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一橋大学 経済学研究科 2022年度 統計学・計量経済学 第2題 3

Author

祭音Myyura (co-authored with GPT 5.6 SOL)

Description

以下の (a) から (e) のすべてに答えよ。導出過程は省略しないこと。

次の1期間二項モデルを考える。時点0では S0=100,B0=1S_0=100, B_0=1 である。

状態確率S1S_1B1B_1
ω1\omega_11/21/2140140RR
ω2\omega_21/21/29090RR

(a)

R=1.4R=1.4 のとき、裁定機会が存在することを示せ。

(b)

以下では R=1.1R=1.1 とする。各状態の状態価格を求めよ。

(c)

(b)の結果を用いて、時点1を満期とするアット・ザ・マネーの コール・オプションとプット・オプションの現在価値を求めよ。

(d)

(c)においてプット・コール・パリティが成立することを確認せよ。

(e)

利得関数を gg とする派生証券を考える。gg が狭義単調増加ならば、 原証券と派生証券のリスクの市場価格が一致することを示せ。

Kai

(a)

安全証券を100単位買い、株式を1単位空売りする。初期費用は 100100=0100-100=0、 満期利得は

100RS1=140S1={0,ω1,50,ω2.100R-S_1=140-S_1= \begin{cases} 0,&\omega_1,\\ 50,&\omega_2. \end{cases}

よって裁定機会である。

(b)

状態価格を q1,q2q_1,q_2 とする。安全証券と株式の価格より

1=1.1(q1+q2),100=140q1+90q2.1=1.1(q_1+q_2),\qquad 100=140q_1+90q_2.

したがって

q1=411,q2=611.\boxed{q_1=\frac4{11},\qquad q_2=\frac6{11}}.

(c)

行使価格は K=S0=100K=S_0=100 である。コールの利得は (40,0)(40,0)、 プットの利得は (0,10)(0,10) なので

C0=40q1=16011,P0=10q2=6011.\boxed{C_0=40q_1=\frac{160}{11}},\qquad \boxed{P_0=10q_2=\frac{60}{11}}.

(d)

C0P0=10011=1001001.1=S0KR.C_0-P_0=\frac{100}{11} =100-\frac{100}{1.1} =S_0-\frac KR.

よってプット・コール・パリティが成立する。

(e)

価格 Z0Z_0、満期価値 Z1Z_1 の証券について

λ(Z)=E[Z1]RZ0sd(Z1)\lambda(Z)=\frac{E[Z_1]-RZ_0}{\operatorname{sd}(Z_1)}

とおく。gu=g(140), gd=g(90)g_u=g(140),\ g_d=g(90) とする。2状態だけなので

g(S1)=a+bS1,b=gugd50>0g(S_1)=a+bS_1,\qquad b=\frac{g_u-g_d}{50}>0

と書ける。この派生証券の価格を G0G_0 とすると、複製価格は

G0=aR+bS0.G_0=\frac aR+bS_0.

したがって

E[g(S1)]RG0=b{E[S1]RS0},sd(g(S1))=bsd(S1).E[g(S_1)]-RG_0=b\{E[S_1]-RS_0\},\qquad \operatorname{sd}(g(S_1))=b\operatorname{sd}(S_1).

ゆえに

E[g(S1)]RG0sd(g(S1))=E[S1]RS0sd(S1)=11511025=15.\frac{E[g(S_1)]-RG_0}{\operatorname{sd}(g(S_1))} =\frac{E[S_1]-RS_0}{\operatorname{sd}(S_1)} =\frac{115-110}{25}=\boxed{\frac15}.

両者のリスクの市場価格は一致する。

Reference