1(z=−1)
から成る閉曲面 S について考える。
ベクトル関数 v の面 S に関する法線面積分を計算すると,面 S 上の単位法線ベクトル n を用いて,
∬Sv⋅ndS=mπ
と表せる。ここで,m は整数である。m の値を求めよ。
ただし,式の左辺はガウスの発散定理と,(2) で得られた円筒座標表示のスカラー関数 f(r,θ,z) を用いて,次のような体積積分に変形できることを用いてもよい。
∬Sv⋅ndS=∫z=−1z=0∫r=0r=−zr∫θ=0θ=2πf(r,θ,z)dθdrdz
Kai
1-1
(1)
行列 B の固有値を求める。
det(B−λI)=1−λ33−1−λ
=(1−λ)(−1−λ)−3
=λ2−1−3=λ2−4
したがって,
λ2−4=0
より,
λ=2, −2
である。
固有値 λ=2 のとき
B−2I=(−133−3)
より,
−x+3y=0
したがって,
である。よって,固有ベクトルは
(31)
の実数倍である。
λ=2,v=c(31)(c=0)
固有値 λ=−2 のとき
B+2I=(3331)
より,
3x+3y=0
したがって,
である。よって,固有ベクトルは
(1−3)
の実数倍である。
λ=−2,v=c(1−3)(c=0)
(2)
行列 A は,単位行列 I と行列 B を用いて表すことができる。
B=(133−1)
なので,
(2a+4)I+(a−2)B
を計算すると,
(2a+4)I+(a−2)B=(2a+4002a+4)+(a−2(a−2)3(a−2)3−(a−2))
=(3a+2(a−2)3(a−2)3a+6)=A
である。したがって,
A=(2a+4)I+(a−2)B
である。
ここで,単位行列 I は任意の行列と可換であり,また B は自分自身と可換であるから,
が成り立つ。
よって,
であり,AB=BA より,
AAB=A(AB)=A(BA)=ABA
また,
ABA=(AB)A=(BA)A=BAA
である。
したがって,
AAB=ABA=BAA
が a の値によらず成り立つ。
1-2
(1)
f(x,y,z)=∇⋅v=∂x∂(xy)+∂y∂(8y)+∂z∂{−2z(z+1)}=y+8−2{(z+1)+z}=y−4z+6
したがって,
f(x,y,z)=y−4z+6
である。
(2)
円筒座標では,
x=rcosθ,y=rsinθ
であるから,
f(r,θ,z)=rsinθ−4z+6
したがって,
f(r,θ,z)=rsinθ−4z+6
である。
(3)
式④より,
∬Sv⋅ndS=∫−10∫0−zr∫02πf(r,θ,z)dθdrdz=∫−10∫0−zr∫02π(rsinθ−4z+6)dθdrdz
ここで,
∫02πrsinθdθ=0
であるから,
∬Sv⋅ndS=2π∫−10∫0−zr(−4z+6)drdz=2π∫−10(−4z+6)[2r2]0−zdz=π∫−10(−4z+6)z2dz=π∫−10(−4z3+6z2)dz=π[−z4+2z3]−10=3π
したがって,
∬Sv⋅ndS=mπ=3π
より,
である。