電気通信大学 情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻 2022年8月実施 必須問題 線形代数
Author
Miyake
Description
実数 a に対して、A=−1041+a11−a−205 を考える、E=100010001 とする。
(1) A の固有値をすべて求めよ。
(2) A の最大の固有値を λ1 とする. λ1 に対する A の固有空間の基底を求めよ。
(3) A の最小の固有値を λ2 とする. 線形変換 f:R3→R3 を
f(x)=(λ2E−A)2x (x∈R3)
で定義する。f の核 Kerf の次元、および f の像 Imf の次元を求めよ。
(4) A が対角化可能であるための a の条件を求めよ。
(5) a が (4) で求めた条件をみたすとき、An を求めよ、ただし、n は自然数とする。
Kai
(1)
A の固有値を λ とすると、
0∴ λ=det−1−λ041+a1−λ1−a−205−λ=(1−λ)det(−1−λ4−25−λ)=(1−λ)(λ2−4λ+3)=−(λ−1)2(λ−3)=1,3
を得る。
(2)
A の最大の固有値 λ1=3 に対する固有ベクトルを求めるため、
−4041+a−21−a−202xyz=000
とおくと、 y=0,2x+z=0 を得る。
したがって、 λ1=3 に対する A の固有空間は1次元であり、その基底は、例えば、
10−2
である。
(3)
λ2=1 であり、
(λ2E−A)2=4−102−102−102
である。
この行列のランクは 1 なので、
f の核の次元は 2 であり、 f の像の次元は 1 であることがわかる。
(4)
A が対角化可能であるための条件は、固有値 λ2=1 の固有空間が2次元であることである。
固有値 λ2=1 に対する固有ベクトルを求めるため、
−2041+a01−a−204xyz=000
とおくと、
−2x+(1+a)y−2z=04x+(1−a)y+4z=0(a)(b)
を得る。
(a) ×2 と (b) の両辺を足すと、
(a+3)y=0(c)
を得る。
(i) a=−3 のとき、 (a), (b), (c) より y=0,x+z=0 となるので、
固有値 λ2=1 に対する固有空間は1次元であり、 A は対角化可能でない。
(ii) a=−3 のとき、 (a), (b), (c) より x+y+z=0 となるので、
固有値 λ2=1 に対する固有空間は2次元であり、 A は対角化可能である。
(i), (ii) より、 A が対角化可能であるための条件は a=−3 である。
(5)
a=−3 のとき、
P=1−1010−110−2
とおくと、
P−1P−1AP=02−1−12−101−1=100010003
であり、
An=P100010003nP−1=P100010003nP−1=2−3n02⋅3n−21−3n12⋅3n−21−3n02⋅3n−1
を得る。