中央大学 理工学研究科 情報工学専攻 2025年2月実施 一般入試(春季)問題V
Author
祭音Myyura (co-authored with GPT 6 Astra)
Description
問題 I は必答。問題 II~V のうち、2 問を選んで解答すること。
問題 V. 限られた医療資源下で感染者三人を治療する状況を想定し、真理値が 0 以上 1 以下の実数をとりえる多値論理に基づき治療の優先順位を決めることを考える。そのため、自然言語で記述された命題を、原子論理式として h:感染者は重症者 H である、ℓ:感染者は軽症者 L である、m:感染者は別の軽症者 M である、s:感染者は生存する、t:感染者は治療対象である、のようにモデル化する。
否定を ¬、連言を ∧、選言を ∨、述語表現を [ ] と記すとき、① s[h∧¬t]=0、すなわち、治療されない H は生存しない一方、② s[h∧t]=0.1、すなわち、治療される H は生存する可能性が 1 割あるとする。③ s[ℓ∧¬t]=0.6 および ④ s[m∧¬t]=0.6、すなわち、治療されない L でも M でも生存する可能性が 6 割ある一方、⑤ s[ℓ∧t]=1 および ⑥ s[m∧t]=1、すなわち、治療される L や M は確実に生存するとする。
また、医療資源には限りがあるので、⑦ ((ℓ∧t)∨(m∧t))[h∧t]=0、すなわち、H への治療があるなら L にも M にも治療はないことを意味する一方、⑧ (h∧t)[ℓ∧t]=0 および ⑨ (h∧t)[m∧t]=0、すなわち、L や M への治療があるなら H への治療はないことを意味する。さらに、倫理的には ⑩ t[¬t→¬s]=1、すなわち、治療されなければ生存できない感染者は治療されるべき一方、⑪ s=1、すなわち、感染者は誰でも生存すべきである。
論理式 ①~⑪ をなるべく満たすような原子論理式 h,ℓ,m,s,t に対し次の場合分けが考えられる。
- t[h]≥max{t[ℓ],t[m],0.5} の場合、H を治療後、L も M も治療しない。この場合の期待生存者数は 0.1+0.6×2=1.3 である。
- t[ℓ]>t[h]≥max{t[m],0.5} の場合、L を治療後、完遂できなくとも H の治療を試みる。この場合の期待生存者数は 1.6 である。
- t[m]>t[h]≥max{t[ℓ],0.5} の場合、M を治療後、完遂できなくとも H の治療を試みる。この場合の期待生存者数も 1.6 である。
- t[ℓ]≥t[m]>max{t[h],0.5} の場合、L を治療後、M を治療する。この場合の期待生存者数は最良の 2 である。
- t[m]>t[ℓ]>max{t[h],0.5} の場合、M を治療後、L を治療する。この場合の期待生存者数も 2 である。
同様な要領で、その他の場合を列挙せよ。さらに、各場合が上述のいずれかの場合と似ているときは、違いも述べよ。
题目描述
问题 I 为必答题;从问题 II~V 中选择 2 题作答。
问题 V
设想在医疗资源有限时治疗三位感染者,依据真值可以取 [0,1] 内实数的多值逻辑决定治疗优先顺序。将自然语言命题建模为以下原子公式:h 表示“感染者是重症者 H”,ℓ 表示“感染者是轻症者 L”,m 表示“感染者是另一位轻症者 M”,s 表示“感染者存活”,t 表示“感染者是治疗对象”。
用 ¬,∧,∨ 分别表示否定、合取、析取,用 [ ] 表示谓词表达。
① s[h∧¬t]=0:未治疗的 H 不会存活;② s[h∧t]=0.1:接受治疗的 H 有一成可能存活。③ s[ℓ∧¬t]=0.6、④ s[m∧¬t]=0.6:未治疗的 L、M 均有六成可能存活。⑤ s[ℓ∧t]=1、⑥ s[m∧t]=1:接受治疗的 L、M 一定存活。
医疗资源有限,因此 ⑦ ((ℓ∧t)∨(m∧t))[h∧t]=0,即如果治疗 H,则不治疗 L、M;⑧ (h∧t)[ℓ∧t]=0、⑨ (h∧t)[m∧t]=0,即如果治疗 L 或 M,则不治疗 H。
伦理要求还包括:⑩ t[¬t→¬s]=1,即不接受治疗就无法存活的感染者应当接受治疗;⑪ s=1,即所有感染者都应当存活。
对于尽可能满足公式 ①~⑪ 的原子公式 h,ℓ,m,s,t,可以考虑以下分类:
- 若 t[h]≥max{t[ℓ],t[m],0.5},先治疗 H,此后不治疗 L、M。期望存活人数为 0.1+0.6×2=1.3。
- 若 t[ℓ]>t[h]≥max{t[m],0.5},先治疗 L,再尝试治疗 H,即使无法完成。期望存活人数为 1.6。
- 若 t[m]>t[h]≥max{t[ℓ],0.5},先治疗 M,再尝试治疗 H,即使无法完成。期望存活人数同样为 1.6。
- 若 t[ℓ]≥t[m]>max{t[h],0.5},先治疗 L,再治疗 M。期望存活人数达到最优的 2。
- 若 t[m]>t[ℓ]>max{t[h],0.5},先治疗 M,再治疗 L。期望存活人数同样为 2。
以同样方式列举其余情形。若某种情形与上述某种情形相似,还须说明两者的区别。
Kai
場合分けの方針
a=t[h],b=t[ℓ],c=t[m]
とおく。提示された 5 ケースは、優先度が高い者から扱い、同点なら H を L・M より先にし、L と M の同点なら L を先にする規則と整合する。
ただし、原文は H に対して a≥0.5 を用いる一方、L・M を続けて治療する例では第 2 位の値に厳密不等式 >0.5 を用いている。L・M の値がちょうど 0.5 の場合の扱いは、示された例だけでは一意に決まらない。 また、多値論理の各演算や「なるべく満たす」の評価方法も数式としては指定されていない。
以下ではまず、0.5 以上を治療候補に含めるという補完規則を明示して、未記載の場合を全て挙げる。その後、0.5 を候補に含めない解釈との差を示す。どちらの境界の補完も、問題文に書かれた 5 ケースを変更しない。
未記載の全ケース
a≥0.5 の領域は提示された 5 ケースで全て尽くされる。従って未記載の場合は a<0.5 に限られ、次の 5 行で相互に重複なく表せる。
| 条件 | 治療の順序・対象 | 期待生存者数 | 提示例との違い |
|---|
| a<0.5, b≥0.5>c | L のみを治療 | 1+0+0.6=1.6 | 第 2 ケースと同じ期待値だが、H は候補外なので H の治療を試みない |
| a<0.5, c≥0.5>b | M のみを治療 | 1+0+0.6=1.6 | 第 3 ケースと同じ期待値だが、H の治療を試みない |
| a<0.5, b≥c=0.5 | L、M の順に治療 | 1+1+0=2 | 第 4 ケースの第 2 位の値が閾値 0.5 に一致する境界 |
| a<0.5, c>b=0.5 | M、L の順に治療 | 1+1+0=2 | 第 5 ケースの第 2 位の値が閾値 0.5 に一致する境界 |
| max{a,b,c}<0.5 | 誰も治療しない | 0+0.6+0.6=1.2 | 全員が候補外であり、提示されたどの場合にも該当しない |
例えば a<0.5 でも b≥c>0.5 なら、既に提示された第 4 ケースに入るため、新たなケースとして重複して挙げる必要はない。同様に c>b>0.5 は第 5 ケースである。
閾値上の解釈を変える場合
L・M について厳密に >0.5 の者だけを治療候補にするなら、表の境界部分は次のように変わる。
- 第 1 行で b=0.5、または第 2 行で c=0.5 なら、誰も治療せず期待値は 1.2。
- 第 3 行で b>c=0.5 なら L のみ、第 4 行なら M のみを治療し、期待値は 1.6。
- 第 3 行で b=c=0.5 なら、誰も治療せず期待値は 1.2。
閾値から離れたケースの答えは変わらない。従って、この問題では通常の大小関係だけでなく、等号を含む境界の扱いを明記して列挙する必要がある。なお、H の治療を完遂できない場合の生存への寄与は、問題文がそのケースの期待値を 1.6 としている取り扱いに合わせている。
Reference