東京工業大学 情報理工学院 数理・計算科学系 2022年8月実施 午前 問A
Author
Miyake, 祭音Myyura
Description
n (n≥3) を整数とし, 複素数を成分とする n×n 行列全体の集合を Mn とする.
Mn の元で零行列と単位行列をそれぞれ O,I と書く.
Mn の元 A が A2=O,A3=O を満たすとし, Mn の元 X を
X=I+A+2A2
により定義する. 以下の問いに答えよ.
(1) 次の行列 B について B2 と B3 を求めよ.
B=−11111−1020
(2) Mn を複素ベクトル空間であると考えるとき, I,A,A2 が線形独立であることを示せ.
(3) X の固有値はすべて 1 であることを示せ.
(4) X の逆行列を I,A,A2 の線形和で表せ.
题目描述
设整数 n≥3,Mn 为所有 n×n 复矩阵组成的集合,O、I 分别表示其中的零矩阵和单位矩阵。取 A∈Mn,并假定
A2=O,A3=O,
再定义
X=I+A+2A2.
- 对下列矩阵计算 B2 和 B3:
B=−11111−1020.
- 将 Mn 视为复向量空间,证明三个矩阵 I,A,A2 线性无关。
- 证明矩阵 X 的每个特征值都是 1。
- 用 I,A,A2 的线性组合表示 X 的逆矩阵。
Kai
(1)
B2B3=211−100011−1=O
(2)
複素数 x,y,z について
xI+yA+zA2=O(a)
が成り立つとする。
式 ( a ) に A2 をかけると
xA2+yA3+zA4=O
となるが、 A2=O,A3=O から x=0 がわかり、式 ( a ) は
yA+zA2=O(b)
となる。
式 ( b ) に A をかけると
yA2+zA3=O
となるが、 A2=O,A3=O から y=0 がわかり、式 ( b ) は
zA2=O
となる。
A2=O から z=0 がわかる。
式 ( a ) を仮定して x=y=z=0 を得たので、 I,A,A2 は線形独立である。
(3)
X の固有値を λ とし、これに属する固有ベクトルを
v (零ベクトルでない)とする:
Xvv+Av+2A2v=λv=λv
これに A2 をかけると、
A2v+A3v+2A4v∴ A2v=λA2v=λA2v
となる。A2v=0 なら λ=1 である。
A2v=0 なら元の式に A をかけて
(1−λ)Av=0
を得る。Av=0 なら λ=1 であり、
Av=0 なら元の式が v=λv となるので、やはり λ=1 である。
つまり、 X の固有値はすべて 1 である。
(4)
Y=aI+bA+cA2 とすると、
XY=aI+(a+b)A+(2a+b+c)A2
なので、 a=1,b=−1,c=−1 のとき XY=I となる。
したがって、
I−A−A2
は X の逆行列である。