東京工業大学 情報理工学院 数理・計算科学系 2017年8月実施 午前 問A
Author
peter8rabit, NemuNemuNyanko, 祭音Myyura
Description
次元線形ベクトル空間 から への写像 に対して となる は写像 の不動点とよばれる.
正整数 に対して, を の 回合成写像とする.
つまり .
としたとき,以下の行列
によって定義された写像 について答えよ.
(1) の固有値をすべて求めよ.
(2) のすべての不動点からなる集合は の線形部分空間になることを示せ.
(3) のすべての不動点からなる線形部分空間の次元と基底となるベクトル一組を求めよ.
(4) のすべての不動点からなる線形部分空間の次元と基底となるベクトル一組を求めよ.
Kai
(1)
とおくと、
より、
(2)
,
よって、 のすべての不動点からなる集合は の線形部分空間になる。
(3)
とすると、
より、
従って、次元1、基底 。
(4)
peter8rabit の解
とすると、
であり、 の固有値は で、その固有ベクトルは となる。(特に、 を使う)
一方、 とすると、 より、 は の固有値 の固有ベクトルである。
従って、(3) と同じ集合である。
NemuNemuNyanko の解
に対応する固有ベクトルを とすると、
よって、
ゆえに不動点集合は
が奇数のとき、 が基底の線形部分空間
が偶数のとき、 が基底の線形部分空間