東京工業大学 工学院 情報通信系 2022年8月実施 线性代数
Author
思齐塾, 祭音Myyura
Description
H2. 実数を要素とする行列と列ベクトルを考える.行列 A の転置を tA によって表す.また, n 次元列ベクトル X を n 行 1 列の行列と同様に扱う.ただし n は 2 以上の整数とする.このとき,以下の問に答えよ.
- S を n×n の実対称行列とする.任意の n 次元ベクトル X,Y に対して,演算 ⟨X,Y⟩ を
⟨X,Y⟩=tXSY
によって定義する.
a) ⟨X,Y⟩=⟨Y,X⟩=0,⟨X,X⟩=5,⟨Y,Y⟩=1 であるとき, ⟨X−2Y,2X+Y⟩ の値を計算せよ.
b) n=2 のとき,全ての非零の 2 次元ベクトル X について tXSX>0 が成り立つ対称行列 S=(abbd) を一つ示せ.
c) 次の括弧 c-1 から c-3 にあてはまる式を求めよ.ただし,同じ記号の括弧は同じ式を示す.
a>0 とするとき,対称行列 S を
S=(abbd)
によって定め,全ての非零の 2 次元ベクトル X=t(x,y) について tXSX>0 が成り立つための必要十分条件を求めたい.このために,まず tXSX を計算すると
tXSX=a(c-1)2+(c-2)y2(H2.1)
が得られる.全ての非零のベクトル X についてこの式の値が正になるためには,条件 c-3 が必要になる.他方,条件 c-3 が成り立つとき,c-1 = 0 と y=0 が成り立つときに限り,式 (H2.1) が零になる.この連立方程式を解くことで (x,y)=(0,0) が得られ,非零のベクトル X について tXSX>0 であることが示される.
- R3 によって 3 次元ベクトルの集合を表すとき, R3 の部分空間
{t(x,y,z)∈R3:2x+y−z=0}
の正規直交基底を一組求めよ.ただし, R3 のベクトル X=t(x1,x2,x3) とベクトル Y=t(y1,y2,y3) との内積を tXY=x1y1+x2y2+x3y3 によって定義する.
- n×n の実行列全体の集合を Mn とし,写像 F:Mn→Mn を
F(A)=2A+tA,∀A∈Mn
によって定義する.
a) 任意の行列 A∈Mn について F(A) が対称行列であることを証明せよ.
b) 写像 G:Mn→Mn を
G(A)=A−F(A),∀A∈Mn
によって定義する.このとき,任意の行列 A∈Mn について G(A) が写像 F の核,すなわち Mn の部分集合 {A∈Mn:F(A)=O} に属することを示せ.ただし O は n×n の零行列を示す.
题目描述
以下只考虑实数矩阵和实列向量,以 tA 表示矩阵 A 的转置,并把 n 维列向量视为 n×1 矩阵;其中 n≥2 为整数。回答下列问题。
-
设 S 是 n×n 实对称矩阵,对任意 n 维向量 X,Y 定义
⟨X,Y⟩=tXSY.
a. 已知
⟨X,Y⟩=⟨Y,X⟩=0,⟨X,X⟩=5,⟨Y,Y⟩=1,
计算 ⟨X−2Y,2X+Y⟩。
b. 当 n=2 时,给出一个对称矩阵
S=(abbd),
使每个非零二维向量 X 都满足 tXSX>0。
c. 在下述论证中填出 c-1、c-2、c-3;相同编号的空格须填同一表达式。设 a>0,并令
S=(abbd).
为求“对所有非零二维向量 X=t(x,y) 均有 tXSX>0”的充要条件,先把二次型化为
tXSX=a(c-1)2+(c-2)y2.(H2.1)
要使式 (H2.1) 对所有非零 X 为正,条件 c-3 是必要的;反过来,若 c-3 成立,则式 (H2.1) 仅在 c-1 =0 且 y=0 时为零,而解这两个方程可得 (x,y)=(0,0)。求出三个空格中的表达式。
-
在 R3 中,求子空间
{t(x,y,z)∈R3: 2x+y−z=0}
的一组标准正交基。这里对
X=t(x1,x2,x3),Y=t(y1,y2,y3)
采用通常内积
tXY=x1y1+x2y2+x3y3.
-
记所有 n×n 实矩阵组成的集合为 Mn,定义映射 F:Mn→Mn:
F(A)=2A+tA,∀A∈Mn.
a. 证明对任意 A∈Mn,F(A) 都是对称矩阵。
b. 再定义映射 G:Mn→Mn:
G(A)=A−F(A),∀A∈Mn.
证明对任意 A∈Mn,G(A) 都属于 F 的核
kerF={A∈Mn:F(A)=O},
其中 O 为 n×n 零矩阵。
Kai
問題の解答と詳細な解説
(1) 対称行列と内積の性質
(a) ⟨X−2Y,2X+Y⟩ の計算
内積の線形性(分配法則とスカラー倍のくくり出し)を利用して式を展開します。
⟨X−2Y,2X+Y⟩=⟨X,2X+Y⟩−2⟨Y,2X+Y⟩
=⟨X,2X⟩+⟨X,Y⟩−2⟨Y,2X⟩−2⟨Y,Y⟩
=2⟨X,X⟩+⟨X,Y⟩−4⟨Y,X⟩−2⟨Y,Y⟩
与えられた条件 ⟨X,Y⟩=⟨Y,X⟩=0 , ⟨X,X⟩=5 , ⟨Y,Y⟩=1 を代入します。
=2(5)+0−4(0)−2(1)
=10−2=8
よって、求める値は 8 です。
(b) 条件を満たす対称行列 S の例
全ての非零の 2 次元ベクトル X について tXSX>0 が成り立つ対称行列(正定値対称行列)の最も単純な例として、2 次の単位行列が挙げられます。
S=(1001)
このとき、 a=1,b=0,d=1 であり、対称行列です。
X=t(x,y) とすると、 tXSX=x2+y2 となります。
X が零ベクトルでない( x=0 または y=0 )ならば、 x2+y2>0 が常に成り立ちます。
(c) 括弧 c-1 から c-3 にあてはまる式
tXSX を具体的に計算し、 x について平方完成を行います。
tXSX=(xy)(abbd)(xy)
=(xy)(ax+bybx+dy)
=x(ax+by)+y(bx+dy)=ax2+2bxy+dy2
条件 a>0 より、 a でくくって平方完成します。
=a(x2+a2bxy)+dy2
=a(x+aby)2−a(aby)2+dy2
=a(x+aby)2+(d−ab2)y2
=a(x+aby)2+aad−b2y2
式 (H2.1) の形と比較すると、以下のようになります。
(c-1) x+aby
(c-2) aad−b2 (または d−ab2 )
全ての非零ベクトル X についてこの式が正になるためには、第1項が a>0 と (c-1)2≥0 より 0 以上となるため、第2項の係数 (c-2) が正である必要があります。
すなわち aad−b2>0 です。
a>0 であるため、両辺に a を掛けると以下の条件が得られます。
(c-3) ad−b2>0
(2) 部分空間の正規直交基底
与えられた部分空間 W={t(x,y,z)∈R3:2x+y−z=0} は、原点を通る平面を表します。
この平面上の互いに直交する 2 つのベクトルを見つけ、それぞれの長さを 1 に正規化します。
まず、 W に属する 1 つ目のベクトル w1 を見つけます。
方程式 2x+y−z=0 を満たす簡単な整数の組として、 x=1,z=0 とおくと 2(1)+y−0=0 より y=−2 となります。
よって、 w1=t(1,−2,0) とします。
次に、 W に属し、かつ w1 に直交する 2 つ目のベクトル w2=t(x,y,z) を見つけます。
以下の 2 つの条件を満たす必要があります。
条件1 ( W 上にある): 2x+y−z=0⟹z=2x+y
条件2 ( w1 と直交する): tw1w2=1x−2y+0z=x−2y=0⟹x=2y
x=2y を条件1の式に代入すると、 z=2(2y)+y=5y となります。
y=1 とおくと、 x=2,z=5 となります。
よって、 w2=t(2,1,5) とします。
最後に、これら 2 つの直交するベクトルを正規化(長さを 1 にする)します。
w1 の長さ: ∥w1∥=12+(−2)2+02=5
w2 の長さ: ∥w2∥=22+12+52=4+1+25=30
したがって、求める正規直交基底の 1 組は以下のようになります。
51t(1,−2,0),301t(2,1,5)
(3) 行列の空間上の線形写像
(a) F(A) が対称行列であることの証明
ある行列が対称行列であることは、その行列の転置が元の行列と等しいこと、すなわち t(F(A))=F(A) を示せばよいことになります。
転置の性質 t(X+Y)=tX+tY および t(cX)=ctX ( c はスカラー)、 t(tX)=X を利用します。
t(F(A))=t(2A+tA)
=21(tA+t(tA))
=21(tA+A)
=2A+tA=F(A)
よって、任意の行列 A∈Mn について F(A) は対称行列であることが証明されました。(証明終)
(b) G(A) が F の核に属することの証明
G(A) が F の核に属するとは、 F(G(A))=O (零行列)となることを意味します。
まず、 G(A) を展開します。
G(A)=A−F(A)=A−2A+tA=22A−A−tA=2A−tA
この G(A) を F の定義式に代入して F(G(A)) を計算します。
F(G(A))=2G(A)+t(G(A))
分子の第2項 t(G(A)) を計算します。
t(G(A))=t(2A−tA)=21(tA−t(tA))=2tA−A
これらを F(G(A)) の式に戻します。
F(G(A))=21(2A−tA+2tA−A)
=41(A−tA+tA−A)
=41(O)=O
したがって、 F(G(A))=O が成り立つため、 G(A) は写像 F の核 {A∈Mn:F(A)=O} に属することが示されました。(証明終)
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